パウラ・バドサ【写真:AP】

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全豪OPに出場するスペイン人選手が明かす過酷な現状

 テニスの4大大会・全豪オープンに出場する女性選手が、厳しい隔離環境に不満を訴えている。部屋から一歩も出られない状態で閉所恐怖症に苦しみ、「見捨てられたように感じる」と胸中を吐露している。英紙が報じている。

 我慢の限界なのかもしれない。世界ランク67位の23歳パウラ・バドサ(スペイン)の訴えを報じているのは、英紙「ガーディアン」。「パウラ・バドサが全豪を前に、『嘆かわしい』隔離環境を酷評」と題した記事で、厳しい隔離下に置かれた現状を伝えている。

 バドサはオーストラリア入国後に新型コロナの陽性反応を示したようだ。規定によって31日までホテルの自室から出られないハードロックダウン状態となっている。

 感染拡大防止にはやむを得ない措置だが、バドサは体の状態を戻すには期間が足りないと訴えている。同紙によると、バドサはスペイン紙「マルカ」に対して「5日前に頼んだトレーニング用具も届いておらず、見捨てられたように感じます。どのタイプのウイルスかも知らされておらず、大会側から何の情報もありません」と話しているという。

 不安な状態のうえに、閉所恐怖症にも苦しんでいるという23歳。現状はコーチと同室の部屋の中での腹筋運動や、ウォーターボトルをウェイト代わりに使った簡単な運動しか出来ていないという。

換気もできない狭い室内「予想もしていませんでした」

 バドサは「キャリアにおいて最悪の体験です」ともコメント。さらに「コンディションは嘆かわしく、予想もしていませんでした。ウイルスに感染した人に対し1番勧められることは、窓を開けて換気することです。でも私の部屋には窓がない。そして(部屋は)わずか15平方メートルほどしかありません」と最悪の環境だとこぼしているようだ。

 記事ではバドサがメルボルンに入り、隔離を始めて7日目に陽性の結果が返ってきたことや、「先週には、カザフスタンの世界ランク28位、ユリア・プチンツェワがげっ歯類が走り回っていることで、部屋で寝るのに苦労すると不満を漏らしていた」などと他の選手に起きている悲劇も含め、現状を伝えている。

 当初からは遅らせ、2月8日に開幕する全豪オープン。選手間の格差が浮き彫りとなっている。(THE ANSWER編集部)