サブリナ・カーペンター
 5月4日(月)、ニューヨークのメトロポリタン美術館(The MET)で「メットガラ」が行われた。メットガラは、毎年5月の第1月曜日、The METの服飾部門が開催する資金調達を目的としたファッションの祭典(ガラ)。

 雑誌『VOGUE』のアナ・ウィンター編集長が主催する完全招待制のイベントで、各界の著名人やスター400人以上が世界中から集結する。今年も選ばれたセレブリティたちが、創造的で超豪華な衣装を披露した。

◆「全部フィルムでできている」ディオールのドレス

 今年のメットガラのテーマ「Fashion is Art(ファッションという名の芸術)」を忠実かつ独創的に表現したと絶賛されたのは、歌手で女優のサブリナ・カーペンター。この日、映画のフィルム素材があしらわれたディオールのハイネック・ホルタードレスを着てレッドカーペットに登場し、会場を沸かせた。

 サブリナによると、このドレスはハリウッド黄金期の名女優オードリー・ヘプバーンが着想源で、ハンフリー・ボガートと共演した映画『麗しのサブリナ』(1954年)へのオマージュを込めたという。TikTokで公開された動画では、「フィルムなの! 全部フィルムでできていて、まさに夢みたい」と興奮気味に語っている。

 さらに、「『麗しのサブリナ』は、私の人生で一番好きな映画のひとつなの」としたうえで、「ディオールのチーム全員に感謝してる。コーチェラ(4月に行われた音楽フェス)の直後に、この夢のドレスに取りかかってくれた」と制作の裏側を明かした。

 露出度高めの衣装や過激な演出で炎上することも少なくないサブリナ。今回のメットガラでは、フィルムを体に巻き付けた透け感のある衣装を身にまとっていたものの、こちらは「芸術的な表現」と受け止められ、批判よりも称賛が上回った模様。

 またイベント当日が、1993年に63歳で亡くなったヘプバーンの生誕97年にあたっていたこともあり、特別な意味を持つ一夜となったようだ。

◆大坂なおみの「脱皮」&「人間の解剖図」に大反響

 日本からはテニスの大坂なおみ選手が参加。「Fashion is Art(ファッションという名の芸術)」という今年のテーマに合わせ、「The Red Within(内なる赤)」と題されたコーデで登場した。

 今回衣装を手掛けたのは香港出身のデザイナー、ロバート・ウンで、レッドカーペット上で衣装を脱ぎ捨てる演出が大きな注目を集めた。

 会場に到着した時は、白いコートドレスと巨大な帽子を着用していたが、階段でコートを脱ぎ捨て「脱皮」した後、「人間の解剖図」を表現したという真っ赤なドレスを着た姿を披露。スワロフスキーのクリスタルや刺繍がふんだんに施されたドレスは、制作になんと3,280時間以上もかかったという。

 細部までこだわり抜いた衣装と演出で多くの人を魅了した大坂選手。ネット上では「ナオミ・オオサカはファッションアイコン」「この日の勝者」「メットガラ2026のベストドレッサー」と絶賛コメントが多数寄せられた。

 その一方で、テニスプレーヤーとして「真剣さに欠ける」との意見も。大坂選手は5月4日からイタリア・ローマで行われている「BNLイタリア国際(ローマ・オープン)」に出場予定で、試合を控えた多忙な時期に米ニューヨークで行われるメットガラに参加したことを疑問視する人もいたようだ。

 日本ではテニスの選手として有名な彼女だが、海外では単なるアスリートの枠を超えた「文化的アイコン」としても知られている。長い間ルイ・ヴィトンの顔を務めるとともに、試合で個性的なウェアを着用したり、人種差別問題に抗議するマスクを着用したりと、ファッションを通じて社会的メッセージを表現し続けている。