メ~テレ(名古屋テレビ)

中東情勢の混迷に伴う原油の高騰。その影響は、身近なコメやパンにも広がっています。

愛知県西部を中心に活動する農業法人「鍋八農産」では、先週から田植えが始まりました。

「4月8・9日くらいからスタートして、いまコシヒカリの品種が始まったくらい」(鍋八農産 八木輝治 代表)

作付面積は約145ヘクタールで、広さはバンテリンドームナゴヤ約30個分です。

「令和のコメ騒動」の影響で、今年の種もみは以前より2倍近く値上がりしていますが、さらに心配なのが…。

「軽油の値段が上がっている。ホルムズ海峡の問題が起きてからすぐに上がって、国が試行錯誤しているので少し下がったが…仕方ないとしか言いようがない」(八木代表)

請求書を見せてもらうと、4月15日は約600リットルの軽油を入れて8万6400円でした。これで2日分です。

さらに…。

「肥料は0.1ヘクタールあたり1万円ぐらいすることもある。すごいですよ、肥料代って。金額に換算すると(燃料代より)肥料代の方が大きいのでは」(八木代表)

不安定な情勢が、肥料価格の高騰に繋がっています。

鍋八農産はJAを通さず独自にコメを販売していますが、コストが増えた分の価格転嫁はしづらいといいます。

「コメ離れは心配で、食べてもらうからこそ作る。安く提供したくても、原価がすごくかかっている。消費者が買いやすい価格と、農地を借りているので経営できる価格の折り合いができるとありがたい」(八木代表)

パンの包装資材も値上がり

東海地方の地域経済を支える銀行も、対応を急いでいます。

あいち銀行は愛知県内を中心に190店舗を展開し、企業や暮らしを支えています。

「オカザキ製パン」(岡崎市)は1933年創業。菓子パンや惣菜パンを中心に、1日約3万個製造しています。

会社を訪ねたあいち銀行岡崎支店の永瀬智貴・渉外副長に、早川勝博社長が早速、パンの包装材料の供給と値上げについて相談を寄せました。

見せてくれたのは、取引先から届いたお知らせ。

パンの包装資材などの価格が、原油価格の高騰で最大3倍になる可能性があるとの内容が書かれていました。

「当面は現状の包装材料はあるけれど、今後ショートする可能性もある。もう一つは衛生器具、特に手袋。『手袋が今後品薄になります』『ものがあっても値段が上がる可能性があります』と連絡が来ているので、値上げの可能性を示唆する連絡はたくさん入っています」(オカザキ製パン 早川社長)

日々のパンづくりに資材は欠かせません。包装紙の倉庫を見せてもらうと…。

「約1本で5000個くらいの製品が包装される量です。メーカーによるが、次の新製品があると、そこから値上げが進むと聞いている」(オカザキ製パン 和泉寿 製造課長)

無駄なく使うようにしていても経営は厳しいといいます。

早川社長の願いは…。

「やはり早く解決して安定してほしい。世の中は石油関連のものが多いから、根幹を覆すような事態は早く終息してほしいと思っています」(早川社長)

食卓にのぼるコメにもパンにも影響を及ぼす中東情勢。

東海地方の経済にも、ダメージはじわじわと広がっています。

あいち銀行は3月中旬から相談窓口を設けたり、特別融資を始めたりしていますが…。

「早川社長からいろいろなお話をうかがったので、支店に持ち帰って一緒に解決したい。オカザキ製パンさんに限らず、いろいろな会社で課題が出てくると思うので、真摯に向き合って解決のお手伝いができたらと思う」(あいち銀行岡崎支店 永瀬さん)

学校給食のパンにも影響の恐れ

オカザキ製パンの早川社長がもう一つ頭を悩ませているのが、学校給食のパンです。

岡崎市を中心に学校給食のパンもつくっていて、約4万5千人の子どもたちが食べているそうです。

学校給食のパンの代金は年に1回、必要経費に応じて値上げを認めてもらっているそうですが、「中東情勢による包装資材のことは、これから協議しないといけない」ということでした。