選手たちが持ち帰る「甲子園の土」は、ブレンドのこだわりがスゴイ
スポルティーバ・トリビアvol.5【甲子園編】
敗れたチームの選手たちがベンチ前の甲子園の土をスパイク袋に詰める姿は、日本の夏の風物詩のひとつだろう。始めたのが誰かは諸説あるが、汗と涙がしみ込んだ焦げ茶色の土は、今も昔も球児たちの青春の象徴である。基本、持ち出し禁止なのだが、球場の所有者である阪神電気鉄道さんの心意気で、この伝統が続いている。

甲子園の土を袋に詰める選手たち
甲子園の土には研究と改良の歴史がある。開場当時グラウンドの土の責任者だった石川真良氏は、各地から土と砂を取り寄せ、何度もブレンドして理想の土を追い求めた。白球が見やすい黒土で、大会の長丁場や、さまざまな天候にも耐えうるグラウンドをめざした。こうして生まれたのが、甲子園の土のベースになっている。石川氏は「甲子園の土の生みの親」と称されている。
現在、その志を継いでさらなる改良を続けているのは、阪神園芸株式会社のみなさんだ。試合中もグラウンドに目を光らせている。ちなみに、甲子園に補充する土は年間で2トンを超えるそうだ。その一部は前述したとおり、球児たちが大事に持ち帰っている。
