中国のポータルサイトに、日本の紙幣に印刷されている肖像が世界の他の国と大きく異なる点について紹介する記事が掲載された。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国のポータルサイト・網易に9日、日本の紙幣に印刷されている肖像が世界の他の国と大きく異なる点について紹介する記事が掲載された。

 記事は、大多数の国では紙幣に政治的な指導者の肖像を印刷しているが、日本だけは異なっており、いずれの紙幣にも「学者」が肖像として採用されているのだと伝えた。

 そして、現行の1000円札には細菌学者の野口英世の肖像が印刷されているとし、幼いころに負った大やけどのハンディキャップを背負いながら黄熱病などの研究で世界的な成果をあげるも、自ら黄熱病に感染して命を落としたことから、日本国内では英雄として尊敬されていると紹介。米ニューヨークにあるその墓碑には「科学への献身を通じ、人類のために生き、人類のために死せり」と刻まれているとした。

 また、5000円札には明治期の女流小説家・樋口一葉が採用されていると伝え、樋口が24歳という短い生涯の中で珠玉の名作を複数残し、日本の近現代女性文学の先駆者となったと説明。魯迅の弟で中国の作家・周作人もかつて樋口のことを「天才」という言葉を用いて評価したと紹介している。

 さらに、1万円札には明治の啓蒙思想家・福沢諭吉が用いられており、福沢について経済学を西洋から日本に持ち帰り、資本主義や民主運動の流れを推進するなど、日本の近代化に大きな足跡を残した人物だと伝えた。

 記事その上で「各国が政治的指導者を金銭に刻み込む中、日本人は押しなべて学者を起用している。このように国として学者を偉人として扱うことも、日本が頻繁にノーベル賞受賞者を輩出する土壌を生んでいる要素の一つなのかもしれない」と評した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)