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北朝鮮にいる拉致被害者などに日本からメッセージを届けようと、21年続いているラジオがあります。家族とつなぐ唯一の手段として北朝鮮に阻まれながらも、続ける思いを取材しました。

■北朝鮮にいる拉致被害者へ…短波ラジオ「しおかぜ」

先月、小さな部屋の中で行われた収録。

特定失踪者問題調査会・荒木和博代表
「はじめに国会の中で開催された拉致問題の集会についてお伝えします」

収録されたのは、北朝鮮にいる拉致被害者などに届ける、短波ラジオ「しおかぜ」。しおかぜ開始から21年間、拉致被害者の名前や失踪当時の詳細、日本のニュースなどの情報を届けています。担当しているのは、特定失踪者問題調査会の荒木和博代表です。

特定失踪者問題調査会・荒木和博代表
「もう繰り返し、繰り返し、どんな方法でも構わないから、ご自分の安全だけ気をつけて情報を送ってくださいというふうに言ってます」

■拉致被害者家族もメッセージ

過去には、家族がメッセージを送っていました。

めぐみさんの父・横田滋さん(2006年)
「めぐみちゃん、お父さんです。 元気に暮らしていますから安心してください」

恵子さんの父・有本明弘さん(2005年)
「体を元気にして、そちら(北朝鮮)で生きておってくれ」

北朝鮮による拉致被害者のうち、帰国を果たせていない、政府認定の拉致被害者は12人。しかし、警察庁によりますと、拉致の可能性を排除できない行方不明者は869人。調査会の独自調査によると、拉致の疑いが濃厚な人は77人にのぼります。

■「唯一、国境を越えて放送できる手段」

荒木代表などは「しおかぜ」をはじめ、家族の支援や講演をするなど、特定失踪者救出のため、活動しています。

そして、荒木代表とともに活動している村尾建兒さん。

特定失踪者問題調査会・村尾建兒さん
「短波放送っていうのは、唯一国境を越えて放送できる手段なんですよ。家族と日本をつなぐ唯一の手段がラジオ」

 ──しおかぜは実際に北朝鮮の人に届いてる?

特定失踪者問題調査会・村尾建兒さん
「複数、『しおかぜ』が聞かれているという情報は出てきています。その一番の証拠は、北朝鮮が妨害電波をしてくるということ」

■北朝鮮が妨害電波

北朝鮮による妨害電波は、しおかぜの周波数と同じ周波数の電波をぶつけて、聞こえにくくするものとみられ、確認された2006年から現在になっても変わらない状況だといいます。

過去に、韓国で収録された妨害電波を聞いてみると…。

特定失踪者問題調査会・村尾建兒さん
「まったく聞こえないでしょ? 本当は実際に後ろで放送なってるんですよ」

 ──後ろで『しおかぜ』流れてるんですか?

特定失踪者問題調査会・村尾建兒さん
「流れてるの。圧倒的な、ものすごい音を出してきてる。(ノイズの後ろでかすかに)荒木がしゃべってるのが聞こえる」

■北朝鮮の妨害は「拉致被害者が北朝鮮にいるから」

北朝鮮が妨害をし続ける理由は、日本人の拉致被害者などが北朝鮮にいるからだと荒木代表は言います。

特定失踪者問題調査会・荒木和博代表
「当然、聞かせたくないから。あるいは聞いてる人がいるからということ。電気の足らない北朝鮮でやってきたということ自体が、裏を返せば、このしおかぜが効果があるということの証明だろうし」

しかし、いまだ拉致被害者などを救い出すことはできていません。

特定失踪者問題調査会・荒木和博代表
「この問題は、昔起きた不運な人たちの問題じゃなくて、自分のことというふうにぜひ思っていただいて、それぞれの立場でお考えいただきたいというふうに思います」