記事のポイント
2025年、リセールが安価な代替ではなく購買の起点として定着した。
価格比較やデータ活用が進み、中古市場の可視性と信頼性が高まった。
ラグジュアリーや節目消費でも中古が新品購入を置き換えている。


長年にわたり、リセールはファッションの中心というよりも、その脇に位置づけられてきた。新品を買うより安い、あるいはよりサステナブルな選択肢として提供される存在だったのである。

しかし2025年、その枠組みは崩れた。決算説明会、プラットフォームのデータ、消費者行動のすべてが同じ変化を示している。

物価が上昇し、トレンドの回転が速まり、消費者が価値の透明性をより強く求めるなかで、リセールは「まず最初に検討する選択肢」になったのだ。

11月11日に行われたリアルリアル(The RealReal)の2025年第3四半期決算説明会で、CEOのラティ・ルベスク氏は、その変化を率直な言葉で表現した。

実際の購買データが示す「リセールが主役化」した現実



「我々は人々の買い物の仕方を変え、リセールを主要な選択肢にしている」と同氏は述べた。同社のデータによると、買い物客の58%が二次流通市場を明確に好んでおり、47%は新品を購入する前にリセール価値を考慮している。

ルベスク氏の言葉を借りれば、「リセールはもはやファッション業界に反応する存在ではなく、それを牽引している」。

財務面の数字も、その主張を裏付けている。第3四半期において、リアルリアルは流通総額(GMV)5億2000万ドル(約780億円)を報告し、前年同期比で20%増加した。売上高は17%増の1億7400万ドル(約261億円)となった。

直近12カ月ベースのアクティブバイヤー数は100万人を突破している。通期見通しも引き上げられ、GMVは21億ドル(約3150億円)超を見込む。

高級品や人生の節目でも選ばれるリセール市場



なかでもファインジュエリーや時計といったカテゴリーが好調で、初めて時計を購入した顧客は46%増加した。

一方、ウエディングドレスの検索数は247%急増しており、リセールが単なる裁量消費ではなく、人生の節目となる買い物にも選ばれるようになっていることを示している。

今回の局面が、過去のリセールブームと異なるのは、その規模だけでなく構造にある。

リセールは今や、データ、比較ツール、リアルタイムの価格インテリジェンスによって支えられ、中古品の購入が容易になり、無視しづらい存在になっている。

データと可視化がリセールを「測定可能な市場」に変えた



リアルリアル、ヴェスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)、eBayといったプラットフォームは、ブランドの勢い、価格変動、コンディションの嗜好などを追跡するトレンドレポートを公開し、リセールを断片的な代替市場ではなく、測定可能な市場へと変えている。これらのリストを広めるために、スタイリストやインフルエンサーも起用している。

このデータレイヤーは、消費者の買い物行動そのものも形づくっている。

2021年に設立されたリセール検索エンジン「ベニ(Beni)」の創業者、ケイト・サナー氏は、買い物客はもはや単に最安値を探しているわけではないと語る。

「もっとも高い品質と、もっともよい価値をどうやって得るかを考えている」と同氏は述べた。

「安さ」より「価値」を見極める消費者心理の変化



ベニは、デポップ(Depop)、eBay、リアルリアル、ヴェスティエール・コレクティブなど複数のプラットフォームに掲載された商品を横断的に集約している。2025年初頭までに、利用者数は100万人近くに達した。

サナー氏によれば、リセールの勢いの一因には、アルゴリズムによる「画一化」への文化的な疲弊があるという。

「人々はアルゴリズムに対して反発しはじめている。『みんな同じ見た目になっているし、私はそうなりたくない』という感覚だ」と同氏は語った。

「スリフティングの世界を攻略して、何かクールなものを見つけられること自体が、名誉のバッジのようになっている」。

中古購入が新品購入を直接置き換えはじめている



リセールプラットフォーム、デポップのCEOであるピーター・センプル氏は、同プラットフォームには現在5000万点以上の商品が出品されており、中古品が新品購入の代替となるケースが増えていると述べた。

「経済的に厳しい時代には、二次流通市場で、客観的に見てより安く、より手頃な商品を購入できる。また、人々は何かを売って何かを買ったり、何かを売って可処分所得を増やしたり、場合によってはビジネスを構築したりもできる」。

さらに同氏は、2025年には「デポップでの購入の5件に3件が、本来は別の場所で行われていたはずの購入を置き換えている」と付け加えた。

AI比較ツールがリセールを「当たり前の選択肢」に押し上げた



消費者によるリセールの採用は、新たな比較ショッピングツールの登場によって加速している。

フィア(Phia)は、Glossyの「2025年イノベーターズ・リスト」に選出もされた、フォエベ・ゲイツ氏とソフィア・キアーニ氏によって設立されたAI搭載のショッピングアプリで、一次市場とリセール市場を横断した価格比較、リセール価値の追跡、リアルタイムでの代替品表示を可能にしている。

2025年4月のローンチ以降、同アプリは5000のブランドパートナーにわたる3億5000万点以上の商品をインデックス化し、検索レイテンシーを80%以上削減、モバイルダウンロード数は64万件を超えたと同社は述べている。

「着用単価」と再販価値を前提に買い物をする時代



「拡張機能を有効にした瞬間に、購入すべきかどうか判断するために必要な情報をすべてパッケージ化して提供している」とキアーニ氏は語る。その情報には、リセール価値も含まれる。

「アイテムがどれくらいの中古価値を維持するのかを理解することに、これほど多くの人が関心を持っているのを見るのは、とても興味深い。そうすることで、着用あたりのコストを考えたり、より高品質な商品を購入したりできるからだ」。

フィアの主なユーザー層は、Z世代およびミレニアル世代の女性である。

AIの進化がリセール市場の成立条件を変えた



「本当に久しぶりに、我々の会社が成立し得る環境になった」とゲイツ氏は語り、大規模な価格追跡やリセール分析を可能にするAIの進化を指摘した。

「3年前には、我々のような会社が存在することは不可能だった。ユーザーが購入するたび、返品するたび、そして選ばなかった結果一つひとつによって、アルゴリズムは継続的に学習している」。

同様に、702人のフォロワーを持つ長年のeBay出品者であるジュード・ルーゴ氏は、「AIによる商品説明やタイトル作成ツール」のおかげで、近年は中古品販売が格段に簡単になったと述べた。これらのツールは、新規出品者がより迅速に出品し、より自信を持って価格設定を行う手助けとなっている。

ラグジュアリーは「再販前提」で最初に買われる



かつてリセールにとってもっとも脆弱と見なされていたラグジュアリー分野は、今やもっとも強力な成長エンジンのひとつとなっている。

eBayでファッション部門のグローバルGMを務めるカースティ・キーガン氏は、リセールはカニバリゼーションの脅威ではなく、顧客獲得の手段だと語る。

「ラグジュアリーブランドを初めて購入するケースの40〜65%は、二次流通市場で起きている」と同氏は述べた。

信頼と可視性がリセールをメインストリームに押し上げた



eBayは現在、ラグジュアリー時計、ハンドバッグ、ジュエリー、衣料品、シューズ、アクセサリーの真贋鑑定を行っており、コンディションチェックやAIを活用した不正防止と組み合わせて提供している。

「人々が信頼できる体験を得られるように、我々は膨大な時間を費やしている」とキーガン氏は語った。

そして、リセールがファッション界でもっとも目立つ場に登場していることも追い風となっている。

ファッションの最前線でも「プレラブド」が価値になる



ロンドン・ファッション・ウィークでは、スタイリストのエイミー・バナーマン氏が、eBayと協業し、リセールスタイルを紹介する「エンドレス・ランウェイ」企画を手がけた。

「プレラブドはステータスシンボルだ」と同氏は語る。

さらに、安価なデュープでランウェイルックを再現するのではなく、アーカイブピースを探したり、ヴィンテージ品をリメイクしたりする動きが、観客のあいだでますます広がっているという。

[原文:How resale became the first place shoppers looked in 2025]

Zofia Zwieglinska(翻訳、編集:藏西隆介)