Photo by Christoph Gerigk/Franck Goddio/Hilti Foundation

古代ギリシアの歴史家・ヘロドトスの著作「歴史」第2巻にはナイル川についての記述があり、「Baris」と呼ばれる貨物船が描写されています。長らく、学者たちはその文章の解釈に苦労していましたが、ナイル川河口近くで沈んでいた船の調査により、Barisがどういうものだったのかが明らかになっています。

Nile shipwreck discovery proves Herodotus right - after 2,469 years | Science | The Guardian

https://www.theguardian.com/science/2019/mar/17/nile-shipwreck-herodotus-archaeologists-thonis-heraclion



This Nile Shipwreck Is First Evidence That Herodotus Wasn't Lying About Egyptian Boats

https://www.sciencealert.com/a-stunning-nile-shipwreck-provides-the-first-archaeological-evidence-of-a-boat-described-by-herodotus

ヒルティ財団の支援を受けて、アレキサンドリア近海の調査を行っていたオックスフォード大学海洋考古学センターは、水没した港湾都市「トロニス-ヘラクレイオン」の遺跡周辺で、船体の70%が残っているという極めて状態のよい難破船「Ship 17」を発見しました。

調査に携わったアレクサンダー・ベロフ氏の論文掲載の資料によると、見つかった時点の姿はこんな形だったとのこと。



トロニス-ヘラクレイオンはこのあたり。アレキサンドリアの北東に位置します。

Ship 17は最も長い部分で28mある、大きな三日月型の船体と、厚板にほぞを組み合わせた構造が特徴的です。これはまさに、ヘロドトスが「歴史」第2巻に記した、長さ約1mにカットした厚板をレンガのように並べてほぞをかませて作る「Baris」と呼ばれる貨物船と共通しており、ヘロドトスの書き記した内容がそのまま本当であったことがわかります。

ヘロドトスが「竜骨(キール)に穴が開いていて舵を通していた」という操舵システムは、このようなものであったと考えられています。



オックスフォード海洋考古学センターでは研究結果をまとめて出版しており、Ship 17についての話は「Ship 17: a baris from Thonis-Heracleion」という書籍にまとめられているとのことです。この本はAmazon.co.jpでも購入可能で、記事作成時点の価格は6458円です。

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