安易な受け入れは失敗するのか…クルド人問題に見る外国人の子どもの教育
日本で外国人の労働者が増え、それに伴い外国人の子どもの数が増えている。文科省の推計によると、2023年度で全国の小中高校に約13.8万人がいるという。10年前から6.2万人増え、今後も増加傾向は続くだろう。彼らとどのように向き合うべきか。
私は埼玉県南部で偽装難民の疑いがあるのに日本に滞在し、迷惑行為で住民とトラブルを起こし続けているトルコ国籍のクルド人の問題を取材している。彼らは積極的に子どもを産み、本国から自分の子どもを連れてくる。
子どもがいると日本の入管はなかなか強制送還しない。彼らはアンカーベビー(アンカー:錨)と言われる。同じ現象が起きている米国の言葉を私が紹介したところ、広がってしまった。
その子どもたちの年長者は20歳前後になっている。正確な統計はないが、クルド人の数は埼玉で3000人程度、義務教育の就学期の子どもは数百人いるらしい。親がいいかげんな生活態度で子どもを増やし、教育を受けさせる意欲がない。
私は2023年の春頃に彼らが集住する川口市西部を十数回歩いた。平日の昼間にクルド人らしい中東系の子どもがうろうろしていた。学校に行っていないようだった。10歳前後の男の子が一人でペットボトルや缶を蹴っていた。
「学校どうしたの。ゴミを散らかしてはいけないよ」と話しかけた。すると私をにらんで、自転車に乗って無言で走り去った。自転車に乗り、グループで移動している少年たちもいた。夕方、マンションのベランダでクルド人らしい女の子が5、6人たむろしていた。転落しないか心配になった。
「クルド人の子どもたちが怖い」。地元の人が証言していた。ごみを散らかして騒ぐ10歳ぐらいの男の子を注意すると、取り囲まれてにらまれ、唾を吐かれた人がいた。商店での万引きもあるという。子どもたちは決して、かわいいだけの存在ではない。
ところが事情が変わった。2023年から翌年にかけ、日本政府が、親が不法滞在でも子どもが就学年齢だと、子どもと親に滞在ビザを与えてしまった。間抜けな政策だ。クルド人の場合は推定で130~150人の子どもにビザが出たらしい。
川口市では新入生の半分が外国人の小学校も
するとクルド人の親は自分も日本に残ろうとするため、積極的に子どもを学校に通わせ始めた。もちろんクルド人の子どもの中にも真面目に勉強する子どももいる。しかし一部には騒ぎ、勉強せず、日本人の子どもの迷惑になっているという。
子どもたちは、日本語が分からないため、授業は苦痛だろう。これまでも埼玉県南部では、クルド人や外国人の子どもが、通っていた小中学校に就学していた子どもが途中で来なくなる例が頻繁にあった。川口市では名前を出さないが、入学した児童の半分が外国人の小学校が複数ある。そうしたドロップアウトが増えるだろう。
学校教育の制度から外国人の子どもが脱落する問題は、移民流入が1970年代から増えたフランス、2000年ごろからの西欧諸国で広がり社会問題になっている。適切な教育を受けていない子どもの人生は悲惨だ。
その国の言葉も、出身国の言葉も身につけず、言語能力が高くない。当然、学力が劣り、就業の機会も限定される。あまり良い生活が送れず、移民先の国に同化もできない。最悪の場合には、移民からなる犯罪集団に加入してしまう。治安悪化の一因になっている。
日本人の子どもたちの学ぶ権利が妨げられてはいけない
日本では増え続ける外国人に対して、評論家やメディアは「教育インフラの充実をしろ」と言う。理想論として正しいが、実行できるのか。前述のクルド人の例を紹介したように、外国人の中には学習意欲、習慣のない人たちがいる。
そして非日本語の児童への教育には、特殊なカリキュラム、ノウハウ、人材が必要だ。しかし政府はこれまでと同じように、口だけで実行せず、それらが充実する予算を完全に出すことはないだろう。
だとしたら外国人児童を普通の公立学校に増やさないという現実的な対策をした方が良い。外国人の子どもを特別学校に集め、日本語能力に乏しい人には親でも子どもでも帰ってもらう。そして、その費用は一般からの税金ではなく、外国人を雇用する企業、または日本で稼ごうとする外国人に負担させる。
外国人労働者を日本で働かせることは、その人の人生全体を日本社会が引き受けることだ。彼らは単なる労働力ではなく人だ。その覚悟と準備が、日本政府にも、雇う企業にもない。
安易な受け入れは外国人とその子どもの人権侵害である。外国人労働者の増加は、このように子どもの教育などの派生する問題を次々に生んでしまうからこそ、安易に進めてはいけない。
そして教育でまず考えなければいけないのは、日本人の子どもたちの学ぶ権利と学力の向上だ。彼らの教育が妨げられてはいけない。現実的な対策を実行していくべきだ。
文/石井孝明 内外タイムス
