(写真:アフロ)

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緊急事態宣言の新たな対象地域に茨城、栃木、群馬など7府県が加えられた8月17日。期限は9月12日までとなり、すでに発出されている東京など6都府県では再延長されることとなった。

感染力の強いデルタ株の拡大や医療崩壊の危機感が高まるなか、またしても与党幹部の会食が判明した。参加者は自民党の二階俊博幹事長(82)、森山裕国会対策委員長(76)、林幹雄幹事長代理(74)。そして公明党の石井啓一幹事長(63)、高木陽介国対委員長(61)の合計5名だ。

各紙によると同日の昼、東京都内のホテルにある日本料理店で会談をした二階氏ら5名。会談は「2幹2国」と呼ばれる定期会合で、自民党側から会合場所の案内があったという。

現在、政府は内閣官房のサイトでも《飲食店に行く際は、できるだけ、家族か、4人まででお願いします!》と強調して国民に呼びかけている。またテレワークや時差出勤も推進していることから、ネット上では“人数制限”も無視した会食に《国民には会食は4人まで、と呼び掛けておきながら、与党幹部は例外ですか?》《国民にリモートしろとかどの口が言う》などと批判が相次いでいる。

■火に油を注ぐ与党幹部の“言い訳”

国民への呼びかけを自ら破った与党幹部たちだが、彼らの“言い訳”は火に油を注いでいる状況だ。会食後、森山氏と高木氏は次のように記者団に弁明したという。

「不要不急の会合ではない。食べながら話すということはなかった。感染症対策を理解しながらやっているつもりだ」(自民・森山氏)

「会食ではなく打ち合わせだ」(公明・高木氏)

さらに高木氏は「5人とも2回目のワクチン接種を終えており、感染リスクが従来低下していることも考慮して、広い個室で距離を置いて黙食した」とコメントも発表したという。

昨年12月、政府が5人以上の会食を控えるよう呼びかけていたにも関わらず、二階氏や菅義偉首相(72)ら8名が参加した“ステーキ会食”が非難を浴びたことも記憶に新しい。

そのことについて二階氏はテレビ番組で、「会食を目的にやっていない。意見交換を考えてやっている。全く無駄なことをしているわけではない」と猛反論。今回の会食で森山氏や高木氏がコメントしたことと同じような“言い訳”を展開していたのだ。

1年以上にわたるコロナ禍だが、同じ過ちを繰り返し依然として行動の改善が見られない与党幹部。そのうえ「不要不急ではない」「黙食した」などの言葉を国民に向ける彼らに、「国民をバカにしている」と怒りの声が上がっている。

《言い訳が「黙食」ってマジで凄いな(笑)これで国民に自粛しろ我慢しろっていうのはダブルスタンダードなんて言葉ではなく、バカにし過ぎだろ》
《こういう屁理屈を権力者が恥ずかしげもなく言い放つ日本終わってる》
《言い訳はたくさん作れても「李下に冠を正さず」。政権の言葉は軽くなるばかり》
《やるねー、二階さん。ガースの足引っ張って、これってイジメ?? いや、友情? ナゾい。自民グループ。政治家ではないよ、これは。やさぐれ集団だよ》

同日、緊急事態宣言の拡大を受けて会見を開いた菅首相。国内の感染状況を「危機的な状況」とし、「医療体制の構築」「感染防止」「ワクチン接種」の3本柱で対策を進めることを強調した。だが皮肉にも、菅首相の足を引っ張っているのは“身内”だったようだ。