生活保護を受けていると、引っ越しはできない? 家賃が高い地域から移るとどうなる?
生活保護を受けていても引っ越しはできるの? 制度上の基本ルール
生活保護を受給していても基本的に引っ越しは可能です。居住地の変更自体が禁止されているわけではありません。ただし、自由に引っ越せるわけではなく、事前にケースワーカーへ相談し、必要性が認められることが前提です。
厚生労働省によれば、生活保護制度とは、健康で文化的な最低限度の生活を保障しつつ、その自立を支援する制度とされており、住居についても「適正な水準」が求められます。そのため、転居が生活の安定や自立につながると判断されれば、制度上は認められるでしょう。
例えば、家賃が高すぎて生活が成り立たない場合や、老朽化・立ち退き、病気や介護の都合などは、引っ越しの合理的理由として認められる可能性のある代表例です。
家賃が高い地域に住んでいるとどうなる? 「住宅扶助」の上限と自己負担の現実
生活保護では、家賃などは「住宅扶助」として支給されますが、地域や世帯人数ごとに上限額が定められています。この上限を超える家賃の物件に住んでいる場合、超過分は原則として自己負担になります。
厚生労働省によれば、例えば東京都(1、2級地)の単身世帯では、住宅扶助の限度額は5万3700円が目安です(平成25年度)。これを大きく超える家賃に住み続けていると、ケースワーカーから転居指導を受ける可能性があります。
重要なのは、即座に強制退去になるわけではないという点です。ただし、改善の意思が見られない場合、生活保護の継続に影響する可能性があるため注意が必要です。
引っ越し費用はどうなる? おもな支給条件と注意点
生活保護受給者が引っ越す場合、条件を満たせば転居費用(敷金・礼金・引っ越し代など)が支給される可能性があります。転居費用の支給が認められるのは、おもに以下のようなケースです。
ただし、自己都合(住み替えたいだけ、気分転換など)では支給されません。また、上限額があり、希望する物件すべてが対象になるわけではない点も注意が必要です。詳しくは、自治体ごとの運用に左右されるため、必ず事前にケースワーカーと相談しましょう。
生活保護受給中の引っ越しは制度上可能! 費用負担と手続きがカギ
生活保護を受けていても、引っ越しは制度上可能です。ただし、住宅扶助の上限や転居費用の支給条件など、「お金」に関するルールが厳密に定められている点は理解しておく必要があります。
家賃が高い地域に住み続けるより、適正な家賃の住まいへ移ることで、生活の安定や将来的な自立につながるケースも少なくありません。
不安を感じたときは、1人で判断せず、まずはケースワーカーに相談することが大切です。制度を正しく知り、上手に活用することが、安定した生活への第一歩となるでしょう。
出典
厚生労働省 生活保護制度
厚生労働省 住宅扶助について 住宅扶助特別基準額(平成25年度)(3ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
