一説によると、地球上に一京匹も存在していると言われるアリ。その身体の小ささから、一般的には人間が身の危険を感じるほどの存在ではないと思われがちだが、アリの大半は肉食性であり、種によっては人間にも襲いかかるほどの凶暴さを兼ね備えている。今回、ボリビアで起きた不幸な出来事は、そんなアリの恐ろしさを改めて思い知らされる事件となった。お酒を飲んで眠りについた男性が、アリの集団に襲われ、命を落とすことになってしまったのだ。

AP通信などの報道によると、アリの犠牲となったのは、42歳のボリビア人農作業者。現地の警察の話によると、この男性はお酒を飲んだ後、グアヤックウッドと呼ばれる強い匂いを持つ木の下で眠っていたそうだ。しかし、運が悪いことに、たまたまその木が攻撃的な種のアリの住処であったらしく、男性が眠っている間に、アリの集団が襲いかかってきたのだという。通報を受けた警察が現場に到着したときには、男性はすでに死亡。身体には無数のアリがまだ群がっていたという。

現時点では、この男性を殺害したアリの種別は明らかにされていない。しかしながら、世の中には、自分の身体よりもはるかに大きい人間や動物を襲う獰猛なアリが存在していることはよく知られている。例えば、軍隊アリ。南米や北米などの熱帯地域中心に生息しているアリだが、身体の大きさの割にはバカでかい牙を有しており、何十万、へたすれば百万匹もの集団で獲物に襲い掛かる習性を持つ。また、ナンベイオオアリとも呼ばれるパラポネラはスズメバチ並みの毒を有しており、その毒性は人間を殺害するほどではないものの、ショック状態を引き起こした場合には、死に至ることもあると言われている。人間がアリの犠牲となった事件は、これまでにもいくつか報告されている。2006年に米サウスカロライナに住む68歳の女性が庭仕事をしている最中にファイアーアントに咬まれ、アナフィラキシー・ショック(呼吸困難や血圧低下などの全身的な反応から生死に関わる重篤な症状を伴うこと)に陥り死亡。また、2008年には、米フロリダの男性がファイアーアントに咬まれ、同じくアナフィラキシー・ショックで死亡している。