大谷翔平、今季導入の“魔球”でサイヤング賞へ!打撃面では“くり抜きバット”でスイング・スピード上昇
「なぜか日本球界では『お前変わったなあ』と言われると、言われた側は嫌がるんだよな。でもな、変わったということは、進歩の証でもある。だから最大の誉め言葉なんだよ」
名将・野村克也氏が残した金言だ。もし存命ならば、ノムさんは現在の大谷翔平にどんな言葉をかけるのだろう。
大谷は毎シーズンのように投打ともに成績を上げながら、さらに上を目指してきた。だから“変わること”を恐れないのだ。打撃面では、バットの変化が実証している。メーカーを変え、長さ、重さを変え、そして今季はバットの先端部分まで変えた。
「これまではバットの先端がフラットな形状のものを使用することが多かったのですが、今季は先端をくり抜いたバットを使うことも増えました。なぜなら、内角をカット系のボールで攻められることが多いからです。この“くり抜きバット”ならば、通常のものよりも軽いため、操作性が向上し、手元での小さな変化に対応しやすくなるのです。しかも、通常のバットよりスイングスピードがより速くなります。大谷のこれまでのスイングスピードの平均は、122kmほどでしたが、くり抜きバットなら3kmほどアップするようです。内角攻めに対応するのが目的ですが、スイングスピードも上がり、一石二鳥のバットでもあるのです」(現地記者)
そして、今季は投手としても変化を遂げた。
「例年と比べて、投球の組み立てに関して、2点大きく変わっています。まずはカーブを多投するようになったことです。これまでの大谷は160km超えのフォーシームを中心に大きく横に曲がるスイーパー、鋭く落ちるスプリットを中心に組み立て、“剛”のイメージがありました。ですが、今季は大谷本人が『長いイニングを投げることが目標なので、そこまでムキになって投げる必要がない』と明かしているように、球速が極端に落ちるカーブをカウント球、決め球の両方で使い、“柔”のイメージも取り入れるようになってきました。
そしてもう一つが、新たなスプリットです。いままでのスプリットは、ボールの縫い目に人差し指と中指をかけて投げるオーソドックスなものでした。この握りだと落ち方も縦に落ちる従来のスプリットです。ところが、今季は縫い目にかけるのは中指だけで、言うならば“ワンシーム・スプリット”となっています。この握りだと落ち方も変わり、外に逃げていくように落ちます。シュート系の落ち方なので、左打者にはとくに有効なんです。大谷は人差し指にマメができる体質なので、“ワンシーム・スプリット”は、本人の指にとっても負担が少ない球です。こうした変化を取り入れるのは、本気でサイ・ヤング賞も狙っているからだと思いますね」(同前)
大谷は、変わることを恐れない。名将の言う通り、着実に進化を続けているのだろう。
