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 ヤンキースタジアムで29日(日本時間30日)に行われた第4戦で、フェンス際のフライを捕球したドジャースのムーキー・ベッツ内野手(32)からボールを“強奪”した男性ファン2人が、第5戦では「出禁」となった。30日(同31日)に、ヤ軍が「緊急リリース」として公式声明を発表した。

 「ワールドシリーズ第4戦でファン行動規範に違反したファンが退場」と題した声明では「昨夜、2人のファンがドジャースのムーキー・ベッツ外野手とのひどく、容認できない身体的接触によりヤンキースタジアムから退場処分となりました」と事態を報告。そのうえで「選手、ファン、スタジアムスタッフの安全と安心は、ヤンキースタジアムで開催されるあらゆるイベントの基本要素であり、それが損なわれることはあってはなりません」と遺憾の意を表明した。

 さらに「今夜は今年最後のホームゲームであり、私たちはファンの情熱が発揮できるよう努力を惜しみません。ヤンキースタジアムはエネルギーと熱狂で知られていますが、チームを応援する熱狂が選手を故意に身体的危険にさらすような一線を越えることは決してあってはなりません」とファン2人による蛮行を非難。そして「ヤンキースとメジャーリーグは昨夜のような行為に対して一切容赦しません。これらのファンはいかなる立場でも今夜の試合に出席できません」と、当該2人のファンを“出禁”とすることを明らかにした。

 “強奪事件”は第4戦の初回裏に起こった。ヤンキース・トーレスの右翼フェンス際へのフライをベッツがグラブを伸ばしてキャッチ。ところが、フェンス最前列で観戦していた男性ファン2人が暴挙に出た。1人がベッツのグラブをこじ開け、ボールをむしり取ろうと画策し、隣にいたもう1人の男性ファンもベッツの右手をつかんだ。一歩間違えれば負傷にもつながる蛮行に、ベッツは怒りの表情だった。

 このファン2人はもちろん退場させられたが、第5戦について戻って来て観戦可能と言われたとして、ESPNは“出禁”になっていないと報道していた。最終的にヤ軍が処分を下すに至った。