少額当せんが増えた今年の年末ジャンボ宝くじ(写真は2018年の発売風景/時事通信フォト)

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 年末恒例、ジャンボ宝くじの発売時期となった。今年は新型コロナの影響で様々なイベントの延期や中止が相次いだ。感染第2波が過ぎ去った秋にはGo Toキャンペーンが本格化。地域活性化・需要喚起が図られたが、ここにきて第3波が襲来して再び自粛を迫られつつある。こうした中で発売される年末ジャンボ宝くじは、コロナ禍をしばし忘れて億万長者の夢をみる気晴らしになるかもしれない。では、今回の年末ジャンボはどう買うべきか──。ニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が考察する。

【写真】年末ジャンボの混雑売り場

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 年末の風物詩の1つとして、ジャンボ宝くじはすっかり定着している。コロナ禍で様々なイベントが延期・中止・縮小される中で、今年の年末ジャンボ宝くじは例年以上にレクリエーションとしての価値が高まっているものと思われる。

 今年も最高当せん金は1等前後賞あわせて10億円。昨年までと同様の一攫千金のチャンスだ。しかし、細かい点では変更となった部分もある。変更された点をみながら、今年は何を狙うべきか考えてみよう。

当せん金1万円以上の本数が1.4倍に増える!

 よく知られたことではあるが、年末ジャンボ宝くじには、「年末ジャンボ」と「年末ジャンボミニ」の2つがある。「1等前後賞あわせて10億円」のうたい文句で販売されるのは、年末ジャンボだ。これに対して、年末ジャンボミニの当せん金の最高額は、1等前後賞あわせて5000万円にとどまる。

 それでは、年末ジャンボでは何が変更となったか。変更点は7つあげられる。

【1】2等1000万円の当せん本数が、1ユニット(=2000万本)あたり3本から4本に増加
【2】3等100万円の当せん本数が、1ユニットあたり100本から40本に減少
【3】4等の当せん金額が、10万円から5万円に半減(当せん本数は変わらず)
【4】5等1万円の当せん本数が、1ユニットあたり4万本から6万本に増加
【5】年末ラッキー賞2万円(1ユニットあたり2000本)がなくなった
【6】これらの結果、1ユニットあたりの当せん本数は224万4305本から226万2246本に増加
【7】1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、149.495円から149.995円に0.5円増額

 このうち、もっとも注目すべきは、【4】の5等1万円の当せん本数が増加する点だ。この変更により、1万円以上の当せん金が当たるくじの本数は、1ユニット(2000万本)あたり、昨年の4万4305本から今年は6万2246本へと4割以上増加する。

 誰でも1枚300円のくじを買って、1万円以上の当せん金が当たれば嬉しいだろう。この嬉しさを多くの人に味わってもらいたい。今回の変更には、主催者側のそんな意図が感じられる。

ミニは平均186本に1本以上の確率で1万円以上が当せん

 一方、年末ジャンボミニはどうか。年末ジャンボと違って、当せん金の最高額は1等前後賞あわせて5000万円にとどまるが、その分、2等以下の当せんの期待は大きくなる。

 年末ジャンボミニについては、変更点を4つにまとめられる。

【1】当せん金100万円〈1ユニット(=1000万本)あたり100本〉としていた2等がなくなった
【2】当せん金10万円としていた3等が、当せん金5万円の2等に変わり、当せん本数は1ユニットあたり3000本から4000本に増加
【3】当せん金1万円としていた4等が、同額のまま3等となり、当せん本数は1ユニットあたり3万本から5万本に増加
【4】これらの結果、1ユニットあたりの当せん本数は113万3112本から115万4012本に増加
(1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、150円のまま変わらず)

 このうち、もっとも目を引くのは、【3】の当せん金1万円の当せん本数が増加する点だ。1ユニット(1000万本)あたりでみると、1万円以上が当たるくじの本数は、昨年の3万3112本から今年は5万4012本へと、何と6割以上も増加する。

 これは平均的にいうと、1枚300円のくじを186枚買ったら、その中に1万円以上の当たりが1枚含まれていることを意味する。(ただし186枚を買うには5万5800円必要なので、平均的には持ち出しとなる)

 年末ジャンボは、当せん金の最高額は5000万円と低いが、その分、1万円以上が当たる確率が高い。小遣い稼ぎとしては、なかなか魅力的といえるだろう。

年末ジャンボの狙い目は、ズバリ当せん金1万円?

 このように、年末ジャンボも年末ジャンボミニも当せん金1万円の本数が大幅に増えることが、今年の特徴といえる。では、当せん金1万円を当てるにはどうしたらよいだろうか。

 300円のくじを1枚だけ買って1万円を目指すのは、もっともシンプルな楽しみ方といえるだろう。当せん金1万円が当たる確率は、年末ジャンボでは0.3%、年末ジャンボミニでは0.5%。つまり年末ジャンボミニの場合、1000枚に5枚の確率だ。そう簡単に当たるわけではない。でも、もし1万円が当たれば、購入額の33倍以上の当せん金が得られる。嬉しさも相当なものとなるはずだ。

 一方、くじを何枚も買う場合はどうか。買う枚数を増やせば、当然1万円が当たる確率は高くなっていく。ただし、買う枚数に単純に比例して、当たる確率が高くなるわけではない。

 たとえば、年末ジャンボミニで、下3ケタが異なるくじを2枚買ったとしよう。この2枚がどちらも当せん金1万円の3等を外す確率はどれくらいだろうか。

 これは、1枚目が外れ(1000枚に995枚)のうえで、2枚目も外れ(残りの999枚に994枚)となる確率だ。すなわち、99.002%(=「1000分の995」×「999分の994」)となる。裏を返すと1万円が当たる確率は、1からこの数字を引いて0.998%となる。1枚だけ買ったときの確率0.5%の2倍より少しだけ小さい。

 実際に10枚くじを買うとしよう。「連番」で買う場合はもちろん、「バラ」で買う場合も、下3ケタの数字は異なるものとなる(「バラ」で買う場合も、下1ケタの数字は0〜9でそれぞれ異なるため)。すると、10枚のうち少なくとも1枚は当せん金1万円の3等が当たる確率は4.91%となり、1枚だけ買ったときの確率0.5%の10倍よりも小さくなる。

 このように連番やバラで買う場合、買う枚数を増やしたからといって、当たる確率が枚数に比例して高くなるわけではないので注意が必要だ。

 それに、そもそも9000円払って30枚買って、その中から1万円が1本だけ当たったとしても儲けは1000円だ。嬉しさはそれほど大きくないだろう。宝くじの購入枚数と、そこから得られるワクワク感は、単純に比例するわけではないのかもしれない。

楽しさやワクワク感をどう味わうか

 当せん本数が大幅に増えた1万円の当せん金を狙って年末ジャンボミニを買うか、それとも宝くじの醍醐味である一攫千金を目指して年末ジャンボを買うか──どちらも買うとしたら、それぞれの枚数はどうするか?

 くじの買い方は人それぞれだ。これが正解といえるものはない。ただ、このようにいろいろ考えながらくじを買うことから、すでに宝くじの楽しさは始まっているといえるだろう。

 くじを買ってから抽せん日まで、ワクワク感を味わいながらコロナ禍の日常を少しだけ離れる。今年の年末ジャンボ宝くじには、こうした気晴らしの効果があるように思われるが、いかがだろうか。