禁酒法の時代に、こっそりひそかに経営していたBAR『SPEAKEASY』。2020年の東京の街にも、そんなひそかなバーが、まだあった―月曜から木曜の深夜1時にOPENするラジオの中のBAR『TOKYO SPEAKEASY』。 各界の大物ゲストが訪れ、ここでしか話せないトークを展開するとか、しないとか……。

ここには、とんでもない俳優・女優・アーティスト・政治家、また起業家・メディアプロデューサーなどのスゴい方たちが訪れ、「ここでしか語れない」様々な話を繰り広げます。4月7日(火)のお客様は、小説家・エッセイストの林真理子さんと幻冬舎社長の見城徹さんです。


(左から)林真理子さん、見城徹さん



◆今までにいなかったミュージシャン
見城:僕が編集者になった頃っていうのはまだ出版界が景気のよいときで、誰に何を書いてもらっても売れた時期だからね、ある程度は。

林:(見城さんは)いろいろ“スター”をおつくりになって。今日、私、尾崎豊さんの歌をリクエストしているんですけどね。

見城:あ、本当。

林:尾崎豊ってさ、実は亡くなるまで人気がそんな一般的ではなかったんだよ。亡くなってすごいお葬式を見て、大人もすごい人がいるんだなっていう感じだった。

見城:うーん、そうなんだね。

林:そうなの。あのあんなに一般的になるのは亡くなってからだと思うんですよ。

見城:でもね、「尾崎豊 著」という本は僕しか作ってないのね。そのときの、1番最初の本は、彼が19歳のときの「誰かのクラクション」っていう本なんですよ。「SOMEBODY BEEPS A KLAXON」“僕には誰かの心の悲鳴が聞こえる”っていう本なんですよね。それを、「二十歳になる前までに出したい」っていうので、尾崎と本当に苦労して出したかっこいい本があるんですよ。それが36万部ぐらい売れたんだよね。

林:すごいね。

見城:それから、彼は、アメリカに行って薬に手を出したり、日本に帰ってきても、覚醒剤で捕まったりとかっていうのがずっとあって、でも、36万部売れたってことは、あの最初の本が、もう知る人ぞ知る人気があったんですよ。彼の心を、彼の歌詞が音楽がメロディが、聞く人の心をとらえて離さないっていう感じはあったんです。

それで、コンサートに行けば、ものすごい高いところから飛び降りて骨折しちゃうとか、そういう一種の今までにいなかったミュージシャンだったんですよ。

林:だからその、昔から尾崎さんの名前をずっと見城さんから「すごいんだよすごいんだよ」って、ずっと聞いていたのね。

見城:だから、僕にとっては一般的っていうか、死んでからすごくなったんじゃないんだけどね。

林:それで、そのお葬式の行列を見ていて。

見城:護国寺でやったんだよね。

林:護国寺で。そのときに見城さんの言った言葉が印象に残っているんだけど、「尾崎豊のファンっていうのはすべてのファンがあの寺に行く。それが、“尾崎豊のファン”なんだ」って言ったの覚えてる?

見城:あー弔問に行く、と。

林:「尾崎のファンってそういうファンなんだよ」って教えてくれたの。

見城:だから、ものすごく心中率が高いファンなんですよ。それで、一般的なファンじゃない。“この人のためだったらすべてを犠牲にしても良い”っていう。だから熱狂的なんだよね。

なぜならば、彼の歌っている曲が全部“1度は誰もが通る”、ちょっと繊細で生き方に迷っている人だったら必ず通る、彼の何かが触れているからなんですよ。そんなこと言ったらさ、秋元康の詞だってみんなそうなんだけど、あんな風に、詞で何かを訴えるっていうことができたのは、尾崎が最初だったような気がするんですよ。

林:それをね、すっごい早いうちに見つけて。しょっちゅう「月刊カドカワ」で尾崎さんの特集していて。1番早く見つけたよね?

見城:そう。

林:あれすごかった。

◆転落から“二人三脚”で…
見城:それで、尾崎は1回すべてをなくすんですよ、捕まっちゃったり、いろんなことがあって。レコード会社も所属事務所もなくすんですよ。それで、ある日、新宿のヒルトンホテルのスポーツクラブで早朝に行ったんですよ。出張校正っていう、印刷会社に詰めて校正するっていうのがあって、それが終わって、ちょっと体を動かそうと思って、早朝のスポーツクラブに行ったらば、

何ていうのかな、荒れ果てた感じの人が、シャドーボクシングをしながらトレッドミルを走っていたんですよ。“俺、この人の隣で走るのいやだな”と思って、そのままサウナに行こうと。行きかけたら、その人がトレッドミルを止めて「見城さん」って言うんですよ。“え? 何で俺の名前呼ぶんだろう”って思ったら、「尾崎豊です」って言うんですよ。

「えー!」って。白髪で太っちゃっていて、全然尾崎の面影はなかったんですよ。そこから、2人でジムの床に座って、彼は「すべてをなくした。だけど、自分は蘇りたい」ってことを、切々と僕に語るんですよ。

そのときに、僕も編集者としてダメになっているな、と思っていた時期で。「月刊カドカワ」の編集長になって、すごく順調に部数を伸ばしてきていて。面倒くさい企画は顔を出さない、難しい作家とは会わない、いつもしょっちゅう行っていたコンサートを“腰が痛い”とか“頭痛がする”とか言い訳をつけて行かない、1年に7、80本見ていた映画にも行かなくなって。だから現役感がない感じだった。

でも、この尾崎を見て、俺は“もう1回、自分をこいつに重ねて蘇りたい”と思ったんですよ。それで、トレーニングメニューを書き、それから金を集め、人を集め不動産屋を回って、「アイソトープ」っていう尾崎の事務所を作るんですよ。だけど、俺、角川書店のサラリーマンだからさ、会社にバレたら本当にクビだったんだけど、とにかく“尾崎の復活”にかけた、って俺が言うと生意気だけど、そういう“二人三脚”があったんですよ。

そして、尾崎の復活アルバムが『誕生』っていうんだけど、それがオリコンの1位をとったって、大体2日前ぐらいに分かるわけですよ。ヒルトンホテルに彼は泊まっていて。それで、ホテルの下から電話して「降りて来い。アルバムが1位だよ」と。1位じゃなかったら、尾崎が復活したって言えないと思っていたので。それで、2人でヒルトンホテルのバーに入って生ビールで乾杯するんですよ。そのときのビールほど美味いビールはなかったです。

来週の「TOKYO SPEAKEASY」のお客様は……

4月20日(月):指原莉乃さん×若槻千夏さん
4月21日(火):大橋裕介さん×今泉力哉さん
4月22日(水):木村祐一さん×田口トモロヲさん
4月23日(木):古市憲寿さん×小倉智昭さん

がご来店。一体どんな話が飛び出すのか……!? お楽しみに!

▶▶この日の放送内容を「JFN PARK」でチェック! https://park.gsj.mobi/program/show/49902

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<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00〜26:00
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/speakeasy/