企業の脆弱性は25万ドルで売買されている! “ビジネス”と化したサイバー攻撃への対処法 ――ブレント・コンラン 米マカフィー社CSOに聞く
ブレント・コンラン氏は、大手セキュリティベンダーのマカフィー社(米国)でCSO(最高セキュリティ責任者)を務め、自社のセキュリティポリシーを統括すると同時にマカフィー社自体を外部の攻撃から守る責任を負っている。過去には米国下院のセキュリティ責任者も務め、サイバー攻撃の脅威を評価するため、世界中のサイトの脆弱性をチェックしていた、いわば攻撃者の技術や心理も知り尽くしたプロである。世界のサイバー犯罪の最新事情と、マカフィー社の取り組みを聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 指田昌夫、魚谷武志 撮影/宇佐美利明)
標的はどこでもいい。
ただ「脆弱性が見つかるか」だけ
――ここ数年報道されるサイバー犯罪は、グローバル化が目立ちます。実際にその傾向は強くなっているのでしょうか。
言うまでもありませんが、世界がインターネットで結ばれた昨今、どこからでもあらゆるネットワークへの攻撃が可能になりました。日本国内の企業も、地球の裏側に住むハッカーから、日常的に攻撃を受けています。
もはや我々が働く企業や、ネット上に登録してある個人情報は、サイバー攻撃から逃れるのが難しくなっています。つまり、どうやって攻撃をブロックしていくのかを考えていく、それしかない状況だということを自覚すべきです。
ですが、そのこと以上に私が皆さんに知ってほしいのは、サイバー犯罪がグローバル規模の「犯罪ビジネス」として確立してしまったという事実です。
――“ビジネス化”によってサイバー犯罪はどう変わったのでしょうか。
数年前まで、特定の企業や公共機関を攻撃する「標的型サイバー攻撃」には、なんらかの目的がありました。しかし現在明らかになる事例は、その企業や組織に弱いところ(脆弱性)があったというだけで、それ以外に理由が見いだせない場合が多くなっています。
攻撃対象は、単なる弱点を持つ“標的”としてしか見られていないということです。
世界中のハッカーたちは、日夜世界中の企業や組織の脆弱性を粘り強く探しています。脆弱性を見つければ、その情報はサイバー犯罪のマーケットで1件につき25万ドル程度で売りさばくことができます。
