東京六大学・東都大学の選手に目立った“指名漏れ”、屈辱を糧に大暴れ

 屈辱の“指名漏れ”を味わった大学生たちが今、学生最後の戦いの場で大暴れしている。

 22日に行われたドラフト会議。今年の特徴的な出来事が、多くの実績ある選手が指名されなかったたことだろう。とりわけ、神宮を主戦場とし、毎年多くのプロ選手を送り出す東京六大学、東都大学の選手に目立っていたことが、話題を呼んだ。

 両リーグでプロ志望届を提出しながら、指名を受けなかった選手は以下の通り(東都大学は1部リーグの在籍選手のみ)。

◯東京六大学
明大・菅野剛士外野手
法大・畔上翔外野手
早大・河原右京内野手
慶大・谷田成吾外野手

◯東都大学
専大・浜田竜之祐内野手
亜大・藤岡裕大内野手
亜大・北村祥治内野手
中大・神里和毅外野手

「2、3日間は立ち直れなかった。野球が嫌いになりそうだった」

 どの選手も指名されてもおかしくない実績、実力がありながら縁がなく、名前を呼ばれず。ところが、その多くの選手たちが今、屈辱を力にしているのだ。

 明大・菅野は26日の法大戦で通算28本目の二塁打を放ち、リーグ新記録を樹立。さらにその試合では法大・畔上が4安打して首位打者を射程圏に。学生野球最後となる一戦にすべてを出し尽くして試合に勝ち、試合後は号泣した。

 東都大学では、勝った方が優勝となる27日の国学院大―亜大3回戦で、DeNAから3位指名を受けた柴田竜拓内野手擁する国学院大に亜大が逆転勝利。3季ぶりの優勝の立役者となったのは、逆転劇の口火を切る二塁打を放った藤岡とスクイズを決めた北村の2人と言っていい。

 藤岡が「泣いて朝まで寝られず、2、3日間は立ち直れなかった。野球が嫌いになりそうだった」とコメントしているように、いずれも指名漏れの後には大きなショックを受けていた。それでも、その屈辱から逃げずに、必死に向き合い、乗り越えたことが大きなバネになった。指名されなかったことを見返してやりたいという反骨精神もあっただろう。

谷田と河原、指名漏れを味わった2人が早慶戦で激突

 そうした点で新たに注目したいのが、慶大・谷田と早大・河原だ。ともに指名漏れを味わった2人が、31日から始まる早慶戦で互いのリーグ優勝をかけて激突するのだ。

「高橋由伸2世」といわれる谷田はリーグ戦現役1位の通算15本塁打を放ち、上位候補ともいわれていたが、まさかの指名漏れとなった。ドラフト翌日には「ここからまた2年後を目指します。現実を受け止め、全てを力に変えて、そしてまた今日から頑張ります。人間万事塞翁が馬。最高の2年間にします。この2年間を見てやって応援してやってください」とツイッター上で記したことが報じられるなど、必死に前を向いているようだ。

 さらに、名門・大阪桐蔭出身の河原といえば、勝負強いバッティングと巧みなバットコントロールが売りだ。指名はされなかったが、目下21試合連続安打中で、リーグ記録にあと1試合に迫っている。

 4季連続で両校の優勝をかけて行われる大一番。谷田は4番、河原は主将と、チームの柱となる役割を担っているだけに、屈辱を振り払う心の強さがあるかどうかが、優勝を左右する一つのポイントになる。ともに社会人を経て2年後にプロを目指すという2人だが、この秋に指名しなかったスカウト陣を後悔させる活躍を見せ、優勝に導けるか。