キム・ゴウン、イ・チェミンらが揃い踏み 2025年後期の主要韓国ドラマをピックアップ
2024年10月には坂口健太郎とイ・セヨンがドラマ『愛のあとにくるもの』で共演し、1月2日に放送された『スロウトレイン』(TBS系)ではチュ・ジョンヒョクがメインキャラクターとして出演。現在放送中のドラマ『初恋DOGs』(TBS系)でもナ・イヌが大活躍しており、彼の人気を押し上げた『私の夫と結婚して』は佐藤健と小芝風花の共演によって日本版にリメイクされた。
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最近は日韓のコラボレーションが熱く、それをきっかけに韓国ドラマにハマったという人も多いのではないだろうか? この記事では、2025年夏以降に配信が決定している期待作をいくつか紹介していく。
⚫︎『エマ』『暴君のシェフ』『TWELVE トゥエルブ』 8月22日からNetflixにて配信されるドラマ『エマ』は、1980年代を舞台に、実際に公開された官能映画『愛馬夫人』に挑む女優たちの物語。スター女優役を映画『エクストリーム・ジョブ』やドラマ『夜に咲く花』のイ・ハニが演じ、新人女優役を前途有望な女優バン・ヒョリンが務める。2025年は『恋するムービー』や『私たちの映画』など“映画”についての物語が数多く描かれる中、当時の男性優位の映画業界に切り込む作品ということもあって、筆者個人も強く惹かれる物語だ。
また、8月23日からはイム・ユナとイ・チェミンが共演するドラマ『暴君のシェフ』がNetflixにて配信スタート。イム・ユナが演じる現代のフレンチシェフが朝鮮王朝時代にタイムスリップし、イ・チェミンが演じる“暴君”と呼ばれる王と出会う物語。時代劇×タイムスリップものといえば、『ポンダンポンダン 王様の恋』『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』『哲仁王后~俺がクイーン!?~』などが挙げられるが、画面の華やかさも含め、他のタイムスリップ作品とどのように差別化されるのか期待が高まる。
さらにディズニープラスでは、同日に『TWELVE トゥエルブ』の配信が開始される。十二支の守護神が登場する同作は、マ・ドンソク、パク・ヒョンシク、ソ・イングクらが共演するバトルアクションファンタジー。筆者が注目したいのは、2025年初めに『埋もれた心』をヒットさせ、日本でのファンミーティングも成功裏に収めたパク・ヒョンシクだ。「1000年の時を超えて目覚めた古代の戦士」役としてアクションにも挑戦するとのことで、今までとはひと味違う姿を見せてくれるに違いない。予告映像を観ても、規模や迫力が桁違いで、まるで映画館で観ているかのような勢いを感じさせる。
⚫︎『コンフィデンスマンKR』『北極星』『ウンジュンとサンヨン』 そして何より、日本のドラマファンが待ち望んでいるのは、Prime Videoにて9月6日から配信予定の『コンフィデンスマンKR』ではないだろうか。日本ドラマで長澤まさみが演じたヒロインをパク・ミニョン、彼女と一緒に詐欺を働く仲間をチュ・ジョンヒョクとパク・ヒスンが演じる。パク・ミニョンは『キム秘書はいったい、なぜ?』や『私の夫と結婚して』など、大ヒットを記録したドラマで度々ヒロインを演じてきた女優で、信頼度も抜群。すでに公開されている写真や予告映像では、同じドラマのものとは思えない完璧で多彩な変装姿を披露してくれたからこそ、どんな騙し合いが展開されるのか待ちきれない。また、チュ・ジョンヒョクは『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で注目を浴び、先述の通り『スロウトレイン』では日本ドラマ初出演ながら実力派俳優たちの中で日本語で演技を披露。ヒロインを支える様々なキャラクターを演じてきた彼が、東出昌大が演じた“ボクちゃん”の弟のような立ち位置をどう演じるのか。そしてパク・ヒスンは、刑事役や『イカゲーム』のような険しい役柄を演じているイメージが強いが、コメディ感たっぷりのこの作品ではどんな一面を見せてくれるのだろうか。
この他にも、韓国の人気実力派たちが共演を果たす注目作が盛りだくさんだ。9月10日からディズニープラスにて配信される『北極星』は、チョン・ジヒョンとカン・ドンウォンが共演するロマンスドラマ。チョン・ジヒョンは韓国の女性大統領候補を演じ、カン・ドンウォンは“秘密”を抱えた脱北者を演じる。監督は『ヴィンチェンツォ』『涙の女王』のキム・ヒウォン、脚本は『別れる決心』のチョン・ソギョンであり、「南北朝鮮に迫る脅威によって翻弄される彼らの運命を描く」というストーリーからも、ドラマチックで壮大な展開が期待できる。
そして特に筆者が気になっているのは、Netflixで9月12日より配信予定の『ウンジュンとサンヨン』だ。『ユミの細胞たち』では恋敵のような関係だったキム・ゴウンとパク・ジヒョンの2人だが、今回はずっしりとしたテイストの中で、羨みと恨みが交わる親友同士に。予告映像を観てみると、心の動きを緩やかに映してくれる作品のようだが、何か問題を抱えているようにも伺える。映画『ソウルメイト』のような、一言では語ることのできない2人の関係性は、ドラマという枠組みの中でどう描き出されていくのか。
⚫︎今後の配信が楽しみな作品 また、未だ配信日は決まっていないが、キャスト陣を見ただけで公開が待ちきれないような作品も。Netflixで配信予定の『ゆっくり強烈に』には、『太陽の末裔 Love Under The Sun』『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』のソン・ヘギョと『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』『イカゲーム』のコン・ユ、アイドルグループAOA出身のキム・ソリョンという、濃密なキャスト陣が出演することが決定している。さらに、同じくNetflixで配信予定の『恋の通訳、できますか?』は、『おつかれさま』で再び脚光を浴びたキム・ソンホと『いつかは賢いレジデント生活』で成功を収めたコ・ユンジョンの共演作。日本からは福士蒼汰も出演するということで前から話題になっている作品で、キム・ソンホファンとしては日本語を話す彼の姿はもちろん、また彼のラブストーリーを観ることができると考えるだけでワクワクしてしまう……。
“新韓流四天王”の1人とも称され、日本でも絶大な人気を誇るパク・ソジュンはドラマ『ギョンドを待ちながら』に出演予定。2025年下半期の放送が予定されている。『イカゲーム』シーズン2から3まで短い出演時間ながらも濃い印象を残したウォン・ジアンとのラブコメディで、2人の長い恋愛の歴史を振り返りながら描かれることになりそうだ。『キム秘書はいったい、なぜ?』以降、恋愛ドラマから遠のいていたパク・ソジュンの甘い姿を再び見ることができるのではないだろうか。
そして『イカゲーム』で世界に名を知らしめたイ・ジョンジェは、『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』で振り切った演技を見せ、『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』で切ない人生を体現したばかりのイム・ジヨンと『憎らしい愛』で共演する。イ・ジョンジェが俳優役を演じるのに対し、イム・ジヨンは芸能記者を演じるとのこと。『イカゲーム』で見せた娘への愛情や友人への想いとはまた異なる心の機微を体現してくれることだろう。
このほかにも、キム・ダミ、シン・イェウン、ホ・ナムジュン共演の『100番の思い出』や、9月5日よりFODで配信されるソン・ジュンギとチョン・ウヒ共演のラブストーリー『マイ・ユース(My Youth)』、奥田英朗の小説『ナオミとカナコ』を原作としたチョン・ソニとイ・ユミ共演の『あなたが殺した』、ペ・スジとキム・ウビンの『Genie, Make a Wish(英題)』、チ・チャンウクとド・ギョンス共演の『捏造された都市』など、キャスト名を聞いただけで気になる作品ばかりだ。2025年も半分を過ぎたが、この年をさらに彩る作品たちに出会えることを願って、配信まで辛抱強く待ちたいと思う。(文=伊藤万弥乃)

