もしかしたら高市首相の一連の振る舞いは…(ホワイトハウス公式Xから)

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【梶原麻衣子 右の耳から左の耳】#1

高市首相が自衛隊派遣めぐり安倍側近と壮絶バトル→「クビ切り宣言」の恐るべき暴走ぶり “粛清連発”も画策か

 日米首脳会談時の高市首相の振る舞いは、賛否を問わず多くの国民の脳裏に刻まれた。対米自立を希求し“右翼編集者”を自称する筆者としては「ここまでやらねばならないのか」との忸怩たる思いを抱えている。

 外務省関係者からこんな話を聞いたことがある。どの首相もG7を経験するまでは首脳会談や国際会議の舞台で極度の緊張を強いられる。不安を振り払うため猛勉強するが、それでも現場で落ち着かない様子を見せる首相もいるという。

 だがG7を無事乗り切ると自信がついて「どうだ」と言わんばかり、国内でも胸を張って歩くようになるのだ、と。

 高市首相は経歴上、外交経験のないまま首相に就任した。就任直後にG20とトランプ訪日を経験したが、G7という通過儀礼を経ないうちに訪米を迎えた。

 しかも相手はイスラエルとともにイランへの軍事作戦を実行中のトランプだ。戦後日本における「アメリカと同じ側にいれば大きく間違えることはない」との外交セオリーが急激に変化しているさなかでもある。

 高市首相は人の意見を聞かず、相談もしないという。かつてなくさまざまな変数を考慮して判断しなければならない、失敗は許されない局面にもかかわらず、その姿勢に変化はない。

 となれば、高市首相のトランプとの出合い頭のハグから始まる一連の振る舞いも、意図しての媚びやはしゃぎではなく、極度の緊張の中で飛び出したものと解釈すべきかもしれない。

「平和を構築できるのはドナルドだけ」の名(迷)文句を徹夜で考えたという高市首相。極度の緊張下での睡眠不足に加えて余裕も経験もないのだ。首相を庇うのではない。だが、極限状態に立たされキャパオーバー状態の人間の振る舞いと思えば、むしろ同情したくもなる。

 米ニューヨーク・タイムズ紙は高市首相の振る舞いを「自制的」と評価し、自制を失った自国の大統領を批判した。日本国内にも評価する声はある。

 確かに、中東への自衛隊派遣を断るには憲法9条を持ち出せばいい、トランプのご機嫌くらい取っておけばいい、それが現実だろう。良くも悪くもこれが日本の置かれている現状なのだ。だが本当にこのままでいいのか。

〈国家が追求すべき価値の問題を考慮しないならば、現実主義は現実追従主義に陥るか、もしくはシニシズムに堕する危険がある〉という、高坂正堯の言葉を今ほどかみしめたい時はない。

▽梶原麻衣子(かじわら・まいこ) 1980年、埼玉県生まれ。中大文学部史学科卒。IT企業勤務後、2005年から花田紀凱編集長の「月刊WiLL」「月刊Hanada」編集部に所属。19年に退職し、現在はフリーの編集者・ライターとして活動。著書に「『“右翼”雑誌』の舞台裏」「安倍晋三 ドナルド・トランプ交友録」。