離婚協議=争い、ではない。穏やかに離婚を進めたい人に知ってほしい夫婦カウンセリング【離婚カウンセラーインタビュー】

【漫画】本編を読む
50歳を前に、妻から離婚届を突きつけられた主人公・ケンジ。自分の何がダメだったのかわからない…。そんな傷心の彼が出会ったのは「時間を操れる能力」を持つ青年だった。青年の力を借りてタイムリープしたケンジは、家族との過去をやり直すべく奮闘する。はたしてケンジは家族の関係を修復し、離婚を回避できるのか。
『離婚リセット 妻から別れを切り出された夫』(丸田マノ/KADOKAWA)は、家族の在り方を描くリアルパラドックスコミックだ。夫が家族とやり直せる可能性は? 妻が求めていることは何? 本作の夫婦を例に、離婚カウンセラーでもある「家族のためのADRセンター」代表・小泉道子さんに、離婚にまつわるお話を伺った。
小泉道子さん(以下、小泉):ADRは、夫婦ではなかなか話し合いができないけれど、だからといって弁護士に依頼して裁判所で争いたいわけではない、という方に向いている制度です。
弁護士に依頼した場合、弁護士が自分の味方になって相手と交渉してくれるメリットがあります。しかし、自分が弁護士に依頼すると相手も弁護士に依頼するパターンが多いので、「弁護士vs.弁護士」の構図になり、争いたいわけではないんだけど、という当初の思いと乖離してしまうことも考えられます。また、弁護士への依頼料は高額になるケースもあります。
一方ADRは、公平中立な立場の専門家(多くは弁護士)が間に入る制度です。個人で依頼する弁護士のように自分の味方にはなってくれません。しかし比較的安価で、相手と穏やかに話ができるメリットもあります。家庭裁判所の調停と比べると、ADRは解決までの時間が短くて済む、という特徴もあります。
――もしも本作の主人公夫婦のような方がADRを利用したら…小泉さんならどのような調停を行いますか。
小泉:ご夫婦がADRの目的やゴールをどこに設定するかによりますが、まずは、気持ちの確認から始めることが多いです。例えば、本作の妻側の離婚への決意はとても固そうですが、お互いの「離婚したい」「まだ合意できない」という気持ちを深掘りするお手伝いをさせてもらいます。
その上で、お互いがネクストアクションを決めるために必要な情報を出し合うなど、前に進めていくためのお手伝いをしたいです。
取材・文=あまみん

小泉道子(こいずみ みちこ)
「家族のためのADRセンター」代表。家庭裁判所調査官として、夫婦の離婚調停の仕事に15年間従事。その後、民間調停機関「家族のためのADRセンター」を立ち上げる。離婚カウンセラーとして、親の離婚に直面する子どもたちのケアにも力を入れている。
