完済まで一銭も生まない住宅ローンは組まない方がいい…それでも借金して持つ価値のある"不動産の種類"
※本稿は、池本克之『「それでも稼ぐ人」33のルール 景気も、環境も、学歴も、年齢も、この人には関係ない』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■いざとなったら「自己破産すればいい」は大バカである
いまの世の中、簡単にお金が借りられます。しかも簡単に踏み倒せます。
だから、
「あらゆるカードをつくり、欲望のままに限界まで使いまくり、いよいよ返せなくなったら『自己破産』すればいい。使ったもん勝ちだよ」
などとのたまう大バカ者さえいます。
近年、自己破産は、「借金がチャラになる。家族が肩代わりする必要はない。会社をクビになることもない。一定期間が過ぎたらまたローンやクレジットカードが使える」というふうに、まるでメリットのほうが大きいかのように喧伝されることがあります。
たしかにそういう側面はあります。
しかし、当然ながらデメリットもあります。
たとえば自己破産をすると、まずマイホームや車などの高額な資産は失います。また自分は借金からうまく逃げられたとしても、保証人・連帯保証人の支払い義務はなくならないので、大変な迷惑をかけることになります。
それより何より、
「返済不能に陥るほどの借金をするって、人としてどうなの?」
ということです。
自己破産したことがバレなければいいのですが、どこかで必ずバレます。社会的信用がガタ落ちになることはいうまでもありません。「お金にだらしない人」と思われたら、ビジネスの世界では終わりです。
■安易な借金行為が破滅への第一歩
「こんな借金はいけない」と、自分で自分を戒めるべきタブーが3つあります。
?生活費を借りる
生活費は基本、自分が稼いだお金の範囲内で賄うもの。「足りないから借りる」ようなことがあってはならないのです。
あらゆる消費活動は、家計の大黒柱とするべき生活費をしっかりと確保してはじめて成り立つものだと心得ましょう。
?返済計画を立てずに借りる
お金をつくる・増やすためには計画が必要ですが、借金も同じ。返済計画をしっかり立てていないと、返済するためのお金を確保できません。
お金を借りれば、一時的にふところが温かくなりますから、例の“あれば使っちゃう習性”で、あれもこれもと無駄遣いしてしまうものなのです。
そうして無計画に使い、本業の給料では返せなくなると、苦肉の策としてバイトをするしかなくなります。その行き着く先は「体を使う仕事」。そして心身ともに疲弊します。
あるいは借金に借金を重ねて、にっちもさっちもいかなくなることもあります。最悪の転落パターンでしょう。働いても、働いても、お金は返済に消えてゆくだけ。どこかできちんと計画を立てて完済しない限り、「お金を増やす」ことなんて到底不可能です。
この2つについては、じつは会社経営にも当てはまります。
会社にとって生活費に相当するのは「運転資金」。これを借金で調達してしまうと、あっという間に消えていきます。運転資金が不足した原因を突き止めて、返済計画を含めた改善策を講じないと、いつまで経っても返済のメドを立てることはできないのです。
「いま、苦しいから、お金を借りる」――個人の生活も会社の経営も、そういう安易な借金行為にうっかり手を出してしまうことが、破滅への第一歩になります。

■ローンの利子とはなんのメリットもない支出
?カードローンなどのお手軽なローンを利用する
カードローンとは、カード会社や銀行などが個人向け融資サービスとして提供しているものです。コンビニのATMや銀行などで現金を引き出したり、ネットから自分の口座に振り込んだりすることで、借り入れができます。
手軽さではクレジットカードのキャッシングに近いでしょうか。ただ一般的に、カードローンのほうが使い勝手はいいとされています。
「金利は低め。場合によっては最大1000万円までのまとまったお金が担保なし・保証人なし・利用目的不問で借りられる。好きなタイミングで少しずつ返済できる」と、人気のようです。
この手軽さ、便利さが、まさに“借金地獄”に落ちる入り口となる場合があることを知っておかなくてはいけません。
金利は低めといっても、審査の結果によっては10%以上に設定されることもあります。上限は、借り入れ元金に応じて年利15〜20%にものぼるのです。
預貯金をしたときの金利を考えると、たとえ2%前後に設定できたとしても、低いとはいえませんよね。
とくに返済方法に、毎月の支払い額が一定になる「キャッシングリボ」を利用すると、金利が高いので注意が必要です。
リボ払いにするのがいかに愚かか、いかに危険かは、ここでは詳しく述べませんが、いずれにせよ借金には、もれなく「利子」がついてきます。
これは、自分にとってなんのメリットもない支出ですから、カードローンは利用しないに越したことはありません。このことは、「それでも稼ぐ人」になる以前の話です。
■「まいっか」の気軽な利用でローン残額は50万円に
ここまで「カードローン」のことについてふれましたが、正直に告白すると、私はカードローンで痛い目に遭った経験があります。
金融関係の会社で社会人生活をスタートさせた私は、ざっくりいうと、「メガバンクからお金を調達し、主に中小企業に融資をする」仕事をしていました。
その関係上、取引銀行の人からしょっちゅう「使わなくていいので、カードだけつくってもらえませんか?」と頼まれたのです。
銀行の人にノルマがあるらしく、「いつもお世話になっている方の成績になるなら」と私は気軽に引き受けました。いまのように「当行の普通預金口座不要、来店なしでお申込完了」というほど手続きは簡単ではありませんでしたが。
もともと義理でつくっただけですから、当初はまったく使うつもりはなかったのです。でも魔が差すんですね。「ちょっとお金が足りないな」となって、「ま、いっか」と利用するようになってしまいました。
一時期、ローン残額が50万円にもふくれ上がりました。給料がまだ手取り20万円弱だというのに……。
その後、保険会社に転職して、すぐに年収1000万円プレイヤーになったことでなんとか乗り切れたとはいえ、いま思うと、けっこう危ないところでした。
だから私は、カードローンの怖さを知っています。その私が「カードローンはダメですよ」というのですから、説得力があるのではないでしょうか。
■借金をしていい、たった1つの例外
借金をして資産が増えることは、まずありえません。
だから基本的に「してもいい借金」はありません。
ただし、1つだけ例外があります。それは、明確な目的があってする借金です。
それも将来に向けて、「こんなことをやりたい」「こういう能力を磨きたい」といった確たる目的を達成するために勉強をする、そのお金が足りない、という場合に限ります。
当然、「たくさん稼ぎたいから、借金してでもハイリターンの投資商品を買う」というのはいけません。
ハイリスク・ハイリターンの運用を狙うこと自体は悪くないけれど、それをやるならまず自分で「種銭を稼ぐ」ところからはじめるのがスジというものです。
また「住宅ローン」という、多くの人が当たり前のようにしている借金も、できればしないほうがいい。キャッシュで買うのが理想です。
よく「自宅が資産です」という人がいます。本当にそうでしょうか?
どうやって買ったかを尋ねると、たいていは「住宅ローンを利用しています」という答えが返ってきます。なかには35年もの長期ローンを組む人もいます。
「キャッシュで買えないのだから、しょうがない」と思うかもしれませんが、よく考えてみてください。
仮に7000万円でマイホームを建てたとして、自己資金が1000万円、銀行等からのローンが6000万円なら、自分の資産は1000万円のみ。ローン分の6000万は、銀行などの資産なのです。

■「持っているだけの資産」より「使える資産」を
もちろん借金をコツコツ返していけば、だんだんと自分の資産になっていきます。でも完済するまでの間、その資産は一銭も生みません。生まないどころか、利子という形でバカにはならないお金が出ていきます。
さらに残念なことに、家は使っている間に経年劣化していきます。まだ自分の資産になっていないのに、リフォーム代がかかるというのも、なんだかむなしい話ですよね。
それにほとんどの場合、住宅ローンという借金の担保は「命」です。働き続けて、もし途中で死んだら、専用の生命保険で完済する仕組みになっています。
それでは命と物件を担保に取られて、銀行のために働いているようなものではありませんか。
そんな借金をするくらいなら、株でもなんでも、お金が自分でお金を生んで自動的に資産が増えていく運用をするべきでしょう。

そうしてまとまったお金ができたら、キャッシュもしくは一部短期のローンを組んでマイホームを建てればいいのです。
ただし、不動産投資としてアパートの一棟買いなら、借金して持つ価値があります。なぜなら家賃収入という形でのインカムゲインと、売却したときのキャピタルゲインと、お金を生み出す仕組みを2つ、備えているからです。
ようするに、
「ただ持っているだけの資産よりお金を生み出してくれる資産を持つべきである」
というのが私の考え方であり、「それでも稼ぐ人」の考え方であるといえるでしょう。
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池本 克之(いけもと・かつゆき)
組織学習経営コンサルタント
株式会社パジャ・ポス代表取締役、NPO法人Are You Happy? Japan 代表理事。1965年神戸市生まれ。日本大学卒業後、金融会社を経て、ソニー生命保険に入社。わずか2年で「全国トップ20」の成績をあげる。その後、マーケティング会社、通販会社の経営を経て、ドクターシーラボ、ネットプライスなどの社長を務める。年商3億円の企業をわずか4年で120億円にするなど、さまざまな企業の上場、成長に貢献し「成長請負人」と呼ばれる。現在は数社の社外取締役を務めつつ、コンサルタントとして一部上場企業からベンチャー企業まで200社以上を指導。
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(組織学習経営コンサルタント 池本 克之)
