男女500人に聞いた「歌うま女性」といえば 70代は美空ひばりだけど…最多票を集めた“現役歌姫”の名前
前編記事【「桑田佳祐が9位」の意外… 男女500人が選んだ“歌うま男性”納得トップのアーティスト名】では、10代から80代までの各世代男女500人が選んだ「歌うま男性歌手」の面々が並んだ。続いてここでは、女性歌手編ベスト10の結果を見てみよう。
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各世代の人気歌手が同位
8位は7票でSuperflyの越智志帆、中島みゆき、幾田りらが並んだ。
「10代からの支持が高い幾田、20代30代50代から支持を集めた越智、50代以上で強さを発揮した中島と、世代間の違いも興味深い結果になりました」

ランキングを解説してくれたのは50代のベテラン音楽誌ライター、Mさん。数多くのアーティストに取材した経験を持つ。
越智は’07年にSuperflyのボーカルとしてメジャーデビュー。『愛をこめて花束を』をはじめ、ソウルフルな歌声が人気だ。昨年は初のカバーアルバム&10年ぶりの全国ホールツアーで、歌のうまさを見せつけた。
「伸びやかな高音が魅力的。歌唱力は随一」(岡山県・19歳・男性)、「ライブで聴いてすべての歌がうまいと感じた。力強さや儚さなど、表現の幅が広い」(兵庫県・23歳・男性)、「声量がすごすぎる」(東京都・30歳・女性)などのコメントが寄せられた。
’75 年にデビューし、『糸』『時代』『地上の星』『ファイト!』ほか、数多くの楽曲で人々の心を時に鼓舞し、時に慰めてきた中島。力強い歌声や細かいビブラートが特長的だ。昨年11月には49thシングルをリリースし、現在も精力的に活動中。
「歌を聴くだけで涙があふれてくる」(香川県・54歳・女性)、「心に響く曲が多くある」(神奈川県・56歳・男性)、「歌に力がある」(岐阜県・66歳・男性)、「『地上の星』を聴くと熱くなる。心に訴えかけてくる歌手」(岐阜県・65歳・男性)
ドラマチックな歌声に多くの人が心をワシづかみされているようだ。
YOASOBIのikuraとして、またソロのシンガーソングライターとして、若者世代を中心に絶大な人気を誇る幾田。透明感がありながら芯のある声質や、卓越した表現力。5月5日よりスタートする3年ぶりのソロツアーでは、韓国・ソウル公演も決定している。
「高音でも全然苦しそうじゃなくて、伸びやかに歌っている」(愛知県・18歳・女性)、「透明感のあるきれいで優しい声が落ち着く」(愛知県・18歳・女性)、「ライブ映像でよく見るが、生歌がとてもうまい。英語も上手」(愛知県・19歳・男性)、「伸びのある素敵な歌声で、子どもから熟年世代まで人気。曲は難しいけど、つい一緒に歌いたくなる」(鹿児島県・66歳・女性)
「人間の可聴域を超える高周波を含む声(ハイパーソニック・サウンド)を持つと言われる彼女。票の半数は10代ですが、その声に若い感性が惹かれているのかもしれません」(Mさん)
脅異の周波数が人々を魅了しているようだ。
安室にドリカム…平成歌姫が登場
7位は、10代〜30代から高い支持を受けた安室奈美恵が8票でランクイン。1990年代半ばから2010年代まで、圧巻のダンスと歌で音楽シーンを牽引した平成の歌姫。初期のTKサウンドからR&Bやヒップホップへの転換、そして唯一無二のダンスミュージックを完成させ、デビュー25周年の’18年に引退し伝説となった。
「きれいな歌声が大好き」(埼玉県・17歳・女性)、「ライブでは激しくダンスしながら完璧な生歌。凄すぎて鳥肌が立った」(岡山県・36歳・男性)、「『NEVER END』が特に好き。心に響く優しい歌声」(長野県・33歳・男性)、「アップテンポな曲でのリズム感がすごい」(東京都・37歳・女性)
「現在、彼女の楽曲はストリーミングサービスで配信停止となっています。CDやDVDを持っていないと聴くことができない、まさに幻の歌姫。なのに10代・20代・30代が支持しているのはちょっと不思議ですね」(Mさん)
6位は9票でDreams Come Trueの吉田美和。40代からの支持が特に高く40代では2位に入った。’89年にデビューし、『未来予想図II』『LOVE LOVE LOVE』『うれしい!たのしい!だいすき!』『何度でも』などなど、カラオケで誰もが歌ったに違いない数々のヒット曲を生み出している。正確な音程やソウルフルな即興フェイク、卓越した音楽センスが人気の秘訣。
「高音でも伸びやかで艶がある歌声がすごい」(神奈川県・47歳・男性)、「誰も真似できない迫力満点の歌声」(京都府・46歳・男性)、「『何度でも』は、どこで息を吸ってるんだろう?と思うくらい声量と安定感がある」(東京都・49歳・女性)、「明るい曲はものすごく楽しそうに歌い、バラードは切なく聞かせる。表現力が別次元」(大阪府・51歳・男性)
「40代にとっては若き日の歌姫なのかもしれません」(Mさん)
現在は全国14会場30公演のツアー真っ只中。パワフルな歌声が日本各地に響き渡っている。
女性ファンが多い明菜
5位は中森明菜が10票獲得でランクイン。’82年にアイドルとしてデビューし、80年代を代表する歌姫となった実力派だ。『少女A』『禁区』『飾りじゃないのよ涙は』『難破船』ほかヒット曲多数。’85年に『ミ・アモーレ』、’86年に『DESIRE -情熱-』で2年連続日本レコード大賞を受賞した。支持層は30代〜60代中心で、特に50代からの得票が目立った。
「ずっと歌姫として語り継がれている人」(長崎県・49歳・女性)、「『難破船』はゾクゾクするほど。あの曲を歌いこなせる人は他にいない」(京都府・53歳・女性)、「『ミ・アモーレ』を今でもよく聴きます。まったく色褪せない、昭和の歌姫」(愛知県・57歳・女性)、「10代のころから彼女の歌は素晴らしかった。情感が詰まっている」(大阪府・56歳・女性)
「女性ファンが多いのが明菜。憧れのお姉さんだったのか、50代ファンが多い。今年は3月に新曲『カサブランカ』をリリースし、7月には20年ぶりとなるライブツアーを開催するそうです」(Mさん)
深く響く魅惑の低音ボイスが帰ってくる!
世界でも人気のAdo
4位は17票でAdo。’20年に『うっせぇわ』でメジャーデビューし社会現象を巻き起こした。
「10代で3位、20代で1位と、若者世代から人気なのは納得として、さらに30代40代50代そして70代からも票が集まったのはすごい。野太い低音から鋭いハイトーンまで、声色を自由自在に操る表現力と、難解な曲も完璧に歌いこなす技術力。その実力は海外からも評価が高く、昨年は全34公演、約50万人動員のワールドツアーを大成功させています」(Mさん)
「歌い方の色々なテクニックがあって、いつもびっくりさせられる」(埼玉県・16歳・女性)、「地声と裏声、がなり声など、表現力がすごい」(福岡県・18歳・女性)、「個性的で、今までにいなかったタイプの歌い手」(兵庫県・74歳・男性)、「最近の歌手の中では別格では」(新潟県・45歳・男性)
と、老若男女が圧倒されているようだ。
70代の1位は昭和歌謡女王
いよいよベスト3に突入。3位は28票で故・ 美空ひばりがさんが入った。昭和を代表する歌謡界の女王。70代以上では12票を獲得してぶっちぎりの1位となった。
「『リンゴ追分』『真っ赤な太陽』『悲しい酒』『柔』『愛燦燦』、そして最後のシングルにして売上げ200万枚超えの『川の流れのように』など、多数の名曲が戦後の日本を支えた。’89年に亡くなった後も、彼女の歌は愛され続けています。70代はもちろん、その子供世代なのか50代からも人気でした」(Mさん)
「歌謡史上、いちばん上手な歌手だと思う」(宮城県・62歳・男性)、「コンサートに行ったとき、マイクが必要ないと思ったほど。テレビの20倍くらい素晴らしかった」(三重県・78歳・女性)、「子どものころ『リンゴ追分』を聴いて、大人顔負けの歌唱力に衝撃を受けた」(千葉県・85歳・男性)、「民謡も演歌もサンバもロックも、どんな歌も上手。声もいい」(大阪府・47歳・女性)、「音域が広く、リズムや音程も完璧」(埼玉県・50歳・男性)、「うまいのはもちろんのこと、情感とオーラがすごい」(東京都・75歳・女性)
と、没後37年を経た現在も圧倒的な存在感を放つ美空。日本最高峰の女性歌手と評される歌声は、今も多くの人々に影響を与え続けているようだ。
変わらぬ「特別な存在感」
2位は38票で宇多田ヒカル。
「各世代から支持を集め、10代と50代では1位に。’98年に『Automatic/time will tell』でデビューし、瞬く間に時代の寵児となった彼女。NY育ちならではのネイティブな英語やグルーブ感、リラックス効果を与えると言われる1/fのゆらぎを含んだ声質が魅力です。切なく儚いウィスパーボイスで歌われる『First Love』に思わず涙した人も多いのでは」(Mさん)
「泣きたいときに聴きたい声。『チェンソーマン』の『JANE DOE』はめっちゃ泣ける」(東京都・18歳・男性)、「声の表現力と音楽性の深さがすごい」(神奈川県・38歳・男性)、「余韻のある声がいい」(東京都・49歳・男性)、「どちらかといえばハスキーな声質だけど、とても音域の広い曲を歌っているのに決して高音のてっぺんがかすれて出なくなるようなことがない。いつ聴いても聴き心地の良い歌声。1/fのゆらぎの賜物だと思います」(東京都・56歳・女性)
5月6日には、『ちびまる子ちゃん』のエンディング『パッパパラダイス』がリリース。デビューから28年を経て、さらに進化&深化するヒッキーから目が離せない!
紅白のトリ強し
そして1位はダントツの得票数となる65票でMISIAに決定。どの世代でも高い人気を集め、10代、30代、40代、50代、60代で1位(10代50代は宇多田と同率)。特に40代では2位とダブルスコアの得票数で、20代でもAdoに僅差で敗れての2位だ。
70代でも2位だが、
「MISIA は、実は宇多田と同じ’98年デビュー。R&Bブームの火付け役であり、『Everything』『アイノカタチ』『逢いたくていま』など、人気ドラマの主題歌として聞くだけで涙腺崩壊する人も多いはず。5オクターブの音域、深みのある声、心を揺さぶるエモーショナルな表現力。紅白歌合戦では’19年から昨年まで7年連続でトリ、うち大トリ4回を務めています。ある意味、予想通りの結果でした」(Mさん)
「安定感があっていつ聴いてもうまい」(17歳・東京都・男性)、「毎年、紅白ですごいパフォーマンスを見せつけてくれる」(北海道・27歳・男性)、「圧倒的な声量と伸び、正確なピッチ(音程)と表現力で、感情を自在に描く実力派」(東京都・45歳・男性)、「ロングトーンと抑揚の付け方のバランスがとても素晴らしい」(千葉県・31歳・女性)、「ハイトーンのロングブレスと、音楽の神が憑依したかのような表現力」(大阪府・33歳・女性)
ファンのコメントも専門的だったり詩的だったり、なんだか本格派!? 今年、すでにシングル2作もリリースし、活躍ぶりは増すばかりの彼女。現在、9月まで続く全国ツアー真っ只中だ。7月には台北2デイズ公演も行われる。日本のみならず、世界各地にパワフルな歌声を響き渡らせてほしい。
次点の11位には、西野カナ、LiSA、松田聖子、松任谷由実が並んだ。西野には10代と30代、LiSAには30代からの票が多く寄せられ、対する松田、松任谷は40代以降から高い支持を得た。
聴き惚れる歌うま歌手は、日々の癒やし。まだ聴いたことのない歌手の作品を片っ端から聴く、なんて休日の過ごし方もけっこうイイかも。
取材・文/今井ひとみ
デイリー新潮編集部
