@AUTOCAR

写真拡大 (全4枚)

オーラ「新次元の走りと上質さ追求」

日産がコンパクトカー「ノート」に新グレード「オーラ(AURA)」を追加すると発表した。

【画像】オーラやオーテックを知っていても「ノート・プレイギア」は知らない?【詳細比較】 全118枚

ノート・オーラがどんなグレードかといえば「新次元の電気の走りと上質さをまとった、プレミアムコンパクト」だという。


日産ノート・オーラ(AURA)は、ノーマルのノートよりも1ランク上の価格帯。内外装のチェンジだけでなく、さらに一歩踏み込んだカスタムを実施した。    神村 聖

簡単に言ってしまえば、ベースとなるノートを「プレミアムコンパクト」にふさわしいほどに磨き上げるということだ。

具体的なカスタム・メニューは、専用の内外装デザインの装備、12.3インチのフルTFTメーターの採用、遮音性能の向上とBOSEのプレミアムサウンド・システムの採用、eパワーの出力向上、4WD制御の専用チューンなどが挙げられる。

注目は内外装のチェンジだけでなく、さらに一歩踏み込んだカスタムを実施したことだ。

遮音性能の向上のためにルーフやドアに遮音材を追加するだけでなく、前席のサイドのガラスに防音特殊フィルムを挟んだラミネートガラスを採用。

さらに、eパワーの出力を18%(85kWを100kWに)、トルクを7%(28.6kg-mを30.6kg-mに)高め、それに合わせて4WDの制御も専用チューンにしている。

外見だけではなく、内部まで手を入れることができるのは、メーカー・チューンならではと言えるだろう。

価格は約260〜296万円となり、約200〜245万円のノーマルのノートよりも1ランク上の価格帯となる。欧州車のコンパクトカーと変わらない価格帯だ。

ここで気になるのは、日産の他のカスタム・ブランドとの違いだ。

オーテックは「スポーティかつ高級」

実のところ、日産ノートにはすでにカスタム・バージョンとなる「ノート・オーテック(AUTECH)」が用意されている。

オーテックとは、日産の関連会社であるオーテック・ジャパンが手掛けたカスタム・モデルに付けられる名称。


日産ノート・オーテック(2020年)    神村 聖

そのオーテック・ジャパンは1986年の創設から日産の多彩なカスタムカーを手掛けてきた会社だ。

オーテックモデルの特徴は、スポーティかつ高級感を謳うスタイリングとなる。

実際にノート・オーテックは、レザーシートなど数多くの専用内外装が使われており、ノーマルのノートよりも1ランク上の上質感を備えている。

そして価格は2WDが250万4700円、4WDが276万3200円となる。

ノート・ニスモは「ピュアスポーツ」

同じくオーテック・ジャパンが手掛ける日産カスタム・ブランドに「ニスモ(NISMO)」がある。

ニスモは日産のモータースポーツを担ってきたニッサン・モータースポーツ・インターナショナルの略だ。


日産ノート・ニスモ(2018年)    日産

そのニスモがモータースポーツで培ってきた知見を量産車に反映させるカスタム・モデルにニスモの名称が与えられている。

過去には日産GT-RやフェアレディZなどのスポーツカーだけでなく、ノートやマーチといったモデルにもニスモ仕様が用意されていた。

つまり、日産はオーラ以前に、スポーティかつ高級感のあるオーテックと、ピュアスポーツのニスモという2本のカスタム・ブランドを擁しているのだ。

ノート・オーラ 誰に向けたクルマ?

オーラと、これまであったオーテック、ニスモの違いは、はっきりとしている。

それがスポーティさの有無だ。


日産ノート・オーラ(左)とノート(右)。オーラは車幅が40mm拡大し、3ナンバー化。グリルやライト類もノーマルとは違う。    神村 聖

これまでのオーテックとニスモは、濃淡こそ違うものの、基本はスポーティな走りを重視したカスタムであった。

一方、新しいオーラは、eパワーの出力を高めているものの、スポーツを謳っていない。

それよりも遮音性能の向上と、静かな室内で楽しむ高級オーディオ・システムを売りにする。

ちなみに、オーラはワイドフェンダーにより車幅が40mm拡大し、3ナンバー化している。グリルやライト類もノーマルとは違うものになっている。

しかし、その変化はごく地味なものだ。メッキ加飾は最小で、ノーマルと並べてみないと違いが気づかないほど自然だ。

しかし、この地味さを歓迎する人も多いだろう。誰もがスポーティなものを好きなわけではないからだ。

また、オーラがターゲットとする顧客層は「セダンからのダウンサイザー」や「輸入車検討者」だという。

そうした人には、逆にスポーティさがない方が受けは良いだろう。

オーラ、価格帯の下ではなく上を狙う

では、なぜ日産が、新たなキャラクターを持ったノート・オーラを投入したのか。

それは、ずばり売り上げアップが理由だろう。実は、新型ノートは現状で、先代ほどの販売数を実現していない。


新型ノートに投入されたのがオーラでノーマルのノートよりも上の価格帯を狙う。    神村 聖

その理由の1つは、先代が非常に売れていたということがある。

先代ノートは、2018年度に登録車として販売ナンバー1を獲得している。

これは日産としては、1968年の「ブルーバード」以来となる50年ぶりの大記録だ。

当然、この勢いを2020年に発売した新型ノートでも続けたいと思うはず。

ところが、新型ノートはハイブリッド専用車となり、低価格帯のエンジン車グレードを廃してしまった。これは販売ナンバー1を目指すには、大きなハンデとなる。

実際に、2020年1〜12月の新車販売ランキング(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会発表「乗用車ブランド通称名別順位」)で、新型ノートは9位という順位に終わった。

1位のヤリス、4位のフィットといったライバルとの差も大きい結果だ。

そんな新型ノートに投入されたのがオーラだ。つまり日産は、ノーマルのノートよりも上の価格帯を狙うというわけだ。

ちなみに、すでにノート・オーテックは発売されているが、ニスモ仕様はまだ登場していない。

オーラがヒットし、さらにニスモが加わって、ノーマルよりも上の価格帯で数が稼げれば、販売ランキングも上昇することだろう。

下の価格帯がなければ、上の価格帯を狙うという日産の計画に注目したい。