株式会社コラビットの渡邉雄也氏

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 コロナ禍のテレワークやオンラインで完結する「新しい生活様式」によって人々の家に対する考え方は大きく変わった。「2021年 LIFULL HOME’S 住みたい街ランキング」首都圏版の賃貸では、本厚木や千葉、柏などの郊外が順位を上げた。一方、持ち家においては、利便性や資産価値の観点から勝どきや白金高輪などの都心部が人気。いま、都心部と郊外で二極化の傾向にあるという。

 3〜4月は入学・入社・異動、会社のルールが変わるなどして、不動産の動きが活発化する時期。そんななか、家を購入&売却しようと検討する人もいるかもしれない。しかし、こんな声も……。

「不動産会社のうまい話に乗せられ損をしてしまうこともあります」

◆元不動産営業マンの証言「お客様に不都合な情報は伝えない慣習があった」

 株式会社コラビットの渡邉雄也氏は、大手不動産仲介会社で営業マンとして勤めていた経験があり、業界的に「お客様に不都合な情報は伝えない慣習があった」と証言する。

 前述のようにコロナ禍の影響と相まって都心部の家の需要が高まり、売却価格が高騰。裏を返せば、“売り時”を迎えている。だが、一生のうちに何度も経験するわけではない「家の売却」について十分な知識がある人は少ない。渡邉氏が、相手の口車に乗せられず、家をできるだけ高く売るためのコツを教えてくれた。

◆家の売却時に1社の不動産屋に任せないこと

「家を売却する際、多くの人が1社の不動産屋に任せることが多いですが、それは危険です。必ず複数社に依頼をするか、セカンドオピニオンを求めることをお勧めします」(渡邉氏、以下同)

 渡邉氏は建設会社で現場監督を経験したのち、大手不動産仲介会社で6年ほど営業マンとして従事。仲介会社の仕事に誇りを持っていたものの、業界に根強く残る慣習に疑問を持ち、消費者が損をしないためのサービスを提供するコラビットに転職することを決意した。

「家の売却(査定)価格は、周辺の家の成約価格を元にお客様の家の築年数、使用状況、土地の形状や前面道路との接道状況など鑑みて算出します。とはいえ、数字はいくらでも微調整できてしまいますから、担当者や不動産屋によって価格が変わることも多いです。

 良くない不動産屋1社に任せてしまうと、最悪の場合は時間がかかり結果、市場価値が落ちて損をしてしまいます。適正な価格で適正な期間内に売ることが大切です。そのためには、いつまでに売りたいかを決めたうえで、“半年”ほどの余裕を持って売却手続きを行うことがポイントです」

 多くの場合、家の売却開始から買主を見つけ売買契約を行うまでに2〜3ヶ月、その後引越しなど家を引き渡すための準備として2ヶ月、合計5ヶ月ほどの時間を要するものなのだ。

 焦って売ろうとすれば、不動産屋に足元を見られてしまうんだとか。

◆不動産屋が伝えない不都合な情報とは……

 では、不動産屋から足元を見られないためにはどうするべきなのか。

 ここからは渡邉氏がこれまでに見てきた、慣習的に行われている「不動産屋が家を売りたいと思っている人を騙す」手法を紹介したい。その“単語”を営業マンに知っていると伝えるだけでも牽制することができるとか。また、多くの場合は「複数社に同時に売却を任せることで防げる」というが、以降の単語を説明する。

・「高査定」

 売れもしない高い査定価格を提示し売主の気を引き売却依頼を獲得する行為で、結局は時間をかけて価格を下げられてしまい、泣く泣く売却せざるを得ない状況に落とし込まれる行為。

 なぜ、このような行為が行われるのか。「他社から“専任媒介契約”を奪うために使われることが多いです。自社のみに売却を依頼できる専任媒介契約を取得し確実に仲介手数料を確保したいから、良い顔をしてお世辞(高い金額提示)をいうのです。売主様からすると自分の不動産を褒められた方が嬉しいのでその心理を利用しています。