歯科医療の現場は今 仕入れ価格は高騰 【歯と口の健康週間】
厚生労働省などが呼びかける「歯と口の健康週間」です。歯科医療を支える現場では、中東情勢などを背景に資材の供給不安や値上がりが続き、影響が広がっています。
福岡県久留米市の歯科クリニックでは。
■ホワイト歯科クリニック・永瀬康志郎院長
「今から麻酔していきますよ。」
このクリニックでは、治療に欠かせない消耗品が手に入りにくい状況にあるものの、在庫があるため、ふだん通りの診療を続けているといいます。
「供給が不安定なものは?」
■永瀬院長
「使い捨てグローブと、患者さんに使う紙エプロン、滅菌に使う滅菌バッグです。」
その原因は、先行きが見えない中東情勢です。
ゴム手袋や患者に付ける紙エプロンなど石油由来の製品で影響が広がっています。
感染症の予防のためゴム手袋は一度使ったら再利用できません。1箱に100枚入っていますが、1週間で3箱は消費します。
■永瀬院長
「完全にストップしているものではないので、今のところ治療は行えていますが、もしなくなったら診療をストップせざるを得ない、大事なものです。(元の状態には)時間がかかると思っています。」
仕入れ価格も高騰していて、不安は募るばかりです。
しかし、歯科業界を厳しくしているのはそれだけではありません。
■中村記者
「歯の被せ物などを作る技工所でも、材料価格の高騰が課題となっています。」
虫歯治療に必要な、金属の価格高騰です。
銀歯に使われる「金銀パラジウム合金」は、特に急激に値上がりしています。
■歯科技工所 コラボベース・安元昭裕社長
「2024年8月に税抜きで7万9500円だったのが、25年12月では12万9800円。」
およそ10本の銀歯をつくることができる「金銀パラジウム合金」30グラムの仕入れ価格は、おととしと比べると5万円以上、上がりました。
虫歯治療で病院側が得られる「診療報酬」は決まっていて、3か月に一度、改定されていますが、急激な高騰に追いついておらず、赤字分はすべて病院側の負担となります。
■永瀬院長
「結局、歯科医院単位での努力では限界があるんです。やはり、国の補助も必要になる。そこを怠ってしまうと、治療の質や感染対策がおろそかになったり、歯科治療の質の低下につながってくる、そこは一番心配しています。」
厳しい状況が続く歯科業界では、さらなる国の支援など治療の質を維持するための対策を求める声が高まっています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2026年6月5日午後5時すぎ放送
