ちーちょろす:私の体感的には、95%くらいの方が間違ったサイズのブラジャーを着用していると思います。販売員時代、正しいサイズを着けている方は、1週間に一人いらっしゃるかどうかでした。

そして、ほとんどの方が小さすぎるカップサイズをつけていると感じていました。残りの1割の方はサイズというより、形の合わないブラジャーをつけているという感じでした。

――小さすぎるサイズを付けていても、自分ではわからないものなのでしょうか。

ちーちょろす:実は、小さいからキツイと感じるというよりも、みなさん「カップが余ってパカパカする」「今つけているサイズが大きすぎるんじゃないか」とおっしゃるんです。でも実際には、小さいサイズのカップを無理につけていると、カップが胸の形にフィットしないので隙間があいてしまい「カップが余っているな」と感じることが多くなるんです。

◆母世代が、ブラジャーの選び方を知らない理由

――家庭などで、親から娘にブラジャーの選び方を教えることは少ないのでしょうか。

ちーちょろす:お母様世代も、ブラジャーに関してはご自身のことしかわからなかったりするので、苦労している娘さんはたくさんいると感じます。

例えば、「私は胸が小さいから、娘も小さいはず」と考えて、大きいサイズを買ってもらえないケースもあります。でも、母方だけではなく父方の遺伝もあるので、親子でも胸のサイズが違うのは当然ですよね。

また、ブラジャーが比較的高価ということもあり、お母様が若い頃のブラジャーを、娘さんがお下がりで着用させられていることもあります。それではサイズが合っていないことも多いですし、下着は数年で劣化してしまうので胸を支えられないというデメリットもあります。何より、直接肌に触れる衛生用品という側面もあるので、共用は避けていただきたいと思います。

――正しい知識を持っていない人が多いのはなぜだと思いますか?

ちーちょろす:お母様世代が正しい知識を持っていないのは、お母様たちが悪いのではなく、下着業界にも多少の責任があると思っています。

下着販売は教育にも時間がかかりますし、お客様にお伝えする時間の確保も難しいです。私はそこがもどかしく、フリーになったという経緯もあります。さらに新規参入が難しいので、ブランドの数がとても少ないんです。

その結果、販売員が「お客様はこのサイズです」と伝えるだけで購入いただくことを続けてしまい、ブラジャーの正しい知識を丁寧に伝える機会が少なかったのではないかと思います。

だからこそ、これからはお客様自身に、下着を選ぶための正しい知識を持っていただける時代にしなくてはならないと感じています。

<取材・文/都田ミツコ>

【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。