アメリカでは「知的障害学生」をどう受け入れているのか「その現実」

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7人に1人、日本に約1700万人いるとされる「境界知能」の人たち。

言語化が苦手、仕事の段取りを覚えられない、行動がワンテンポ遅い、対人関係の距離感が極端、金銭管理ができない、ダマされやすい……困っているのに気づかれなかった人々の実態とは?

発売即重版が決まった話題書『境界知能の人たち』では、当事者を見てきた第一人者の医師が、全体像をわかりやすく解説する。

(本記事は、古荘純一『境界知能の人たち』の一部を抜粋・編集しています)

アメリカにおける知的障害学生の受け入れ

多くの国では障害のある学生を大学に受け入れるための枠組みがありますが、知的障害者を対象としたプログラムがある国は少ないものです。

そうした状況の中、アメリカには知的障害者を受け入れる枠組みがあります。2008年に「高等教育機会法」で知的障害者の大学の受け入れが規定され、全米で4年制大学も含めて多くの大学が受け入れを進めています。

それぞれの大学が独自に入学選抜を行いますが、希望者の学びたいことなどを記したエッセイや大学でのケアの情報などを総合的に判断して合否が決定されます。

履修科目は、自立した生活と就職を目的とする学習が中心ですが、一般学生が履修する科目も受けることができます。日本では一定の学力が担保されないと入学が許可されず、また障害のある人には、入試方法での配慮はあるものの、入学後のカリキュラムなどの配慮は乏しいのが現状です。

アメリカの大学にとっても多様性が教育機関としての強みと認識しているはずです。しかしながら、現在アメリカの国策が多様性を認めない方向に進んでおり、この制度が停滞・後退しないように望んでいます。

さらに「日本に1700万人いるとされる「境界知能」の人たち…当事者を見てきた医師が明かす「その実態」」では、7人に1人いるとされ、知的障害と平均値のボーダーにある境界知能の実態に迫っていく。

【つづきを読む】日本に1700万人いるとされる「境界知能」の人たち…当事者を見てきた医師が明かす「その実態」