今オフのFA市場を語る上で、絶対に外せないスラッガーがふたりいます。まずひとりは、5年ぶりの世界一に輝いたセントルイス・カージナルスのアルバート・プホルス。そしてもうひとりは、1982年以来29年ぶりの地区優勝を果たしたミルウォーキー・ブルワーズのプリンス・フィルダーです。

 現在31歳のプホルスは、今年、11年連続『3割・30本塁打・100打点』を逃し、過去最低の記録に終わりました(打率.299・37本塁打・99打点)。しかし、ワールドシリーズで史上3人目の1試合3ホーマーを達成するなど、『現役最強のスラッガー』であることは変わりません。メジャー生活11年で、ナ・リーグMVPに輝くこと3回、MVP投票で2位を4回。さらにカージナルスをプレイオフ出場7回、ワールドシリーズ出場3回、そして2回の世界一に導いたプホルスの貢献度は計り知れません。

 よってプホルスは、アレックス・ロドリゲスが2007年にニューヨーク・ヤンキースと結んだ10年総額2億7500万ドル(当時・約309億円)以上の価値があると主張し、今オフのFAでメジャー史上最高額の契約を希望しています。しかしカージナルスも、シーズン前に提示した9年総額2億1000万ドル(約161億3000万円)に上乗せするつもりはないとのこと。残留の可能性がないとは言えませんが、トニー・ラルーサ監督が勇退し、プホルスと一番親しいホセ・オケンド三塁コーチの監督昇格が見送られたことで、カージナルスを離れる可能性が高くなったとも言われています。

 一方、プホルスよりも若い27歳のプリンス・フィルダーは、5年連続30本塁打以上を記録し、さらに3年連続して出塁率4割以上をマーク。しかもここ6年間で、欠場はたったの13試合しかありません。丸々とした体型なのでケガが多いかと思いきや、故障とはまったくの無縁。それがFA市場でのフィルダーの価値を、さらに高めています。同じ左のスラッガー、ライアン・ハワードが2010年4月にフィラデルフィア・フィリーズと5年総額1億2500万ドル(当時・約117億円)で契約延長したので、フィルダーはそれを上回る7年総額1億7500万ドル(約134億円)、年平均に換算すると2500万ドル(約19億2000万円)ぐらいの価値があると言われています。

 ただし、プホルスとフィルダー両方にいえるのは、豊富な資金力を持つヤンキース、ボストン・レッドソックス、フィリーズにはすでにオールスター級の一塁手がいるので、同じポジションの彼らの獲得に乗り出す可能性はないということ。そこで注目したいチームが、シカゴ・カブスです。今シーズンまでレッドソックスのGMを務めたセオ・エプスタインが、カブスの球団運営責任者となりました。ただ、19世紀から最も長いライバル関係にあるカージナルスからプホルスを引き抜くのは、正直考えにくい。さらにカブスの新監督にブルワーズの打撃コーチを務めていたデール・スウェイムが就任したこともあり、カブスがフィルダー獲得に動く可能性は非常に高いと思います。

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