沼津駅南口でクラフトビール店をはしご酒! 出張・観光時にチェックしておきたい2軒

静岡だから!? 水の良さでクリアな味わいを堪能
静岡市での出張前日、僕は沼津にいた。ずっと行きたかった「リパブリュー」のタップルームへ行くため、前乗りしたのだ。
せっかくならと、他にもブルワリーがないかと探してみたら、「マスターズブルーイング」というブルワリーを発見。2022年11月に誕生したばかりだそう。
この2軒の共通点は、どちらも沼津駅南口からすぐの位置にあること。アクセス至便なのだ。20分ほど歩けば、「沼津クラフト」のテイスティングルームもあるのだが、すでに閉店(18時まで)だったため、こちらは断念。
まず向かったのが「マスターズブルーイング」。『2階のビアパブ』という店名の通り、2階がビアパブになっていて、1階はビールの醸造所だ。
海が近いからかなんとなくリゾートチックな店内。ビールを飲むぞ! と気分が高まる。

さて、何を飲むか。ひとりで行くと、飲める量に限界がある。少しでも多くのビールを飲みたいと思っていたら、あるぞ! 「自社ビール飲み比べセット3種」(1000円)。

選んだのは「HAZYマスターズIPA」、「PUNKマスターズIPA」、「紅富士HAZY IPA」。まず「HAZYマスターズIPA」。濁りはそれでも強くなく、苦みも控えめ。華やかな香りを感じながら、さらりと飲める。
「PUNKマスターズIPA」は、口に入れた瞬間トロピカルな風味に包まれ、その後にホップの苦みがやってくる王道の味。
「紅富士HAZY IPA」は、甘みと苦味のバランスが絶妙。どっちにも振れそうな味わいだ。飲み比べだったので小さいグラスだったが、パイントで味の変化を楽しむのがよさそう。
さすが静岡、水がいいのか総じてビールがクリアで口当たりがよかった。あとで調べてみたら、富士山の伏流水を仕込み水に使っているようだ。納得。
おつまみについても触れておこう。驚いたのが「伊豆鹿のジャーキー」。コク深く、噛むほどに滋味が広がる。これがあれば永遠にビールを飲んでいられると思えるほど、おいしかった。これで500円は安いなぁ。

「国産ローストビーフのカルパッチョ」は、噛めば噛むほど肉の旨みが広がっていく。バジルソースがビールを進ませた。

■『MASTERS BREWING 2階のビアパブ』
静岡県沼津市大手町5-2-3
念願のリパブリューで出合った衝撃のスタウト!
ほろ酔いながら、いよいよ念願の『駅前ビール工場 リパブリュー 沼津』へ。こちらは僕が数年前、静岡駅近くのビアパブでたまたまココのIPAを飲んだのが出合い。そのおいしさに衝撃を受けて以来、ビアバーや酒屋さんで見つけたら必ずといっていいほど飲む(買う)贔屓のブルワリーになっていた。

ビルの地下にあるお店に入ると、人がまばらだった夜の沼津が嘘のように賑わっていた。メニューは基本スマホからのオーダー。おぉ、自家醸造のビールが20種類もタップで飲めるではないか! しかも、ゲスト(他社のクラフトビール)なしという潔さ! テンション爆上がりである。
ならば、「マスターズブルーイング」と同様にできるだけ多く飲みたいと、4種が選べる「フリーチョイスフライト」(1580円)をオーダー。スタイルをバラけさせるべく「沼津Hazy IPA」、「Dankboy」、「民顕式ラヰムギ麦酒」、「Oi!Star」を選んだ。

「沼津Hazy IPA」、リストに書いてある通り、グアバ・パイナップルを思わせる香りが印象的。オーツ麦のなめらかな口当たりでグイグイいける。
「Dankboy」、通常より早いタイミング(透過段階)でホップを投入する「マッシュホップ」という技法で作られている。ホップの重層的な香りと味を楽しめた。
「民顕式ラヰムギ麦酒」、カラメリックだけど、昔ながらの地ビールによくあるカラメル感の強いビールのような甘ったるさがない。それもライ麦由来の香ばしさやスパイシーさの賜物。心地いい余韻が口の中で残る。
「Oi!Star」、このスタウトが衝撃! 35kgの牡蠣の殻を3回に分けて煮沸段階で入れた上に、トリュフ塩を熟成段階で投入しているというから恐るべし。
グラスを近づけたそばからトリュフの香りがぶわっとやってきて、口にすれば旨みが一気にあふれだす。何これ、旨すぎ! こんなにオイリーなビールも珍しい。

どうやらこの「Oi!Star」、東京・代々木にある『オイスターバー Covo』と、同じく代々木にあるビアバー『ウォータリングホール』の林ユウヤ氏によるユニット「Yuya Boys」とのコラボビールらしい。直営店限定ということ飲んだが、それに留めるのはもったいないほどの出来栄えだ。
と、このときは一期一会と思っていたが、その後、『ウォータリングホール』で奇跡の再会を果たして驚いた。
閑話休題。ひとりでずっと飲み続けていると、そりゃあ酔いがまわってくるもんで。でもようやく訪れたリパブリュー。これだけでは帰れまいと、もういっちょ「フリーチョイスフライト」を注文した。
おかわりのフライトで高度数をチョイスし、ベロベロに……

「Brugge」、ヴァイツェン酵母を使ったベルジャンIPA。まろやかな味わいながら、甘みがあってちゃんと苦みもある。飲みやすいのにアルコール度数8.8%。危険だ。
「サワータイムブルース」、自分の中でリバブリューは、あまりサワーを作っていない印象があったので「これは珍しい!」とセレクト。乳酸菌由来のやさしい酸味がクセになる。リストの説明に「白ブドウのような味わい」と記載があり、確かに! と膝を打つ。
「MemoryCrusher」、トリプルIPAとあってアルコール度数は本日最高の12%! 自分で自分を潰しにかかってるとしか思えないセレクトである。ファーストインパクトは白ブドウ。そして、シトラス。なんだろう、いい意味でビールらしくないというか、ジンを思わせる味だった。
「Black Ruthenium 44」に関しては、メモが残っていない。このあたりで自分の酔いの限界を感じる。リストの説明書きによると、オール麦を使ったスタウト。一般的なそれより口当たりがなめらかだったように思う。すまん!
さすがは「ないものを造る」をコンセプトにビールを作るブルワリー。どれもオリジナリティを感じる唯一無二感がすごかった。
ちなみに、こちらはメニュー表に「おすすめペアリングフード」があって、料理名が記載されている。ホントはこれに合わせたかったところだが、2軒目とあって少しお腹が膨れているし、しかもひとり。限界がある。
そんな中食べた2品がいずれもガッツリ系。今考えるとよく食べたなと思う。

まずは「ラムメンチ」。手のひらサイズの大きなメンチはラムの旨みがギュッと凝縮。こちらは最後に書いた「Black Ruthenium 44」と合うというのだが、いかんせん記憶が薄く……合ってたと思う。あぁ、ポカした。正直、すまん!

もう一品は、「深海魚のフィッシュアンドチップス」。やはりご当地感のあるものを食べたい、と意を決していただいた。沼津港は深海魚がよく水揚げされること、水族館もあるほど深海魚にゆかりのある街なのだ。

白身魚よりも少し甘みがあるように感じた。にしても、店を出るときはベロベロ。ひとりで結構酔っ払ってしまった……。と、会計時に冷蔵ケースに目をやると、あるものを見つけてしまう。「Natural Roots Studio」。それは、確かこのとき、リリースされたばかりだった新シリーズ。
2種類あり、1本なら飲めるかと「JAM Dankness」というビールを購入。ホテルに戻りプシュっと開けて飲んだ。が、前述の通り、もうベロベロ。おいしいという記憶だけが残って夢の中へいざなわれた。後日、同じビールを発見したので再飲した。

グラスに注ぐやいなや、フルーティな香りが広がる。飲むと小麦の柔らかさがありながらジューシーな味わい。暑いときに冷やしてグビグビ飲むのに最適だ。クラフトビールって重いよね? という方にこそすすめたいドリンカブルな一本だった。
■『駅前ビール工場 リパブリュー沼津』
静岡県沼津市大手町2-1-1 ポルト沼津 地下1階
こうして、翌日静岡市内の茶園取材へと向かったのだった。その情報について、詳しくは現在発売中の『おとなの週末』2023年5月号の和紅茶特集をご覧いただくとして。ここで終わりかと思いきや、まだあるのです。

【おまけ】用宗でWCBのタップルームへ!
JR金谷駅から電車に乗り、静岡駅を目指す道中、「次は用宗駅」のアナウンスが耳に入ってきた。一緒にいたライターさん、カメラマンさんに「すみません、僕次で降ります!」と言い、途中下車。そう、用宗駅にはWCB(WBCではない)こと「ウエスト コースト ブルーイング」のタップルームがあるのだ。
これまた行ってみたかったビアスポットのひとつ。このチャンスを逃すまいと向かった。歩くこと約10分、オシャレな建物を発見。

ここでは一杯勝負と決めていた。戻ってからブツ撮りの立ち会いがあるからだ。タップは16種類。たしかすべてWCBのビールがつながっていた。
さて、勝負の一杯。ここでしか飲めないものをと選んだのが「Dubious Decisions(デュビアス・ディセイションス)」。

木樽で熟成したインペリアルスタウト。バニラの甘い香りとウイスキーを思わせる樽香が口中を覆い尽くす。「おぉ」と声が漏れる。ちょっと甘くてデザートのようなビールなので、ちびちびと飲む。
さて、このタップルーム、WCB直営のホテル『THE VILLA & BARREL LOUNGE MOCHIMUNE』1階にあるのです。なので、ベースはホテル。お部屋にはビアタップがあり、最大10リットルまで飲み放題! しかも宿泊者専用の限定ビールなんだとか。いつかそんな夢の部屋に泊まれたらいいなぁと想像を膨らませながら、静岡駅へ向かった。
■『THE VILLA & BARREL LOUNGE MOCHIMUNE』
静岡県静岡市駿河区用宗2-26-1

取材・撮影/編集部えびす

