すでに選択肢としては存在しない「App Store経由での定期購読」を続けていたユーザーに対し、Spotifyが支払い方法廃止の案内を行ったことが分かりました。該当ユーザーはクレジットカードやPayPalなどの支払い方法に移行するよう促されています。

Spotify Cutting Off Apple In-App Payment for All Premium Subscribers - Variety

https://variety.com/2023/digital/news/spotify-cuts-off-apple-in-app-purchase-app-store-1235662082/



Spotify kicks off legacy subscribers paying through App Store

https://9to5mac.com/2023/07/05/spotify-ditches-apple-in-app-subscriptions/

Spotifyは2014年6月から2016年5月までの約2年間だけ、App Store経由でのサインアップと定期的な支払いを認めていました。こうした支払い方法を選択したユーザーはその後も継続してApp Store経由での支払いが可能だったのですが、2023年7月5日頃から順次、App Store経由での支払いを選択しているユーザーに対して、他の支払い方法に乗り換えることを促すメールが送信されています。

ニュースメディアのVarietyによると、App Store経由で支払いを行っているユーザーは「あなたがSpotify Premiumに加入した際、Appleの課金サービスを利用して加入していたためご連絡を差し上げました。残念なことに、私たちはその課金方法を支払い方法として受け付けなくなりました。あなたのアカウントは最後の課金期間が終了したときに無料アカウントに移行します。もしPremiumの購読を続けたいのであれば、クレジットカードやPayPalなど、Spotifyが受け付けている支払い方法のいずれかを選択し、新しい定期購読を開始する必要があります」とのメールを受け取ったとのこと。



Spotifyは声明を出し、「最近、少数のユーザーに対し、従来の支払い方法が廃止されることを通知し始めました」と述べています。Spotifyの広報担当者はさらに「これらの措置は、すべてのユーザーに一貫した最高のサブスクリプション体験を提供し続けるのに役立ちます」と付け加えています。

App Store経由でのアプリ購入やアプリ内課金を受け付けると、サービス事業者はAppleに対して「Apple税」ともいわれる15〜30%の手数料を支払う必要があります。以前からSpotifyはAppleの決済サービスを利用するユーザーに対しては本来の有料プランの額に手数料分を上乗せする必要があり、その結果Spotifyの課金プランが競合するApple Musicの月額料金を上回ってしまうことから、「手数料の徴収により公正な競争が妨げられている」と主張してAppleの独占禁止法違反を欧州委員会に訴えていました。

Spotifyが「Appleの高すぎる手数料は公正な競争を妨げる」と独占禁止法違反を欧州委員会に訴える - GIGAZINE



手数料の存在を巡っては、Epic Gamesがこれを不服として大規模な訴訟を起こしていますが、2023年4月の控訴審では「AppleはApp Storeで外部決済システムへのリンクを禁止してはいけない」という判決が下っており、Appleは外部決済システムへの誘導を認めるようにという命令が出されています。しかし、Appleはこれに同意せず引き続き訴訟を続ける可能性を示唆しました。

Apple対Epic Gamesの控訴審で「App Storeで外部決済システムへのリンクを禁止してはいけない」という判決、しかし大部分でAppleが勝利 - GIGAZINE



一方のGoogleはサービス事業者がAndroidアプリで独自の決済手段を選べるようにする方針を示しており、最初のパートナーに音楽サブスクリプションサービスのSpotifyを選んだことを発表しています。

GoogleがAndroidアプリで独自の決済手段を選べるようにする方針を示す、まずはSpotifyから - GIGAZINE



Spotifyだけでなく、NetflixもApp Store経由での支払いを停止しています。