だからなのか、当日仕事が割り振られた際、教室監督の業務に当たってしまった大学生らしき方が「試験監督をする自信がないので違う仕事にして欲しいんですが」と申し出ていました。

案の定、それは許されることではなく、チーフ的な人から「この業務は試験監督をする約束で申し込んでいただいたはずです。仕事の指示には従う約束で申し込んでくださったんですよね? マニュアルも頭に入れてきてくれたはずですよね? それなのに指示された仕事ができないとはどういうことですか?」と詰められていました。現場はピリつき、早くも背筋が伸びました。

◆知性を感じる受検者。意外と暇だし最高では?

そんなことがありながらも、マニュアルがきちんと整えられており、しかも受検者はわざわざ検定を受けようとするような方々ですから、知性も高く素直。特段トラブルもなく業務を終えることが出来ました。

8時から17時までの拘束で、スーツなどのフォーマルや事前勉強が必須ではありますが、この現場はお弁当もあり、試験中や試験と試験の間のヒマな時間も多いという最高なスキマバイトでした。

何よりも感動したのが、試験監督という性質上、緊張感や威圧感が必要ゆえ、重ねた年齢がある意味スキルになっているということ。若い人ばかりの体力勝負の職場で居づらさを感じる40代以降のワーカーにとって、これはぴったりな仕事ではないでしょうか?

私は割り振られた業務的に、お手洗いや試験教室の案内などが中心でしたが、staff腕章をつけた私の存在を見て、若い受検者たちがすぐに尋ねてきたり頼ってきてくれていたのは、やはりこの年齢の見た目からくる安心感からなのでしょう。

◆いるだけで重宝される中高年にぴったり

私はかつて、占いの館で占い師のマネジメントの仕事をしたことがあるのですが、10年以上鑑定歴のある30代敏腕占い師より、カルチャーセンターの占い教室を卒業したばかりの70代占い師の方が指名が多かったことを思い出しました。

学校見学的なワクワク要素もあり、中高年でも存在が重宝される試験監督の1日バイト。毎週のようにあるわけでないのが難点ですが、募集があれば次回もぜひ申し込みたいと思いました。

<文/小政りょう>

【小政りょう】
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦