14日、中国・天津市で発生した大規模な爆発事故から1カ月が過ぎた。近く関連当局が調査報告書を公表する。一連の報道ではなかなか報道されない現地市民の生活には、いまだに思わぬ後遺症が残っている。写真は事故後、バスの行列に並ぶ天津市民。

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2015年9月14日、中国有数の港湾都市である天津市の倉庫で発生した大規模な爆発事故から1カ月が過ぎた。12日の国内各紙によると、依然として8人の生死が不明という中、「すでに生存の可能性はない」と判断した当局によって、不明者の捜索は打ち切られた。前代未聞の人災とも言われる悲惨な事件は、この8人を加えた犠牲者を173人として一応の収束を迎えた。事故原因はいまだにわかっていないが、近く関連当局が調査報告書を公表する。なお、一連の報道ではなかなか報道されない現地市民の生活には、いまだに思わぬ後遺症が残っている。新京報が伝えた。

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●天津市街と事故のあった港湾地区を結ぶライトレール9号線は、終点の東海路駅が大幅に損傷した関係で、現在でも全線を運航停止としている。通勤の足を奪われた多くの市民は、時間の読めないタクシーや路線バスを使って出勤している。

●事故現場周辺は現在でもたびたび異臭が感じられる。漬け物と魚の混じったようなその異臭の正体は、近隣の冷凍倉庫に保存されていた精肉が腐敗する匂いだという。風向きが変われば、息が詰まるような悪臭が鼻を突く。天津港は年間80万トンの冷凍輸入肉を荷揚げしている。これらは中国北部の主要な高級飲食店に流通するものだ。爆発地点にほど近い精肉保存倉庫では冷凍設備が損壊したため、行き場を失った精肉が大量の血を流して泡を吹き、腐敗を進行させ、数多くのネズミを引き寄せている。

●天津市内と言っても爆発現場から50km離れた場所に住むある市民は、オンラインショッピングで買い物をしようとしたところ、商品の配送を拒否されてしまった。どの運送会社も爆発周辺地区への配達を拒否したためという。

●遠く内モンゴル自治区の住民も、天津の港湾機能がストップしたために、購入した新車の納入が遅れるとの連絡を受けた。車は天津港に替わり、上海港で荷揚げされるという。中国では全輸入車の4割が天津港を経由している。2014年には50万台が天津港から搬入された。

●事故後に一時避難した多くの住民が自宅に戻った際、現金やジュエリー、高級酒、ノートパソコンなどを盗まれていることにがく然としている。これは空き巣の犯行だけでなく、多くの家屋の修理業者が犯行に関わっていると考えられる。一部の住民は、自宅内のテーブルにある程度の現金を置き、「これ以外の物には手をつけないでください」などと書置きしたという。

●付近ではほんの少しの物音や光によって「また爆発が起こった」と勘違いし、慌てて屋外に避難する住民が後を絶たない。その精神的ダメージはいまだ尾を引いている。しかしながら、ある住民は「何年も音沙汰がなくなっていた多くの知人から事故後に安否を問う連絡を受け、どれだけ多くの人の友情や思いやりを受けて生きているか、改めて気づくことができた」と話している。これまで近所づきあいの一切なかった地域でも、事故後は住民同士の結束が強まっているという。(翻訳・編集/愛玉)