特に価格が跳ねやすいのが、「初期版」「限定版」「未開封」「付き」といった条件を満たす品だ。

「ゲームソフトや玩具は、付きかどうかで価格がかなり変わります。説明書だけで値段が付くこともある。未開封ならなおさらです」

◆木彫りの熊や古いカメラも…捨てれば損する可能性

 さらに、田廣氏が“大穴”として挙げるのが、かつて北海道土産の定番だった「木彫りの熊」だ。

 昭和の実家に無造作に置かれていそうな民芸品だが、作家や年代によっては高額になることがあるという。

「熊の足の裏に作家名や年代が書かれている場合があります。何気なく捨てられがちですが、意外な高値が付くこともあります」

 そのほか、こけしなどの民芸品、昭和レトロ玩具、古いフィルムカメラ、レコード、カセットテープ、アニメグッズなども、安易に捨てないほうがいいという。

「日本人は“古い=価値がない”と思いがちですが、海外では“レトロな日本文化”として人気があります。カビが生えた古いカメラでも欲しがる人は少なくありません」

 一方で、高そうに見えて売れない物もある。代表例が桐ダンスや座卓など大型の和家具だ。かつては高級品だったが、住宅事情やライフスタイルの変化で需要が激減した。

「数十万円で買った家具でも、今は残念ながら買い手がつかないケースが多いですね」

◆売る前に絶対やるべき相場チェックと保管術

 では、実際に“お宝発掘”から売却まで、どのような手順で進めればいいのか。まず田廣氏が強調するのが、「処分しようとする前に、一度立ち止まること」だ。

「価値がわからない物ほど、すぐに捨ててはいけません。や説明書だけでなく、付属品やレシートや当時のカタログも残しておいた方がいい。未開封品は絶対に開けないでください」

 次のステップは「相場チェック」だ。メルカリやヤフオクで商品名を検索すれば、おおよその価格帯は分かる。ただし、高額出品されていても、実際には売れていないケースもあるため、「売却済み」や「落札履歴」まで確認する方がよいだろう。

◆査定は立ち会いと比較が鉄則

 そして、最も重要なのが、「誰に査定を頼むか」だ。

「買取大手でも、マニアックな品の価値を見抜けないケースは少なくありません。業者によって得意ジャンルも違うので、最低でも2〜3社から見積もりを取った方がいいです」

 また、家財整理の際は「必ず立ち会うべき」という。

「依頼者も存在を把握していない現金や貴金属が出てくることがありますから、トラブル防止のためにも、査定には立ち会うことを推奨します」

 最後に田廣氏は、こう語る。

「最近はメルカリやヤフオクの普及で、個人でも売買しやすくなりました。ただ、何でも自力でやろうとしなくて大丈夫です。マニアックな品は専門業者に任せた方が高く売れることも多い。大切なのは、“価値が分からないまま捨てない”ことです」

 押し入れの奥に眠る玩具、実家の棚に並ぶ古い食器、学生時代に集めたカードや雑誌--。それらは単なる思い出の品やガラクタではなく、思わぬ“資産”になるかもしれない。一度、自分の部屋や実家を見渡してみるだけでも価値はありそうだ。

(取材・文/中野 龍 構成/安羅英)

【田廣隆光氏】
ハマリユース代表。「モノを後世まで大切に」という価値観のもと、不用品の鑑定、買取、リユースを行っている。各家庭から多くの高額商品を”発掘”し持ち主に還元している

【中野 龍】
1980年東京生まれ。毎日新聞「キャンパる」学生記者、化学工業日報記者などを経てフリーランス。通信社で俳優インタビューを担当するほか、ウェブメディア、週刊誌等に寄稿