タクシーよりトラックのほうがいい! コロナの余波でタクシー業界を襲う深刻な運転手不足

この記事をまとめると
■コロナウイルスの蔓延はタクシー業界に多大な悪影響を与えた
■これをきっかけにタクシー業界を去ったドライバーも少なくない
■状況が回復しつつある今、発生している新たな問題について解説する
コロナ禍以前よりも高収入を得られるケースも
本校執筆中はまん延防止等重点措置(まん防)が出されている自治体の多くが、措置期間の延長を行うものとされている。
しかし、そうはいっても一般的な市民生活では飲食店への営業自粛要請が出されているぐらいで、大きな行動自粛要請は行われていない。
本格的な経済活動の再開とまではいっていないものの、街には人が戻りつつあるが、さすがに夜の盛り場などはまだまだ寂しい。そんななか、タクシーも稼働台数もコロナ禍前に比べれば少ないものの、1台当たりの営収(営業収入)はコロナ禍前以上になることもあるといった話も聞いている。「しかし、すべての事業者が調子いいというわけではありません。なかなかいまの“波”に乗れない事業者もあるようです」とは事情通。

前述したように、街に人が溢れているといっても、それは個人レベルの話。まん防が解除されない地域では企業接待など、業務での飲食や社員同士での飲食の自粛要請をする企業はまだまだ多く、夜の街を寂しくさせている。当然、かつてはタクシーにとって“ゴールデンタイム”とも呼ばれた、深夜割増時間帯(料金)のロング(長距離利用)客などは、なかなか期待できない。
ドライバーが貨物輸送に流れている
「感染力の高いオミクロン株の感染拡大もあり、極力人ゴミを避ける人が増え、それまでたとえば1000円ほどのタクシー利用だったのが、1500円になったりするケースが増えてきているそうです。このような比較的短距離利用をできるだけ漏らさないようにして、コツコツと営収を積み上げるような事業者が潤っているようです。コロナ禍ならではの営業指導を模索せず、昔ながらの“深夜のロング”に期待する事業者は伸び悩んでいるようです」(事情通)。
新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから、稼働台数を減らしているので、1カ月に乗務できる回数がほんの数回というケースも目立っていた(乗務回数が少ないので副業をしていることも多いようだ)。しかし、状況は回復傾向にあるので乗務回数を増やそうとしても、現場を離れる時間の多かった乗務員がそのまま離職してしまうケースが目立っているというのである。

多くは、貨物(トラック)輸送に流れてしまったようで、とくにネットで購入した商品の宅配業務に多く人が流れたようである。コロナ禍前のレベルで乗務できれば、タクシー乗務員のほうが収入は良いこともあるようだが、度重なる緊急事態宣言やまん防が発出されるたびに、利用減となるなどタクシーの“波の大きさ”を嫌い、収入が減ったとしても。安定どころかまだまだ伸びしろのある、ネット通販の宅配のほうがいいとして、タクシーの世界に戻らない人が多いというのである。
飲食店の従業員も募集をかけてもなかなか集まらないという。これも感染状況次第ではすぐ解雇されるリスクがあるのを嫌った動きといえ、タクシーでも同様の動きが起こっているようなのである。高齢乗務員はコロナ禍を契機に引退する人も多い。本格的に経済活動が再開された時には、タクシー業界は深刻な乗務員不足に悩むかもしれない。
