雅子さまの“外交技術”に大きな期待が寄せられる(2019年5月、東京・千代田区=時事通信フォト)

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「上皇陛下が天皇に即位した直後、『韓国訪問』が検討されていた」。4月1日、密かに、しかし大きな事実が報じられた。時は平成元年(1989年)4月。当時の宇野宗佑外相は、“即位後の最初の海外訪問先を韓国にしたい”と、韓国側に調整を打診したという。だが、日韓の歴史問題などにより実現は見送られた。

【写真】新侍従長となった別所浩郎氏。他、メラニア夫人と話す、雅子さま

 戦後、昭和天皇も上皇陛下もなしえなかった韓国訪問。ウィズコロナの時代では、さらに各国間の壁は高くなり、国家の孤立化、分断化が進んでいる。もし令和の皇室がそこに風穴をあけられたら──その歴史的瞬間を大きく後押しする動きがすでに始まっている。

世界を驚嘆させた雅子さまの外交力

 いま、宮内庁では“雅子さまシフト”が敷かれているとみる向きがある。4月1日付で、天皇皇后両陛下を支える側近トップの侍従長に、別所浩郎氏(68才)が着任。別所氏は東大卒業後、1975年に外務省に入省。雅子さまにとっては、東大と外務省の先輩に当たる。

 2012年に駐韓大使、2016年には国連大使を歴任。外務省で40年以上勤めた後、2020年1月に宮内庁の侍従次長として、天皇ご一家を支える仕事に就いた。それから約1年半で侍従長への昇進となった。

「皇室へと嫁がれた際、雅子さま自身が『外務省出身』というキャリアを生かせることを期待されていたでしょう。ですが、実際はお世継ぎばかりを期待され、外国訪問もできない。そうして体調を崩された経緯があります。

 もちろん、両陛下に人事権はありませんが、両陛下に対する周囲の配慮はあるのでしょう。外務省出身の侍従長ということは、コロナ禍が終息した後、雅子さまが国際親善に積極的に取り組んでいけるよう、サポート体制を充実させる狙いもあると思います」(皇室ジャーナリスト)

 今後、雅子さまが安定して活躍できるようになれば、期待されるのは「国際親善におけるご活躍」だ。2019年5月、御代がわりに伴い、雅子さまがその手腕を発揮される機会があった。

「令和初の国賓として来日したドナルド・トランプ前米大統領夫妻の歓迎行事のときのこと。初対面にもかかわらず雅子さまは短時間で打ち解けられ、メラニア夫人には出身国の文化に合わせてチークキスを交わされました。そうした高いレベルでの“外交技術”は海外でも反響を呼び、『ニューヨーク・タイムズ』では“雅子妃はスターだった”と大きく報じられました。

 そうした様子を目の当たりにし、特に外務省は雅子さまを『日本の外交の宝』だと実感したといわれています」(日米外交関係者)

 その外交力に、次に期待されるのは、両陛下の「訪韓」の実現だという。

訪韓がコロナ禍の閉塞感を打ち破る

 冒頭のように上皇ご夫妻はこれまで、訪韓を検討されたことはあるものの、実現には至っていない。

「平成の時代ではついに実現しなかった『天皇の訪韓』ですが、上皇陛下の“韓国を訪れたい”というお気持ちは強かったといわれています。ご夫妻は戦争の当事国であるサイパンやパラオ、フィリピンに足を運ばれる『祈りの旅』をライフワークとされていました。そんな中で、いまだ訪問が実現できていない韓国は、祈りの旅の“悲願の地”ともいわれるほどに重要な存在なのです」(別の宮内庁関係者)

 訪韓最大のチャンスとされた2002年のサッカー日韓W杯のときでさえ、実現には至らなかった。そのとき、上皇ご夫妻の胸にはさまざまな思いが去来したことだろう。

 いまの天皇陛下も、韓国を訪問されたことはない。

「2015年、韓国で開催された『世界水フォーラム』に、同フォーラムの名誉総裁を務めたことのある陛下が招待されました。韓国側は、日韓の関係改善への糸口として、陛下のご出席を模索していた。陛下自身も、訪韓に強い意欲を見せられたそうです。

 しかし、万一の事態の警護問題と政治的状況などの理由から、当時の安倍晋三首相率いる政府は韓国側の申し出を拒否。そうして陛下の訪韓にはブレーキがかけられたのです」(外交関係者)

 今回、侍従長となった別所氏は当時、大使として在韓。陛下の訪韓に向けて動いた日本側の責任者の1人という立場だった。陛下が抱かれたであろう忸怩たる思いを、別所氏も同様に抱いたのではないだろうか。

 奇しくも、その別所氏が両陛下の最側近として、いまはすぐ横に控えている。現在、世界各国を新型コロナの被害が襲い、そう簡単に海外を訪れることはできない状況にある。両陛下も、昨年春に予定されていた英国訪問を延期された経緯がある。

「残念なことに、コロナの被害が拡大する中でワクチンの囲い込みなどが行われ、世界は分断が進んでいます。そうした折に、両陛下がこれまで実現できなかった訪韓を果たされれば、時代にはびこる閉塞感を打ち破ることができるのではないでしょうか。日本や韓国だけでなく、世界的にも大きな影響があるはずです。

 それは、雅子さまが皇后として外交力を発揮され、日本や世界の雰囲気を変えられることにほかなりません。世界を股にかけて活躍されるのは、雅子さまが皇室に入られる前から目指されていたことでもあるでしょう。同時に、上皇陛下とともに祈りの旅を続けられながらも、訪韓は果たせなかった美智子さまも、期待を寄せられていることだと思います。

 今後、東アジア地域の外交ルートに幅広い人脈を持つ新しい側近のサポートを受け、訪韓実現に向けて大きく進むはず。雅子さまのご活躍の幅も、さらに広がるのではないでしょうか」(皇室関係者)

 雅子さまと“先輩”侍従長の活躍が期待される。

※女性セブン2021年4月22日号