久保建英?三笘薫? 日本代表で最も欠かせない選手は...識者10人が選んだのは誰か
サッカー日本代表選手たちのインパクト(影響度)ランキングを発表。「最も欠かせない」「替えが利かない」といった視点で、10人の識者にそれぞれトップ10を選んでもらい、1位10ポイント、2位9ポイント......10位1ポイントとして、ポイント集計した。今の森保ジャパンで本当に大切な選手は果たして誰なのか?

今のサッカー日本代表で最も影響力のある選手は誰か photo by Sano Miki
杉山茂樹(スポーツライター)
1位:鎌田大地/2位:三笘薫/3位:伊東純也/4位:久保建英/5位:冨安健洋/6位:遠藤航/7位:守田英正/8位:菅原由勢/9位:古橋亨梧/10位:旗手怜央
結果は残しているが、サッカーそのものは強そうに見えない。見映えもいいとは言えない。
森保ジャパンの話だが、原因はパスワークが機能していない点にある。トップ下周辺にボールが収まらないので、ウイング頼みのサッカーになっている。ポストプレーが満足にできる選手が、鎌田大地しかいないこととそれは深い関係がある。
人材豊富なウイングと比較すると駒不足は顕著。1トップ候補もボールを収める力が軒並み不足する。日本サッカーの弱点と言っていい。所属のラツィオで苦戦している鎌田に頑張ってもらうしかない。最も重要な選手になる。
2〜4番手にはウイングを挙げたが、登録選手23人制でキーとなるのは多機能性。5番手に冨安健洋を挙げた理由だ。彼をいかに有効に使うか。最大限追求すべきである。
【久保建英の活躍は突出している】小宮良之(スポーツライター)
1位:久保建英/2位:三笘薫/3位:鎌田大地/4位:遠藤航/5位:冨安健洋/6位:上田綺世/7位:守田英正/8位:板倉滉/9位:旗手怜央/10位:伊東純也
世界最高峰の大会であるチャンピオンズリーグ(CL)など、欧州での実績やプレー内容=日本代表での重要性、と言えるだろう。単純に、彼らはそれだけ「日本サッカー」を世界でアピールしている。その選手たちをどうまとめるか――。それが代表監督の役目だが...。
現時点で、久保建英の活躍は突出している。ラ・リーガではジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)ら錚々たるスター選手を抑えて、9月の月間MVPを受賞。所属するレアル・ソシエダをCLに導いた今シーズン、CLベスト16進出に貢献した。チームの中心を担い、攻撃的プレースタイルをけん引している。
追随するのが、プレミアリーグでセンセーションを起こす三笘薫だろう。やや遅れて続く鎌田大地はイタリア特有のプレーコンセプトに手こずり、遠藤航はリバプールでポジションを固めるのが優先で、冨安健洋はケガが心配と一長一短か。ほかにサイドバックやゴールキーパーの台頭があると、日本代表も違うフェーズに入るかもしれない。
【積極的な守備を可能にする冨安健洋】原山裕平(サッカーライター)
1位:冨安健洋/2位:三笘薫/3位:伊東純也/4位:遠藤航/5位:守田英正/6位:板倉滉/7位:久保建英/8位:鎌田大地/9位:浅野拓磨/10位:大迫敬介
今の日本代表の強みは積極的な守備にある。高いラインを敷き、前からボールを奪いに行くことで縦に速いサッカーを実現している。そのスタイルを可能とするのも冨安健洋の存在があるからだろう。前で潰せて、背後もカバーできる。その圧倒的な個の力こそがチームの屋台骨となっている。
パートナーの板倉滉、ボランチの遠藤航と守田英正も含め、中央の4枚はいずれも欠かすことができないだろう。
攻撃面では三笘薫と伊東純也の両翼の力が群を抜く。単独で敵陣を切り裂く能力が縦への推進力をもたらし、日本の戦いに躍動感を生み出している。
クラブで好調を維持する久保建英は、その高い攻撃スキルをどこで発揮するかがポイントとなる。伊東が君臨する右ではなくトップ下の位置でフィットすれば、日本の攻撃はさらに威力を増すはずだ。鎌田大地とのハイレベルなポジション争いに注目したい。
10月のカナダ戦では裏抜けだけでなく、ボールを収まる力を示した浅野は評価を高めた印象。出場機会を増やす大迫は、さらに経験値を高め不動の存在となってもらいたい。
【センターバックコンビが大きな影響】中山 淳(サッカージャーナリスト)
1位:冨安健洋/2位:板倉滉/3位:伊東純也/4位:遠藤航/5位:三笘薫/6位:菅原由勢/7位:伊藤洋輝/8位:守田英正/9位:久保建英/10位:鎌田大地
その選手がいるかいないかで、チーム全体、サッカーそのものに大きな影響を及ぼすという視点で見た場合、冨安健洋と板倉滉のセンターバックコンビが筆頭になる。このふたりが揃ってプレーする試合では、相手のレベルにかかわらず、DFラインを高く維持してコンパクトさを保てるからだ。この前提が失われると、サッカー自体の設計を変えざるを得なくなる。
伊東純也は速さ自体が相手の脅威となるだけでなく、10月のカナダ戦のように狭いエリアでも違いを生み出せるという特性もあるため、いるかいないかで攻撃のバリエーションが大きく変わる。
中盤では危険察知能力や回収能力も含めて遠藤航以上の戦力は見当たらず、三笘薫の左サイドにおける突破力は日本最大の武器ゆえ、全体に与える影響は大きい。
菅原由勢は不動の右サイドバックになりつつあり、伊藤洋輝は複数ポジションをこなす貴重な守備要員。守田英正は遠藤のパートナーとしてもベストな選手で、久保建英も局面打開には不可欠な戦力だ。
そして、現在調子を落としているものの、トップフォームに戻れば鎌田大地も替えの利かない選手であることに疑いの余地はないだろう。
【興行的意味で欠かせない三笘薫と久保建英】浅田真樹(スポーツライター)
1位:冨安健洋/2位:板倉滉/3位:遠藤航/4位:守田英正/5位:三笘薫/6位:伊東純也/7位:久保建英/8位:鎌田大地/9位:伊藤洋輝/10位:鈴木彩艶
便宜上順位はつけたが、上位6人はほぼ横一線。選んだふたり×3組は、センターバック、ボランチ、ウイングの各ポジションにおいて、「このふたりをまとめて欠くことになると厳しい」というイメージだ。
単純に各選手を比較した結果というより、「2番手以下の選手との力の差が大きいポジション」という意味で、センターバックのふたりを上位とし、逆に久保建英や堂安律らが後ろに控えるウイングのふたりを下位とした。
とはいえ、結果的に最上位とした冨安健洋はセンターバックに加え、サイドバックも世界水準でこなせる力を持っているだけに、最も替えが利かない選手と言っていいはずだ。
ただし、興行的な意味で現在の日本代表に欠かせない選手は、三笘薫と久保がダントツだろう。サッカー人気の低下に危機感を覚える日本サッカー協会としては、最も外してほしくない選手であるに違いない。
【アンカーは代役不在】後藤健生(サッカージャーナリスト)
1位:遠藤航/2位:冨安健洋/3位:上田綺世/4位:中山雄太/5位:伊東純也/6位:菅原由勢/7位:守田英正/8位:浅野拓磨/9位:久保建英/10位:三笘薫
日本の最大のストロングポイントは「2列目」だが、ここは人材豊富。誰が欠けても戦力は落ちないだろうが、伊東純也、久保建英、三笘薫が欠ければ威力は多少落ちる。
代役不在なのがアンカーの遠藤。これまでも守備力には定評があったが、リバプール移籍後、ボール奪取から攻撃への切り替えの速さが格段に増した。遠藤が欠けたら、ほかのMFの守備の負担が大きくなり、好守のバランスが崩れてしまう。
センターバック陣は充実してきたが、冨安健洋の守備力は突出。人材不足なのが両サイドバック(SB)とセンターフォワード(CF)。右SBでは毎熊晟矢も成長してきたが、左SBでは中山雄太の力が抜けている(冨安のSB起用という"手"はあるが)。
CFの人材難は前田大然、古橋亨梧が離脱したことでさらに悪化。上田綺世の成長のきっかけになってくれればいいのだが......
【30代の選手が進化している】六川則夫(サッカーカメラマン)
1位:伊東純也/2位:遠藤航/3位:浅野拓磨/4位:三笘薫/5位:久保建英/6位:鎌田大地/7位:冨安健洋/8位:菅原由勢/9位:中村敬斗/10位:前田大然
1位にした伊東純也はスピード系にして、30歳を超えてもなお進化続けている。その姿は、日本サッカー界の最大のサプライズ。サイドではなく真ん中で起用したい。同じく30歳を超えた遠藤航も進化系だ。しかし、所属チーム、リバプールでの出番の少なさが気になる。3位は浅野拓磨にした。決定力の高さは誰もが認めるところ。速さにうまさが追いついたと言えるだろう。
三笘薫は絶対的サイドアタッカーだ。今後、第2第3の「Mitoma Style」が世界中から出てきそうなほどのインパクトがある。久保建英はやはり右サイドの先発で使いたい。鎌田大地はとにかく理解不能なトップ下というイメージ。冨安健洋はアーセナルでレギュラーをとってほしい。
菅原由勢は若くして成熟している、年齢不詳のサイドバックだ。中村敬斗は三笘とポジションを争うライバル。それだけでも存在価値がある。最後のひとりは前田大然にした。あの瞬間移動のプレスを再び見たい。甦れダイゼン!
【堅固な守備がチームの土台】西部謙司(サッカーライター)
1位:冨安健洋/2位:板倉滉/3位:遠藤航/4位:守田英正/5位:三笘薫/6位:伊東純也/7位:久保建英/8位:鎌田大地/9位:古橋亨梧/10位:上田綺世
1〜4位までの4人は最重要なユニット。ひとりでも欠けると機能性は落ちる可能性があり、4人全員いなければ別のチームだ。
堅固な守備はチームの土台。センターバックの冨安健洋、板倉滉は前後に守備範囲が広く、このコンビだからコンパクトネスが実現する。
鬼気迫るボール奪取能力をみせるのが遠藤航、守田英正のコンビ。遠藤はやや守備寄り、守田は攻撃時に左インサイドハーフとして振る舞う。守備と組み立ての両面で負うところは大きい。
三笘薫、伊東純也は攻撃のエース。サイドバックに攻撃面の負担が軽く、編成の前提になっている。久保建英は切り札、鎌田大地はひと味違うゲームコントロール能力が光る。古橋亨梧、上田綺世はセンターフォワードを争うゴールゲッターとして9、10位とした。
【ボランチは人材が不足している】清水英斗(サッカーライター)
1位:遠藤航/2位:伊東純也/3位:三笘薫/4位:板倉滉/5位:守田英正/6位:浅野拓磨/7位:鎌田大地/8位:冨安健洋/9位:菅原由勢/10位:久保建英
ボランチは人材が不足している。エルサルバドル戦(6月)で伊藤敦樹がぶっつけ本番デビューを果たした背景には、試合状況の余裕もあるが、それ以上にボランチの大器を発掘する必要があったからだ。
守田英正の代わりは鎌田大地や田中碧を入れて再構築することも考えられるが、遠藤航の代わり、6番は不足している。つまり現状、遠藤は最も欠かせない選手だ。
2位と3位に両ウイングを入れたのは、今の森保ジャパンがウイングの個の力から逆算して立ち位置を整えるチームになっているから。個人が与える影響が特に大きいふたりだ。
一方、冨安健洋は上位でもおかしくない選手だが、ケガの多さから、計算しづらい選手であることは否めない。下位に置くしかなかった。
【前田大然&浅野拓磨は森保一監督が重宝してきたふたり】篠 幸彦(スポーツライター)
1位:冨安健洋/2位:伊東純也/3位:三笘薫/4位:遠藤航/5位:守田英正/6位:鎌田大地/7位:板倉滉/8位:久保建英/9位:前田大然/10位:浅野拓磨
9月のドイツ戦で見せたように、相手が強豪国であるほど冨安健洋の守備力、経験値は重要度が増す。それだけでなく、ボール保持時のビルドアップ、フィード能力も影響力は大きい。
伊東純也、三笘薫の両翼の打開力は最大の武器で、強豪国相手にも脅威となる。遠藤航と守田英正のボランチは日本の屋台骨で欠かせないコンビだ。
鎌田大地はライン間で起点となり、プレスも的確で攻守に貢献度が高い。スピードとスケールアップした守備力でラインを高く押し上げられる板倉滉は冨安と現状ベストのセンターバックコンビ。
定位置こそ掴めていないが、久保建英のクオリティは右ウイング、トップ下どちらに入ってもトップクラスであることは間違いない。カタールW杯でも戦術的に重要な役割を担った前田大然、浅野拓磨は、森保一監督が重宝してきたふたりだ。
【サッカー日本代表インパクトランキング】◆集計結果◆
1位遠藤航 冨安健洋78ポイント3位伊東純也 三笘薫69ポイント5位守田英正47ポイント6位板倉滉46ポイント7位久保建英43ポイント8位鎌田大地42ポイント9位浅野拓磨19ポイント10位菅原由勢18ポイント