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納期が長いSUVは?

最近はクルマの納期が全般的に延びている。

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契約してから納車されるまでの期間は、通常は在庫車でなくても1か月から1か月半に収まっていた。


トヨタ・ランドクルーザー

それが今は、販売店によると「納期が3か月以上の車種が増えた。2か月なら短い部類に入る」とのことだ。

そして納期の長い車種は、SUVに多く見られる。

納期が長い主要SUV(2022年1月初旬現在)

トヨタ・ヤリス・クロス:6か月
トヨタ・カローラ・クロス:7か月
ホンダ・ヴェゼルe:HEV:6か月(PLaYは受注中止)
トヨタ・ハリアーハイブリッド:7か月
レクサスNX:1年前後
スズキ・ジムニー:1年前後
トヨタ・ランドクルーザー:4年以上?

とくに人気の高いコンパクトSUVでは、上記のとおり納期が長い。売れ筋とされるトヨタのヤリス・クロスとカローラ・クロスも半年を要する。

ホンダ・ヴェゼルについては、販売店では以下のように述べている。

「ノーマルエンジンの納期は約3か月だが、ヴェゼルの売れ筋はe:HEV(ハイブリッド)だ。e:HEVは大半のグレードが6か月で、最上級のPLaYは納期が著しく延びたから、2021年の終盤以降は受注を中断している」

このほかハリアーもハイブリッドは7か月とのことだ。

SUVはコンパクトからLサイズまで、さまざまな車種にわたり、納期が遅延している。

レクサスは登録台数が激減

レクサスNXは、2021年10月に発表されたが、納期は長い。

レクサスの販売店では以下のように述べた。


レクサスNX

「NXの納期は約1年まで延びている。それ以上に遅れる可能性もあり、正確な納車の日程は、生産計画が立たないとお伝えできない。今はNXに限らず、レクサス全体の納期が長引いた。そのために売れ行きは激減して、受注が溜まるばかりだ」

たしかにレクサスの登録台数は、納期の遅延で激減している。2021年11月は、前年の11月に比べて42.5%の大幅なマイナスとなった。

これから生産状況が回復しても、膨大な納車待ちの車両が溜まっているから、新たに注文した時の納期はしばらく遅延が続きそうだ。

このほかジムニーも、納期が約1年に達する。

販売店では「現行ジムニーは、発売から3年以上を経過するのに、納期が縮まらない。小型車のジムニーシエラも納期は同程度になる」とのこと。

そして納期の最も長い車種がランドクルーザーだ。

2021年8月に発売されて以来、納期が大幅に遅れている。

販売店では、発売直後は2年と返答していたが、今は「納期がまったく分からない。4年以上を要する可能性もある」と述べる。

いつ買えるか分からないのでは、販売していないのと同じだ。

半導体不足のみが原因ではなく……

納期はなぜここまで延びたのか。

各販売店から共通して聞かれるのは、「新型コロナウイルスの影響で、半導体、ワイヤーハーネス、各種ユニットの供給が滞っている」というもの。


トヨタ・ランドクルーザー    トヨタ

いまだに半導体などの生産が回復しない国や地域がある一方で、経済活動の再開も見られる。

そのために需要と供給のバランスが崩れ、世界的な品不足を招いた。

この影響で納期が遅れるのは、仕方がないことのようにも思える。

しかし納期遅延の原因が、すべて新型コロナウイルスによるものとは限らない。

影響を与えているのは確かだが、それ以外の理由もある。

例えばランドクルーザーの開発者は、次のように述べた。

「ランドクルーザーを最も多く販売する地域は、中東になる。中東地域で、生産総数の50%以上を売る。そこにオーストラリアとロシアを加えると90%に達する」

「日本を含めたそのほかの地域は、残りの10%に含まれるから、割り当てられる台数が大幅に減ってしまう」

「そして新型は中東での人気が予想以上に高く、生産が間に合わない状態だ」

つまり新型コロナウイルスの問題がなかったとしても、ランドクルーザーの納期は延びていたことになる。

ホンダでは生産工場閉鎖も原因に

ヴェゼルについては、販売店では次のようにコメントしている。

「納期の遅れには、新型コロナウイルスも影響を与えたが、それだけではない」


ホンダ・ヴェゼル

「ホンダでは最上級のPLaYが人気を高めるとは予想しておらず、納期が1年以上に達して受注を中断することになった。また今までヴェゼルを生産していた狭山工場を閉鎖することになり、鈴鹿製作所に移した。この影響もあると思う」

かつてヴェゼルは狭山工場で生産されていたが、閉鎖に伴って今は鈴鹿製作所に移されている。

ただし鈴鹿では、すでにNボックスを始めとする軽自動車のNシリーズ、フィット、シャトルを生産している。そこにヴェゼルまで加えたから、鈴鹿製作所が過密になった。

そこで販売店は、納期遅延について「この影響もあると思う」と述べたわけだ。

ちなみに以前、狭山工場が生産していたステップワゴンは、寄居工場が受け持つ。

寄居でもフリード、CR-V、インサイトを生産するが、比較的空いている。

つまり生産体制の判断が、ヴェゼルの納期遅延に影響を与えている可能性もある。

愛車の買替 いつから計画すれば?

ジムニーについては、2018年に発売されたとき、国内の販売目標を1年間に1万5000台(1か月に1250台)と発表した。

小型車のジムニーは1年間に1200台(1か月に100台)であった。


スズキ・ジムニー    スズキ

ジムニーはフルモデルチェンジの直前でも、1か月平均で1124台を届け出していたから、20年ぶりにフルモデルチェンジをおこなって、1か月の目標が1250台では少なすぎた。

その結果、納期が1年に遅延したので、ジムニーは可能な限り増産をおこなった。

2018年の発売直後は、1か月の届け出台数が約1800台だったが、2019年の1か月平均は2523台、2020年と2021年には3100台を超えている。それでも納期は縮まらない。

販売店では「生産台数は増やしているが、それに応じて受注も増加しているように思える」という。

今の納期遅延は、半導体やワイヤーハーネスの供給不足が原因とされるが、実際には前述のとおりほかの原因も多い。

需要の読み違い、日本国内よりも海外を優先させる生産計画、生産工場の廃止と移転のさせ方など多岐にわたる。

供給不足だけでは片付けられない。

そして今は新車需要の80%が、今まで使ってきた愛車を下取りに出して新車を買う乗り替えに基づく。

納期が長引けば、新車が納車される前に、下取りに出す愛車の車検期間が満了を迎えてしまう。

納車を待つために車検を取るなど、余分なコスト負担も生じる。

したがってメーカーにとって、納期の短縮は大切な課題だ。

またユーザーも、愛車の車検が満了する1年くらい前に乗り替えの計画を立てて、販売店に納期を尋ねておくことを推奨する。