なぜ、Macは絶好調? Windows PCより安くて高性能を実現できる理由と、今さら聞けないWindowsとMacとの違い
以前はWindowsに押されていたMacだが、今では、堅調に成長を続けている。
PC市場においてアップルのパソコン「Mac」のシェアは8.6%だ。
しかしIDC Japanによると、アップルの2021年4〜6月期決算では、
・純利益が前年同期比93%増の217億4400万ドル
・売上高は前年同期比36%増の814億3400万ドル
ともに4〜6月期として過去最高を記録している。
それでもPC市場でのWindowsシェアと比較すれば、アップルのシェアは少ないわけだが、着実に売上を伸ばしており、成長を続けている。
なぜ、アップルのMacは好調を続けているの?
Macの成長が加速したのは、現在のMacに搭載されている新開発チップ「M1」が大きく貢献しているといってよいだろう。
そこで今回はMac躍進の起爆剤になった「M1」とはなにか?
WindowsとMacとの違いについて、あらためて見てみようと思う。
■Mac躍進の原動力 新型チップ「M1」とは?
M1は、iPhone向けのチップ「Appleシリコン」をMac向けに進化させたCPU(中央演算処理装置)だ。
特徴は、
・低消費電力
・高パフォーマンス
・Macへの最適化
この3つがあげられる。
パソコンのCPUにおいて、低消費電力と高パフォーマンスは長年、トレードオフの関係にあった。
高いパフォーマンスを実現するには、
・CPU(中央演算処理装置)の動作周波数を上げる
・CPU内部にある演算回路の数(コア)を増やす
このような強化が必要だ。
しかしCPUは、
動作周波数が上がるほど、コア数を増やすほど、消費電力は上がるのが常識だ。
アップルのM1は、
これまで実現が難しかった、高パフォーマンスでの低消費電力を実現したチップなのだ。
Windowsパソコンで多く使われているCPUには、インテルやAMDのチップがある。
インテルやAMDでは、
・個々のパソコンにあわせた最適化はされていない
・高速な画像処理にはGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)が必要
一方のM1では、
・自社のMacパソコン個々に最適化される
・GPUにはメインメモリ以外にも使用できるユニファイドメモリを内蔵する
WindowsとMacでは、機種にあわせた最適化で大きく異なる。
CPUを搭載するメーカー(ハードウエア)が多様なインテルやAMDは、汎用性を求められるが、アップルは自社のMacだけなので最適化できる。
またチップからOSまで自社製品でMacを製造するため、コスト的なメリットもあり、販売価格にも反省されている。
たとえば、
高性能なWindowsパソコンは20万から30万円するが、M1を搭載したMac miniなら7万9,800円(税込)で購入できる。
アップルは、ハードウェアとOS(オペレーティングシステム)の両方を自社開発することで価格競争力も向上させているのだ。

CPUやGPU、ユニファイドメモリなどを1つのチップにまとめたものがM1だ
■WindowsとMacとの違いを再確認する
そもそもWindowsとMacとの違いは、どこにある?
あらためて、確認してみよう。
一番の違いは、OSだ。
OSはパソコンを動かす基本のシステムソフトウエアだ。
Windowsパソコンでは、マイクロソフトが提供するWindows OSを使用する。
それに対してMacは、アップルが提供するmacOSを使用する。
Windows OSとmacOSは互換性がない。
このためWindowsのソフトウエアはMacで動作しない。
ソフトウエア面では、
PC市場でずば抜けてシェアを持つWindowsのほうが、対応ソフトウエアは圧倒的に多い。
しかしMacには、Windowsソフトウエアを利用する裏ワザがある。
・Boot Camp(ブートキャンプ) 無料
・Parallels Desktop 8,345円(税込)
これらのソフトウエアを利用することで、MacでWindows OSを動かして、Windowsのソフトを使用することができるのだ。
とはいえMacでWindowsを動かすため制約や使い勝手に違いがある。
・Boot Campは、macOSとWindowsを切り替えるため、再起動の必要がある
・Parallels Desktopは、macOS上で動作させるため、再起動の必要がない
あえてデメリットをあげると、3つ考えられる。
1つめは初期費用がWindowsパソコンよりも余計にかかることだ。
Parallels Desktopを使用する場合、WindowsのOS代に加え、同ソフト代がかかる。
2つめは、ストレージ容量が必要なことだ。
macOSとは別に、Windows用のストレージを確保する必要がある。
3つめはソフトの互換性が100%保証されていないことだ。
Boot CampであれParallels Desktopであれ、Mac上でWindowsを動かしているため、Windowsパソコンとは異なる。筆者が試したところでは、今までに動作しないソフトはないが、何らかのハードウェア的な制約により動作しないソフトがあるかもしれない。
一方、Windowsパソコンでは、macOSを動かせない。

WindowsパソコンはOSにWindowsを搭載している
アップルは今後、M1チップのCPUやGPUのコア数に加え、ユニファイドメモリを増やしていく構えだ。
Mac パソコンは、Windowsに対して低価格ながら高性能を提供できるメリットがある。
このメリットを活かしていけば、今後の成長もおおいに期待できそうだ。
ITライフハック 関口哲司
