ゆっくりとした大きな揺れ…長周期地震動が及ぼす影響 注意すべきは高層ビルだけじゃない!専門家の指摘 秋田
「長周期地震動」という言葉、聞いたことがあるでしょうか。
一般的に、マグニチュード7クラス以上の大地震で発生する、ゆっくりとした大きな揺れで特に高層ビルなどの高い建物に影響を与えるといわれています。
先月、三陸沖で発生したマグニチュード7.7の地震では、県内でもこの長周期地震動が観測されました。
都市部に比べると高い建物は比較的少ない秋田県。
■生活に影響を及ぼした水道水の濁り
豊かな自然に囲まれた、横手市の「道の駅さんない」。
いまの時季、レストランの人気メニューが、冷天おろしそばです。
山内地域の清らかな水で打ったそばは、のど越しが良く、香り高い味わいが特長。
人気の味に欠かせない水に異変が起きたのは、先月22日のことでした。
道の駅さんない 藤井博喜駅長
「こちらの受水槽の水が濁っておりました」
現在は透き通っている、受水槽の水。
先月22日、駅長が確認したところ、底が全く見えないほど濁っていました。
原因と考えられるのが、この2日前、先月20日に発生した三陸沖を震源とする地震。
震度4を観測した横手市を含む県の内陸南部では、「長周期地震動」の階級3を観測。
これは、4段階のレベルの上から2番目で、県内では初めての観測でした。
その後、横手市の一部の地域では、水道水に濁りが発生。
調理などで、1日約4,500リットルの水を使う「道の駅さんない」では、受水槽の水が濁っていたことを受けて、給水車が来るまでの5日間、飲食部門の臨時休業を余儀なくされました。
道の駅さんない 藤井博喜駅長
「ここの水だけダメで、ほかの地区の水は大丈夫というふうな状況だったので、うーん…我々もまぁ運が悪いというか。ただ、ここの地区の水はこういう状況であるということも今回分かったので、もし次同じような状況になった時は、対応の仕方も、いろいろ対策の方練れるというふうに感じておりますので」
水の濁りは、県北部の能代市でも発生し、給食の提供を中止するなど、県民生活に影響をもたらしました。
■なぜ濁りが発生したのか 専門家に聞く
なぜ、震源から離れた秋田で水の濁りが発生したのか。
地震が及ぼす影響に詳しい秋田大学の水田敏彦教授は、長周期地震動が上水道施設に影響を与えた可能性を指摘します。
秋田大学情報データ科学部 水田敏彦教授
「揺れの幅そのものはそれほど大きくないんですけれども、3分も4分も5分もゆっくり長ーく揺れることによって、いろんな沈殿物などが巻き上げられた可能性が高いと思います」
10年前の熊本地震の際、秋田大学に設置した地震計でも観測されたという長周期地震動。
震源から遠く離れた場所でも発生するのが、特徴のひとつです。
こちらは、地震による建物の揺れ方を再現する装置。
画面右が低い建物、左が高層ビルなどの高い建物を表しています。
秋田大学 水田敏彦教授
「ゆっくりした波を入れると、こういう周期の長いものだけがよく揺れるというような形で、長周期地震動がやってくると、こういう周期の長い建物だけが、特に大きく揺れる。例えばビルとかですと、高い高層階の方がより大きく揺れるというような現象がありますので、特にですね、最近秋田市内も比較的高層のマンション増えてきましたけれども、こういう高いところに住んでおられる方は、きちんと家具の固定をするということが大事だと思います」
水田教授は、長周期地震動に注意が必要なのは、高層ビルだけではないと指摘します。
秋田大学 水田敏彦教授
「秋田市の沿岸部とかにある風力発電の設備が、100メートルとか200メートルぐらいの高さありますので、そういった構造物に留意が必要になると思います。また、石油タンクですね、非常に大きな石油タンクについても、周期が長い構造物ですので、非常に影響を受けやすいですから、こういった構造物に留意が必要ですし、例えばちょうど43年前の日本海中部地震では、長周期の地震動が発生して、秋田火力発電所の石油タンクがですね、スロッシングをして、火災を起こしたというような事例があります。ただ、気を付けないといけないのは、43年前には秋田県内にはほとんどですね、こういう長周期の構造物がなかったんですけれども、その後こういったものができたので、そういう新しい留意点として注意が必要だと思います」
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ABS秋田放送では今週、ラジオ番組でも防災に関する特集を放送しました。
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