「MEGUMI」と「くるま」の絶妙な“ねじれ” 単なる熱愛ニュース以上なものを感じるワケ
3人で会食
MEGUMIと令和ロマンの高比良くるまの熱愛報道は世間を騒がせた。しかし、その後、本人たちがその件について公の場で詳しく語ることはなかった。MEGUMIはほとんど沈黙を貫いているし、くるまも自身のポッドキャスト番組で少し触れた程度だった。3月10日放送の「永野&くるまのひっかかりニーチェ」(テレビ朝日系)では、この話題について初めてくるまがきちんと話すことになったため、大反響を巻き起こした。【ラリー遠田/お笑い評論家】
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番組内でこの話題を避けて通れなかったのは、くるまと共にレギュラー出演している永野の存在があったからだ。MEGUMIとくるまが接点を持つきっかけになったとされるのが、Netflix作品である「ラヴ上等」のPR動画であり、そこには永野もかかわっていた。のちに3人で会食をしていたことも話題になっており、永野が恋のキューピッドの役割を果たしたのではないかとも言われていた。

だからこそ、永野はこの件を単なる興味本位ではなく、「自分が関係する出来事」として問いただせる立場にあった。実際、番組では永野がくるまを厳しく追及していた。同番組の収録では以前にもMEGUMIの話題が出ていたことがあった。そのときに永野は「MEGUMIさんがこの番組に出たいと言ってたよ」とくるまに語りかけていたのだが、実際にはそのときすでに2人は交際していたのだという。
MEGUMIと交際中でありながら、そのことには一切触れず、話を続けていたことが明らかになるにつれて、同じくレギュラー出演している三谷紬アナは「怖いんですけど」とつぶやき、永野も「何も信じられない……」と呆然としていた。
この一連のやり取りで最も印象的だったのは、くるまの態度である。
普段の彼は、どんなテーマであっても強い言葉で持論を組み立て、相手をけむに巻くような勢いを見せることが多い。ところが、この件に関しては終始しおらしく、どこか居心地が悪そうで、ひたすら恐縮しているように見えた。理屈で押し切ることも、笑いに変えて強引に処理することもせず、ひたすら下手に出る姿には、いつものくるまとは違う弱気な感じがあった。
自分の立場上、話題に触れないわけにはいかないが、できればプライベートな話はしたくない、という思いが態度ににじみ出ていた。
必要以上に慎重
この熱愛報道が大きな注目を集めたのは、単に人気者同士だったからではない。女性が年上の年の差カップルというのが珍しいものだった上に、それぞれ今が旬の人物として注目されていたからだ。
MEGUMIは、美容分野での再評価を足がかりに、俳優、タレント、さらには作品の企画・プロデュースにまで活動領域を広げている。単なる「芸能界で再ブレークした人」ではなく、年齢やキャリアを重ねた先で自分のイメージを更新し続ける存在として知られている。
一方のくるまは、前人未到の「M-1グランプリ」連覇によって漫才師としての評価を確立しただけでなく、考察や分析を得意とする知性派芸人として独自のポジションを築いてきた。笑いのプレーヤーであると同時に、物事を分析し、言語化する達人でもある。それぞれが別々の分野で輝きを放っている状態だったからこそ、「いま勢いのある才能同士がどう結びつくのか」という興味を呼びやすかったのだろう。
ただ、今後の2人の関係がいわゆる「芸能界のビッグカップル」のような形で展開していくかというと、今のところはそうは見えない。2人とも今回の件を積極的にアピールする様子はなく、むしろ必要以上に慎重に扱っている。番組でのくるまの受け答えからも、交際そのものを自分からネタにして盛り上げようという空気は感じられなかった。
2人に共通しているのは、世間が期待するわかりやすい物語に自分から回収されようとするタイプではないということだ。MEGUMIは離婚を経験しており、その後は自立した表現者・プロデューサーとして存在感を高めてきた。くるまもいくつかの騒動や環境の変化を経て、既存のレールに回収されないあり方を模索してきた人物に見える。
そう考えると、この関係も結婚や家庭という制度的な安定に向かうというより、互いの自由や距離感を尊重しながら成り立つものとして続いていく可能性が高い。もちろんプライベートなことについて断定はできないのだが、表に出ている2人の振る舞いからはそのように見える。
話題性は十分にあるのに、当人たちはその話を消費しようとしない。その微妙なねじれが、この件を単なる熱愛ニュース以上のものにしている。熱愛報道に対する彼らの一歩引いたスタンスは、今の芸能界における新たなスターのあり方を体現しているのかもしれない。
ラリー遠田(らりー・とおだ)
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)など著書多数。
デイリー新潮編集部
