トヨタが超小型な、その名も「超小型EV」発表。2020年発売予定、高齢者の日常の足や訪問巡回など想定
トヨタが「超小型EV」と称する超小型EVを東京モーターショー2019に出展すると発表しました。超小型EVはコンセプトモデルなどではなく、2020年冬頃の発売を予定。運転初心者や、高齢者などの個人が日常の足として利用することを装丁して開発したとされるものの、一方でトヨタは100を超える自治体や法人、団体などが利用を検討していると、発表文で述べています。超小型EVの特徴は、文字通り超小型なEVで、1回の充電で走行可能な距離が約100km程度になるということ。つまり完全に日頃の生活圏内における空間移動に用途を絞り込んだ設計となっているわけです。都会においては多様な交通機関やサービスが存在し、たとえ高齢者であっても普通に歩くことができればそれほど移動に困るわけではありません。

しかし地方の山村などでは、食料品や日用品の買い出しにも自動車を運転して出かけなければならないところがたくさんあります。またそのような土地は道路も狭く整備も行き届いていないことが多く、大型化の一途をたどる近年の自動車は、必ずしもすべての人のニーズに応えてはいないかもしれません。

トヨタが発表した超小型EVは、1度の充電で100kmほど走行できるため、買い出しだけでなく田畑での農作業へ出向くときなどでも狭い道を難なく通ることができそうです。また法人や団体、自治体による高齢者の訪問巡回などにも、現在の自動車に代わる乗り物として活用されることが期待されます。

もちろん都市部などでもラストワンマイルの移動手段としての活用や、リゾート地域における滞在者の外出用、ゴルフカートの代替的な利用方法も考えられます。

「超小型EV」は、10月24日から開催の東京モーターショー2019 MEGA WEB会場「FUTURE EXPO」に出展予定。ほかには超小型EVのビジネス向けコンセプトモデルのほか、いわゆる"自動車"とは違う「歩行領域EV」と称する歩行や車椅子での移動を補助する電動機が出展されます。

ちなみに、とにかくコンパクトな自動車としては、現行販売車としてはダイムラーの子会社SmartのForTwoが、また古くはスズキのツインなどがありました。Smart ForTwoは現行モデルが内燃機関搭載車としては最終モデルとなり、2020年以降はラインナップをEVに統一することが発表済みです。