刷新された「ニッカウヰスキー」の広告看板(6日、札幌市中央区で)=木田諒一朗撮影

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 札幌市中央区の歓楽街・ススキノ地区のシンボルとして知られる「ニッカウヰスキー」の看板が6日、13年ぶりに刷新された。

 半世紀以上親しまれてきた「ヒゲのおじさん」のデザインはそのままに、「5代目」の看板が新たなススキノの“顔”となる。(鍋倉永憲)

ビルと同時に誕生

 看板は縦約13メートル、横約7・5メートル。ニッカウヰスキーの主力商品「ブラックニッカ」をPRするため、1969年、すすきの交差点に立つ「すすきのビル」に設置された。所有会社によると、ビルのオーナーがニッカ側と親交があった縁で、建物の完成と同時に掲げられたという。当時は大小500個のネオンが使われ、3秒ごとに6色に切り替わる仕様だった。

 初代看板から描かれている「ヒゲのおじさん」は、「ブラックニッカ」のパッケージになっているキャラクターだ。モデルは英国に実在したウイスキーブレンドの名人、W・P・ローリー卿とされ、ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝の発案で、65年にパッケージに採用されたという。

「存続の危機」も

 今やおなじみの「ヒゲのおじさん」が失われる危機に陥ったこともある。

 ニッカウヰスキーと営業統合したアサヒビールによると、ニッカ側が86年、当時の主力商品「スーパーニッカ」を前面に出す看板への入れ替えをビル側に打診。しかし、オーナーや地域住民が「時計台と並ぶ札幌市の観光名所だ」として、デザインの存続を強く求めたという。

 「2代目」以降も同様のデザインが維持され、2019年には背景が発光ダイオード(LED)化されるなど、進化を続けている。

「優しい顔」に

 今回の刷新は「ブラックニッカ」の誕生70周年に合わせた新商品の発売とパッケージ変更に伴うもの。4代目に比べて色のコントラストが抑えられたが、夜にはこれまでと同様、背景が7色にライトアップされる。札幌市厚別区の団体職員の男性(62)は「前の看板は重厚感があって好きだったが、『おじさん』がより優しい顔になった気がする」と写真に収めていた。

 すすきの観光協会の熊谷和明事務局長(67)は「看板はすすきのの『玄関口』の象徴。周囲は時代とともに変わり続けているが、あの看板は変わらずに残ってほしい」と語った。