アメリカで長きにわたりプレーした川澄は、“サッカー大国”と比べてもWEリーグの試合の面白さは負けていないと語る。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

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 今年7月、アメリカのゴッサムからアルビレックス新潟レディースに移籍した川澄奈穂美は、長きにわたり海外でプレーしてきた。

 一方、川澄とは小学校から高校まで同じクラブに所属した“盟友”の上尾野辺めぐみは、新潟L一筋でプレーしている。

 川澄の入団を機に実施した“同い年・幼なじみ対談”。第3回では、日本や世界の現状、女子サッカーを観戦する際に楽しむポイントなどを語ってもらった。

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――アメリカで長年プレーした川澄選手から見て、ヨーロッパのレベルはどう感じていますか?

川澄 クラブごとだと、しっかりは分からないですね。ただ、今夏のワールドカップでちょっと衝撃的だったのが、アメリカの敗退でした。過去の大会でベスト4を逃したことがなかったのに、今回はベスト16で敗れて…。

 チーム作りによっては、あのアメリカでも、そうなることがあると痛感した大会でした。ヨーロッパのチーム各国が力をつけているのは、紛れもない事実だと思います。

――なでしこジャパンも、国際経験が豊富なローマの熊谷紗希選手を筆頭に、マンチェスター・シティの長谷川唯選手やリバプールの長野風花選手のような“海外組”が増えました。

川澄 私が本格的にアメリカでプレーするようになったのは、(日本が準優勝した)2015年のワールドカップが終わったあとです。今は、おそらく彼女たちが2021年の東京オリンピック(準々決勝で敗退)で、すごく悔しい思いをしただろうな、と。「これは、もう海外に出ないといけない」という覚悟があったのかは、直接本人たちに話を聞いたわけではないので正確には分からないですけど、そういう選手が増えたのではないでしょうか。
 
 あと、日本人はすごく海外で評価してもらえている選手が多いと思うので、そのなかで注目してもらって、オファーをもらう機会も増えたはず。
 
 今回のワールドカップのベスト8は、海外組が増えたというのも一つ大きな要因だと思います。あと、WEリーグというプロリーグができて、初めて迎えたワールドカップだったので、みんながプロとして参加するのは、日本の女子サッカー界にとっては、一つ歴史を刻んだのではないかと感じますね。

――WEリーグができて、上尾野辺選手はどう感じられていますか?

上尾野辺 サッカーに集中できる時間が増えた分、責任感といった部分が変わったのは、チームを見ていても感じます。ただ、人気面では、課題もあると感じています。秋春制なのに、街で4月に「もうすぐ開幕でしょ」と言われてしまう時もあって…。まだ、2季を終えた段階だからなのでしょうけど。

――川澄選手は、海外からWEリーグを見ていて、どのように思われていましたか?

川澄 試合を見ていて、アメリカと比べてつまんないとは思わないんですね。 本当に各々の選手が、面白い、良いものを持っている。

 すごく思うのが、自分たちのことを過小評価しすぎだなって。私はもっと、サッカーには需要があると捉えて、その需要に対して、情報提供を充実させるとか。たとえば、ワールドカップ後に、代表選手が男子のカタール大会後のように、積極的にメディアに出ていくのも必要だったかなと思います。

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――お二人が考える、女子サッカーの魅力を教えてください。

上尾野辺 男子みたいなスピードや身体の大きさは、女子にはありません。その分、一体となってプレーしないと、なかなかゴールに迫るまでが難しいです。だから、女子には女子なりの良いところ、連動したプレーだったり、頭を使って、ここっていう時に力強く走り出したりとか、そういう女性ならではの特長はあると思います。

 男子だと、狙ったところにパスが一発で届いたりする。もちろん、女子でも外国籍の選手ではありますが、女子って、なかなかその一発で逆サイドにバーンって蹴ったり、ゴール前に一気に、などはなかなかないと思うんですよね。 だから、しっかり繋ぐとか、細かい局面で複数人が関わって、ゴールまで導くっていうのが魅力で、そういうところを楽しんでもらえれば。

川澄 個人的には、毎試合90分で燃え尽きるようなプレーをするっていうのを一つ目標に置いていて、それは絶対にやろうと思っています。
 
 また、上尾野辺も言ったんですけど、チーム一体で戦っているところ、チームとチームの気持ちのぶつかり合い、「バチバチやるのが、リーグ戦でも見られるよ」というのをお見せしたい。

 やっぱり、どうしてもトーナメントのほうがそういうのが見えやすいというか、分かりやすい。勝てば勝ち進めたり、優勝が懸かったりするので。でも、リーグ戦も同様だと思うんですよ。それを、毎試合出せるようなチームにしていきたいですね。

 きっと他のチームも、すごく良いサッカーをしてくるので、各チームも、どういった戦い方をしてきて、このチームにはこういう特長があるんだなとか。たぶんスタジアムに行けば、何となく目につく選手っているはず。そういう“推し”を作ったりするのも、一つ、観戦時の楽しいポイントかなと思います。

※第3回終了(全4回)

取材・構成●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)