彫刻家・黄土水が手掛けた日本人実業家の銅像、佐渡から高雄に到着/台湾

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(高雄中央社)日本統治時代、台湾から最初に日本に渡り美術を学んだ彫刻家、黄土水が制作した佐渡出身の実業家、山本悌二郎の銅像がこのほど、新潟県佐渡市から南部・高雄市に戻され、高雄市立美術館で28日、お披露目された。高雄市の陳其邁(ちんきまい)市長は、高雄の産業発展に貢献した山本の銅像が関係者の努力によって台湾に帰郷したことに感謝の意を表した。

山本は日本統治時代、台湾製糖の創設に尽力、社長も務めた。王御風・高雄市立歴史博物館前館長によれば、山本は高雄・橋頭を台湾初の新式製糖工場の設置場所に選んだほか、高雄港一帯の巨大倉庫群の管理も担当した。銅像は山本の新式製糖業への貢献を記念し、台湾製糖が黄土水に依頼して制作。1929年に橋頭製糖工場に設置された。戦後は倉庫にしまわれ、1959年、北海道から台湾に運ばれていた製糖機器と共に日本に運び返され、佐渡市の真野公園に移設されていた。

文化部(文化省)は台湾美術史の再構築を目指し、海外に散らばる台湾の芸術家が手掛けた作品の里帰りに力を注いでいる。黄土水は東京美術学校(現・東京芸術大学)で学び、台湾の芸術家として初めて帝展(現・日展)入選を果たした。

高雄市政府文化局は先月27日、佐渡市と友好交流覚書を締結。銅像の高雄への移設を契機に双方の友好交流関係を増進する内容が盛り込まれた。佐渡市で開かれた調印式には台北駐日経済文化代表処の謝長廷(しゃちょうてい)代表(大使に相当)が立ち会い、佐渡市の渡辺竜五市長や市民に銅像返還への謝意を伝えた。

高雄市立美術館によれば、同館は複製品を鋳造して橋頭製糖社宅事務所旧址に設置するほか、もう1件の複製品を真野公園に届ける。オリジナルは同館に所蔵される。

(曽以寧/編集:名切千絵)