破綻から9年のJAL、経営再建中に導入決めた初のエアバス機が背負う期待
A350の機内から機長とともにタラップを下りた植木義晴会長は「6年前の決断が正しかったと自信を持って帰ってきた」と笑顔を見せた。12年に社長に就任した植木会長が直面した最初の大仕事が、主力旅客機「ボーイング777型機」の後継機選定だった。
経済性や環境性能などを総合的に考えた結果「将来のJALにとって、最善の選択だ」(植木会長)と、従来の延長線上でのボーイングの次世代機ではなく、挑戦を選んだ。当時は経営再建のまっただ中。31機で合計1兆円弱の大型調達に「金額を見てサインをするのに手が震えた」(同)ともいう。
最新機のA350はさまざまな現場に変革をもたらしそうだ。機長らにとってボーイングの機材で慣れ親しんだ操縦かんは、エアバス機ではサイドスティックとなる。受領したA350を操縦してきた宮下篤機長は「未来の飛行機のようだ」と感想を漏らした。
飛行や整備記録を記載する航空日誌も電子化される。到着を祝った式典で、植木会長は最初で最後となるA350の航空日誌を赤坂社長に手渡した。赤坂社長は、運航と整備のコミュニケーションで重要な役割を果たしてきた日誌の中身を確認して「(これと)何十年も付き合ってきた」と感慨に浸った。
A350は座席に個人画面や電源を装備するなど設備を充実させて、フルサービスキャリアとしての、さらなる顧客満足度向上を狙いとする。式典では赤坂社長が「安全性、整備性にも優れた飛行機だ。自信を持ってやっていきたい」と決意を示した。9月1日の羽田―福岡線への投入を皮切りに、まずは国内線でB777の置き換えが始まる見通しだ。

