あなたの職場に「無能上司」が蔓延っている納得のワケ
あなたの職場にも、「なぜこの人が管理職になれたのか」と首をかしげたくなる上司はいないだろうか。実は、優秀な人ほど昇進の果てに無能になってしまう――そんな組織の宿命を解き明かしたのが、世界的ロングセラー『[新装版]ピーターの法則』だ。本書を読めば、職場に無能がはびこる理由と、自分が同じ罠にはまらないための視点が手に入るはずだ。本連載では、本書の内容から、なぜあなたの職場が無能だらけなのかをお伝えしていく。(構成:ダイヤモンド社書籍編集局)
いたるところ無能だらけ
優柔不断な政治家、約束した納期を守れない現場のリーダー、意味不明な講義をする教授……。あなたのまわりにも、「なぜこの人がその地位に?」と首をかしげたくなる人がいるはずだ。
本書には、政界も法曹界も教育界も産業界も、あらゆる組織のあらゆる階層に仕事のできない人間がごろごろしている、と書かれている。著者は、これを偶然ではなく、人の配置を決めるルールそのものに原因があると見抜いた。
つまり、無能は組織が生み出しているのだ。たまたまダメな人が紛れ込んでいるのではなく、組織のしくみが無能な人を量産し続けている、という見方である。
出世が人を無能にする
本書が示すのは、出世が人を無能にするという逆説だ。仕事のできる人は評価され、一つ上のポストへと引き上げられていく。
ところが、現場で抜群だった人が、管理職として同じように優秀とはかぎらない。
有能だった人ほど、その能力が通用しない地位まで押し上げられてしまうのだ。
著者は、こうして人は昇進を重ね、自分の力が通じなくなる「無能レベル」に行きつくと述べる。これが本書のいう「ピーターの法則」である。
彼らはいずれも、有能さを発揮できていた地位から無能ぶりを露呈することになる地位へと昇進させられていたのです。(『[新装版]ピーターの法則』より)
現場の名プレーヤーが、管理職という別の競技に放り込まれる。そう考えると、優秀な人が昇進後にダメに見える理由がわかりやすいかもしれない。
最後の昇進が命取り
では、有能な人はどこまで昇進できるのか。本書の答えは少し残酷だ。新しい地位で評価されれば、また次の昇進が待っている。
言いかえれば、最後の昇進が命取りになる。成功し続けた先に待っているのは、自分の力では務まらないポストだからだ。
すべての個人にとって――あなたにとっても、私にとっても――最後の最後の昇進は、有能レベルから無能レベルへの昇進となるわけです。(『[新装版]ピーターの法則』より)
これは出世そのものを否定する話ではない。ただ、昇進=幸せと信じて走り続けると、いつの間にか苦しい場所に立たされかねない、ということだろう。
自分の「現在地」を見極める
ここから先は、本書をもとにした一つの考え方だ。昇進の話が来たとき、その椅子が自分の強みを活かせる場所なのかを一度立ち止まって考えることが役に立つかもしれない。
昇給や肩書きだけでなく、「その仕事で自分は力を出せるか」を物差しに加える。
それだけでも、無能レベルへ一直線に進むリスクは減らせるだろう。
