Bluetoothがなくなったらパニック!? 年間出荷台数が50億台に迫るほど進化を遂げていた

パソコンやスマートフォンの周辺機器といえば、
・キーボード
・マウス
・スピーカー
・イヤホン、ヘッドホン、ヘッドセット
これらを思い浮かべる人は多いだろう。
いずれの機器も、かつてはすべてケーブル接続だった。
しかし今は、ほとんどがケーブルレスの無線接続だ。
そのケーブルレスを支えているのが「Bluetooth(ブルートゥース)」だ。
もちろん今でもUSB端子やイヤホン端子によるケーブル接続もある。
しかし、ケーブル接続が当たり前だった時代に比べ、
今ではワイヤレス接続で利用する人が急増しているのだ。
Bluetooth技術をとりまとめる非営利事業者団体である「Bluetooth SIG(Special Interest Group)」が昨年4月に公表した「2021市場動向」の資料によると、世界市場におけるBluetoothデバイスの年間総出荷台数予想は、
・2021年で45億台
・2022年で49億台
このように50億台突破も目前に迫っている。
2025年までには64億台の出荷が見込まれているという。

Bluetoothデバイスの年間総出荷台数
そこで今回は、Bluetoothがいかに我々の生活に浸透しているのかをみていこう。
■Bluetoothの進化
Bluetoothの普及にはバージョンアップによる進化が不可欠だ。
かつてのBluetooth機器では
・接続に手間がかかる
・接続が切れやすい
このような課題もあり、不便だと感じていた人も多かっただろう。
しかし、現在のBluetoothは、以前のような不満や不便さは減少している。

Bluetoothの最新バージョンは5.2
バージョン4.0以降の主な変更点や機能追加は以下のようになっている。
・バージョン4.0…省電力機能「LE(Low Energy)」を追加
・バージョン4.2…LEの通信速度が約2.5倍高速化
・バージョン5.0…LEの通信速度が最大2Mbpsに高速化、通信到達距離が最大400mまで可能に
・バージョン5.1…方向探知機能の追加
・バージョン5.2…LE Audio規格の追加
かつてのBluetooth機器で不便を感じ、使うことを避けていた人は、
ぜひ新しいバージョンのBluetooth製品を試してほしい。
■意外な製品にもBluetoothを搭載
冒頭で触れたように、キーボード、マウス、イヤホンなどはBluetooth搭載製品が多く販売されている。
Bluetooth SIGでは「プラットフォーム機器」と呼んでいるが、いわゆる親機にあたるパソコンやスマートフォン、タブレット製品も当然Bluetoothを搭載している。

スマートウォッチやスマートバンドもBluetoothに対応した機器
ほかにも
・スマートウォッチ、スマートバンドなどのウェアラブル
・体組成計
・電動歯ブラシ
・補聴器
・カーナビゲーション
・プロジェクター
・スタビライザー(ジンバル)
・自撮り棒
・ICレコーダー
・翻訳機
・アイマッサージャー
・ハンディファン
・空気清浄機
・トランスミッター
・ゲーム機のリモコンや各種リモコン、スマートリモコン
このように、日常で使っている様々な製品がBluetoothを採用しているのだ。
いまやBluetoothは、無意識のうちに日常生活で利用していてもおかしくはない。
それほどまでに、我々の生活にBluetoothは浸透しており、なくてはならない存在といっても過言ではない。
■ワイヤレス通信の種類
よく知られている無線技術はBluetoothだけではない。
・モバイル通信(携帯電話サービス)
・無線LAN(Wi-Fi)
・赤外線通信(IrDA)
これらの無線通信がある。
モバイル通信やWi-FiはBluetoothよりも広範囲で、複数の機器をインターネットに接続したり、ネットワークの構築をしたりする。
赤外線通信は、従来のテレビやエアコンのリモコンのほか、ガラケー時代には電話番号の転送にも利用されていた。指向性が強いため対象物の方向に向ける必要がある。

Bluetoothは手元の機器どうしを接続するのにちょうどいい
Bluetoothは、機器を1対1で接続してデータや命令をやり取りできる。
Wi-Fiほど広域での利用はできないが、赤外線通信のように狭い範囲でしか利用できない制限もない。
数メートルから、見通しがよければ十数メートルまで届くとも言われており、接続範囲内であれば離れた場所で利用できる。
■ケーブルはすべてなくなるのか
便利なBluetooth接続だが、
今後、ケーブル接続は、ワイヤレスに置き換えられるのか?

USBケーブルは圧倒的な汎用性がある
たしかにBluetoothは便利だが、すべての有線接続に置き換わるとは考えにくい。
Bluetoothは使い勝手や機能を改善させてきたが、それでも欠点や課題は残っているからだ。
・通信の遅延
・電波干渉が発生する可能性
・電源が必要
これらは無線接続であるがゆえの弱点となる。
逆に有線接続にも、接続部分の劣化による断線や接続不良といったトラブルが発生する弱点がある。
つまり、無線のBluetoothも、有線のUSBにも、一長一短があるということだ。
さらに言えば、後発のBluetoothは、いまやUSBに劣らず、同等以上に役に立つものになってきている。
Bluetoothは、もはや今の我々の生活で必要不可欠な存在であることは間違いない。
Bluetoothが、5年後、10年後に、どのような進化をしているのか。
これからも楽しみだ。
執筆:S-MAX編集部 2106bpm