代表の堀正一氏を直撃! 旧統一教会が立ち上げる「新団体・FFWPU」の″不穏な始動″
解散命令から早々に
「堀さーん!」
旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の会長を務めた堀正一氏は、声を掛けたFRIDAY記者と目が合うや、カメラを遮るような仕草を見せた(上写真)。早歩きで立ち去ろうとする堀氏に質問を投げかけ続けると、しばらく行った先で足を止めて、意を決したかのように口を開いた--。
堀氏のもとを訪れたのは、新団体設立の真相を確かめるためだ。東京高裁が3月4日に教団への解散命令を支持する決定を出してから1ヵ月。清算手続きが本格化するなかで、ある報道が飛び出した。
〈旧統一教会、新団体を8日設立へ--「FFWPU」、清算手続き中〉
そう共同通信が報じたのは4月7日。旧統一教会が信者たちの宗教活動の継続を目的とした『FFWPU』なる団体の設立を目指している、という内容だった。名称は世界平和統一家庭連合の英語名の略称と同じで、献金も受け付けるという。
新団体の母体となると見られているのが、東京・新宿区の「成約ビル」に事務所を置く一般財団法人『孝情教育文化財団』だ。登記簿によれば、’18年に設立された同財団は奨学事業や青少年育成事業などを目的としていたが、高裁決定の3日後の3月7日付で「宗教界の和合統一と活性化のための支援事業」「儀式と教育を伴う宗教活動」などを事業目的に追加。翌8日に堀氏が代表理事に就任していた。
旧統一教会関係者が語る。
「堀氏は教団の『2世路線』を象徴するエリートです。我々は合同結婚式後に生まれた子どもを『祝福2世』と呼びますが、堀氏は日本最初期の祝福2世で、父は最古参幹部。さらに彼が再祝福--再婚した妻は教団の重鎮・小山田秀生元会長(84)の娘です。堀氏は″最高位の血統的正統性″を持つ存在なのです」
解散命令により宗教法人格という公的な後ろ盾を失った旧統一教会。新団体の代表にサラブレッドと言うべき堀氏を据えたことに、動揺する信者に対する求心力を保とうとする意図が透けて見える。
「こっちが正式ですよ」
実際、堀氏は教団の関連団体が信者向けに運営するユーチューブの「説教動画」に何度も出演している。信者以外のアクセスを避けるためか、同チャンネルは毎回ハンドル名を変えながら頻繁に更新。最近、筆者が確認した動画『天心苑特別徹夜精誠』では、2世女性信者が〈これから私たちはどのような心で信仰を守るべきか〉と訴え、幹部の男性が〈苦しんでいる日本の2世、3世たちに力を与えてください!〉と絶叫する場面があった。
現在、教団の資産は清算人の管理下に置かれているが、新団体は別法人であり、活動を通じて得た資金は旧統一教会の既存財産とは別に扱われる可能性が高い。教団は多額の献金を本部・韓国に送っており、その額は’18年度から’22年度までの5年間だけで600億円弱と言われている。
「新団体が献金を集め始めれば、清算手続きの枠外で資金が動くことになります。献金窓口だった教団HPは停止しているので、新団体のHPで献金を受けると言われています。ただ、母体の孝情教育文化財団の本部が入っているビルが教団の持ち物だったために売却予定となっており、新たな拠点を用意するとの噂もある。実現すれば、実質的な教団の再始動と言えます」(全国紙社会部デスク)
新団体設立の目的は何か。献金の受け皿を目指すのか。冒頭の場面のあと、堀氏は淡々と取材に応じた。
--新しい組織は何が変わる?
「(霊感商法など)批判をされていたようなことを止めて、コンプライアンスに則(のっと)った、法に則ったものを続け……信仰活動を続けるということであって……」
--献金を募るのであれば、同じことになるんじゃないですか。
「宗教活動を続けるための……」
--『FFWPU』という名称で再出発?
「あの、それはね、誤報ですよ、多分。それは検討中なので、何かできるような状況じゃないのに、聞きかじった情報で″スクープをした″という感じで報道されたので、それはちょっと……。(HPの)ドメインを取ろうかどうか、ということは話していたんだと思いますけど」
--新たな器は本当に必要なのか。
「今、法人がない形なので、どこかが″こっちが正式ですよ″っていうために、作る必要があるんじゃないか、と。冠婚葬祭とか色々あるわけですよね。そういう信仰生活を続ける枠組みは作らなくてはいけない」
新たな枠組みの必要性を訴えた堀氏。教団が看板を替え、信仰と組織をつなぎ直そうとしていることは確かだ。
『FRIDAY』2026年5月1・8日合併号より
取材・文:甚野博則(ノンフィクションライター)
