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もくじ

ーはじめに
ー意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆
ー内装 ★★★★★★☆☆☆☆
ー走り ★★★★★★★★☆☆
ー使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
ー乗り味 ★★★★★★☆☆☆☆
ー購入と維持 ★★★★☆☆☆☆☆☆
ースペック
ー結論 ★★★★★★★☆☆☆

はじめに

トヨタのGAZOO(ガズー)レーシングが、ニュルブルクリンクを制するために、チューニングを施したクルマ。今回ロードテストで評価する、トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)のテールゲートにあしらわれた赤と黒のイニシャルは、それを意味している。英国人にとっては、少し発音しにくい文字の並びだけれど、何度か口にすれば、すぐに慣れる。果たして、このエンブレムに相応しい仕上がりなのだろうか。

モータースポーツのファンなら、トヨタ・GAZOOレーシングの名前は何度か聞いたことがあるだろう。そもそもは、トヨタ・レーシングやレクサス・レーシングなどと並ぶ、トヨタ自らが運営するレーシングチームのひとつに過ぎなかった。GAZOOレーシングのデビューは、2007年のニュルブルクリンク24時間レースに出場した、2台のアルテッツァだった。

その後レーシングチームが統合することで、今のトヨタGAZOOレーシングがかたち作られ、世界耐久選手権(WEC)や世界ラリー選手権(WRC)などに参戦することとなる。トヨタのレーシングチームの再編成は、将来的な自動車開発において、モータースポーツとの関係性を深めたいという思いの現れだといえる。腕利きのドライバーやエンスージャストにとっては喜ばしい、良い流れだ。

この4文字のアルファベットの選択が正しいかどうかは別として、ドライバーへのエキサイトメントやエンターテインメントといったワードからはやや縁遠いトヨタにとって、このヤリスGRMNはかなり真剣な1台になっている。トヨタがホットハッチの世界に復活すると同時に、WRCで活躍するヤリス(写真)と控えめな市販版ヤリスとを、イメージ的に結びつける架け橋でもある。

GRMNのエンブレムを付けたクルマは欧州では初めてでもあり、パフォーマンスを高めたヤリスは限定生産。開発はもちろん、その名の通りニュルブルクリンクで行われた。2018年のジュネーブ・モーターショーでも注目を集めた、GRスープラ・レーシングコンセプトの仕上がりを占う上でも、ヤリスGRMNへの期待は高まる。

トヨタ流ハードコアを、確かめてみよう。

 

▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

 

▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

ヤリスGRMNと多くのホットハッチとで異なる顕著な部分は、エンジンだろう。2ZR-FEと呼ばれる1.8ℓの4気筒エンジンがボンネットに押し込まれている。チューニングはロータスが手がけており、スーパーチャージャーで過給される点が特徴。イートン製ローターを用いたマグナソン社製のスーパーチャージャーにインタークーラーを組み合わせてあり、トヨタ製V6エンジンで一般的なインジェクションシステムが燃料供給を行う。エアインテークも大型化され、最大出力212psを6800rpmで、最大トルク25.3kg-mを4800rpmで発生する。

このボディサイズに似つかわしくない大パワーは、6速マニュアルとトルセンLSDを介してフロントタイヤへと伝えられる。5年前にはこのAセグメントのクルマにLSDが搭載されることは珍しかったが、近年はだいぶ増えてきたようだ。

ヤリスの全長は4mを切っており、英国ではスーパーミニと呼ぶAセグメントの中でもコンパクトな部類に属する。この小さなボディだから、1.8ℓ4気筒エンジンの前方、ラジエターやエアインテークに並ぶかたちで、スーパーチャージャーなどの過給システムが押し込まれている。

パワートレインと同様に、シャシーにも大幅に手が加えられている。剛性向上のため、フロントサスペンションのストラット頭頂を結ぶブレースバーのほか、ボディ下面にもブレースバーを追加。フロントのアンチロールバーは直径26mmもある、太いものに置き換えられている。

フロントがマクファーソン・ストラット式、リアがトーションビーム式となるサスペンションには、ザックス社製のパフォーマンス・ダンパーを装備。コイルスプリングも強化され、車高は標準モデルより24mmも下げられている。背の高いプロポーションのヤリスにとって、重心高を下げるためには重要な手段だといえるが、ドライバーズカーと呼べるほど優れた魅力を獲得できているかどうかは、本校後半にて。

フロントとリアのディスクブレーキも強化品となり、制動力も向上。リアスポイラーやセンター出しのマフラー、リアディフューザー、17インチのBBS社製鍛造アルミホイール、赤と黒のストライプ・ステッカーなどが、攻撃性を増したヤリスと、通常のヤリスとの見た目の違いとなる。ボディカラーのバリエーションはなく、写真の通りホワイトのモデルのみ。

アピアランスとしては、同セグメントのホットハッチと比較しても、明らかにハードコアでアグレッシブ。同時に、どこかマニア受けしそうな少し癖のある雰囲気も漂わせている。トヨタが本気で取り組んだパフォーマンスの「カイゼン」は、優れた結果を導けるだろうか。

 

▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

 

▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

内装 ★★★★★★☆☆☆☆

ヤリスの内装に用いられている素材が、これまで高い評価を得たことはなかったが、それはGRMNでも変わらない。ダッシュボードは暗い質素なプラスティックで溢れ、インテリア全体の雰囲気も単調。そのデザインは、現代的な感覚としても、2万6295ポンド(381万円)という価格の面でも、安っぽく感じられてしまう。

インテリアが退屈なおかげで、運転の気が散らされないことが、メリットというのは強引か。もしかすると、読者の中には、このインテリアが気に入るひともいるかもしれない。追加費用の殆どがドライビングをよりエキサイティングなものにするために使われている、という証拠でもある。

車内の変更点で目立つものは、アルカンターラ張りの素敵なバケットシートだろう。ただ、剛性も高く、身体のホールド性にも優れてはいるものの、いかんせん着座位置が高い。ステアリングホイール、というよりステアリングコラム丸ごとがGT86からの移植品で、GT86同様に前号方向、テレスコピックの調整幅が少ないところが難点だ。

ペダルはスポーティなデザインのものに変更されているが、レイアウトは、ヒール&トウしやすい位置に調整されていない。フロントシート周りの空間は充分で、背が高いヤリスだけにヘッドルームには余裕がある。しかし、3ドアボディという制限もあり、後部座席は快適とはいい難く、乗るなら近所への買い物など、短距離移動程度にしておきたいところ。

といっても、ヤリスの後部座席空間の前後長は650mmもあり、ミニ・クーパーSの640mmやプジョー208GTiの620mm、と比べれば多少長い。同様にラゲッジスペースも、ミニの278ℓやプジョーの285ℓと比較すればわずかに大きい、286ℓが確保されている。

 

▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

 

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走り ★★★★★★★★☆☆

ターボによる過給が一般的なAセグメントのホットハッチにおいて、スーパーチャージャーで過給されるGRMNは他にはない個性を獲得している。しかし、ミニ・クーパーS 210ワークスやプジョー208 GTi 30thの最大トルクはともに30.4kg-mと、ヤリスGRMNの25.3kg-mを凌駕している。ヤリスの場合、豊かなパワー感を得るには、高回転域の5000rpmまでエンジンを回さなければならず、そのスイートスポットを維持するには、6速マニュアルを駆使する必要がある。

トランスミッションは滑らかで正確だから、変速を素早くこなすことも可能で、サーキットでの走行会を楽しむようなドライバーにとっては、濃密な愛おしい作業でもあるだろう。ヤリスのエンジンを高らかに回せば、ホットハッチのライバルとは異なる、独自のポジショニングを明確に実感できる。また、最大トルクが劣るからといって、コーナリングでのベストラインを保てないわけではない。

0-100km/h加速の体力測定では、ヤリスGRMNは6.4秒を記録した。プジョーより0.1秒速く、路面条件で不利だったミニとは、0.8秒も速い数字となる。48km/hから112km/hへの加速でも、ヤリスGRMNは5.4秒でこなしたのに対し、プジョーは5.8秒、プジョーは6.0秒を要している。

うまく操れれば、鋭い加速が得られるだけでなく、思わず聞き惚れてしまうエンジンサウンドも味わえる。荒々しく、調律の行き届いたエンジンではないが、エネルギッシュな音色は、このハードコアなヤリスの性格にぴったり。ターボエンジンのサウンドより遥かに魅力的だと思う。

しかし理想のライン取りは、一筋縄ではいかない。前輪駆動のライバルと比較すると、メカニカルグリップが不十分で、1速や2速でのスロットル操作には、やや繊細な対応が必要になる。ディスクブレーキは、フロントがベンチレーテッドディスクで、リアがソリッドディスク。フロントには対向4ポッドキャリパーも備わり、強力な制動力を発揮する。ブレーキペダルを踏み込めば、1135kgのボディを96km/hからわずか2.89秒で静止させることが可能。ちなみにこの数字も、ミニやプジョーより優れている。

テストコース

トヨタ・ヤリスGRMNを速く走らせるには、ライバル以上に予見的に、積極的にクルマを操る必要がある。コーナー進入時のギア選択が正しくなければ、コーナー出口でのギア選択や加速にまで大きく影響を及ぼしてしまう。ドライビングにはかなり熟練の技術が求められるクルマだといえる。しかもエンジンのスイートスポットを保つには、ヒール&トウでのブレーキングが求められるが、ペダルの間隔が広く、足首をだいぶ横にひねる必要がある。

フロントタイヤのグリップ限界を超えないように、このブレーキングと変速をこなしつつ、ステアリングを適切に切るスキルが試されるから、速く走らせるのはかなりチャレンジング。単純なクルマではないぶん、カーライフは間違いなく単調なものにならないだろう。

いつものミルブック自動車試験場の丘陵ルート。T2セクションはやや苦手だった印象。スムーズにコーナリングするには、かなりの技量を要する。過度にアクセルを踏みすぎると、コーナー出口でアンダーステアも露呈してしまう。サスペンションは硬く、段差を超えると車内に暴力的な振動を伝えてしまう。逆バンク状態のコーナーでは、ヤリスの重心高の高さから、神経を使わされる場面があった。

発進加速

トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)GRMN
テストトラック条件:乾燥/気温9℃
0-402m発進加速:14.8秒(到達速度:158.3km/h)
0-1000m発進加速:27.9秒(到達速度:202.4km/h)
48km/h-112km/h加速/4速:10.6秒

プジョー208 GTi 30th(2015)
テストトラック条件:乾燥/気温3℃
0-402m発進加速:15.0秒(到達速度:154.6km/h)
0-1000m発進加速:27.1秒(到達速度:195.5km/h)
48km/h-112km/h加速/4速:8.1秒

制動距離

トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)GRMN
テスト条件:乾燥/気温9℃
97-0km/h制動時間:2.89秒

プジョー208 GTi 30th(2015)
テスト条件:乾燥/気温3℃

 

▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

 

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使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆

ヤリスGRMNが搭載するインフォテインメント・システムは、7.0インチモニターを採用したトヨタ・タッチ2と呼ばれるシステム。ナビゲーションのほか、デジラルラジオ、ブルートゥースとUSBを用いたスマートフォンとの接続機能を備える。グラフィックは特に綺麗というわけでもなく、反応も素早いわけではないが、操作は比較的簡単に行えるところが美点。

多くの自動車メーカーとは異なり、トヨタはインフォテインメント・システムの操作系をタッチ・モニターに統合せず、モニターの周辺にも物理的なボタン類を残している。触り心地に特徴はなくても、システムのサブメニューの操作には非常に有用で、特に運転中の操作はしやすい。

6スピーカーを内蔵したサウンドシステムを採用するが、音質は良いとはいえず、ボリュームを上げると音が歪んでしまう。エンジンのサウンドトラックが魅力的だから、オーナーの殆どはさほど気にしないだろう。ラゲッジスペースの広さは、一番狭い部分で幅が890mm、奥行きが600mm、高さがトノカバーを下げた状態で490mmとなっている。

視界

街なかでの運転がしやすいヤリスだから、GRMN仕様になっても前後視界ともに、特に懸念される部分はない。

燈火類

標準でヘッドライトはハロゲンライト。これほど俊足を持ったクルマにも関わらず、明るさも見通しも良いとはいえない。LEDヘッドライトは標準装備で欲しいところ。

ステアリングとペダル

ABCペダルともに、滑らかにヒール&トウをするには間隔が開きすぎている。ステアリングコラムのテレスコピックの調整幅は不足気味。

 

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乗り味 ★★★★★★☆☆☆☆

全高が高いヤリスのボディコントロール性を向上させるため、サスペンションにはかなり手が加えられている。ボディ剛性も高め、脚まわりも硬められているものの、ライバルと比較して明確に上体の重さを実感させられてしまう。特に高速走行中に進路変更やレーンチェンジをすると、外側のタイヤに荷重がかかる前に、荷重が移動していくワンテンポを感じ取れるほど。

フロントタイヤのグリップ力も、スピードが速すぎるとコーナリング途中で簡単に限界を迎えてしまう。また、背の高いボディ構造に抗するために硬められたサスペンションは、クルマの乗り心地も荒々しくしている。とりわけ小さく波打つような路面では、うまく処理できない。タイヤへの大きな入力があった場合でも衝撃は吸収しきれず、低速での乗り心地も快適とはいい難い。ヤリスGRMNをベーシックなコンパクトカーとして日常的に乗るという発想には、われわれとしては賛同できない。

パワートレインと同様に、ステアリング操作も単純なものではない。走行中の安定性を高く感じられるように、標準のヤリスと同様に、センター付近でのステアリングはおっとりした性格になっている。ヤリスの短い鼻先の向きをクイックに変えたいのなら、Aセグメントの中でも特に、ステアリングホイールは大きめに切る必要がある。

切りはじめさえ大胆な操作をすれば、ステアリングの重さは適正で、フィーリングも上々。ロックトゥロックは2.28回転だから、もっとクイックに感じられても良いのだけれど。

総合的に見ると、ホットハッチらしいドライバーズカーとして焦点を合わせ、かなりの手が加えられているのにも関わらず、残念ながらヤリスGRMNのハンドリングは期待するほど躍動的なものではない。ワインディングを鋭く走らせることも、乗り手を選ぶ仕上がりだといえるだろう。

 

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購入と維持 ★★★★☆☆☆☆☆☆

もし読者が2万6295ポンド(381万円)のお金をすぐに払える状態にあっても、英国ではヤリスGRMNを新車で購入することはできない。限定の80台は既に売約済みとなっている。日本国内でも、150台の購入者は既に決定済みとなっているようだ。欧州全体としては400台の割当となっていたが、予約開始の72時間後には、殆どの国で受付を終了してしまうほどの人気だった。

そんな限定車両だが、標準装備はそれほど充実した内容ではない。もちろん、スポーツシートにボディキット、17インチのアルミホイールなど、スポーティなアピアランスにはなっている。しかし、完璧なものとはいい難く、クルーズコントロールは備わらないし、シートヒーターも無し。インフォテインメント・システムも装備されてはいるが、特に優れたものではない。

加えて燃費にも期待できなさそう。長距離の高速道路での走行と、走行性能を測るためにサーキットを走った今回のロードテストでの平均燃費は、9.7km/ℓ。ちなみに、ミニ・クーパーS 210ワークスの平均燃費は10.8km/ℓとなっている。

中古車としての価値推移を見ても、ミニ・クーパーSやプジョー208 GTiより、ヤリスGRMNは若干だが不利なようだ。限定生産にも関わらず、3年後、5万8000km走行後の残存価値は、新車時の39%にまで減ってしまうと見込まれている。

限定生産ながら、残存価値は欧州製のライバルモデルと同等程度となるだろう。

 

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スペック

レイアウト

トヨタ・ヤリスGRMNも多くのホットハッチとレイアウトの面では共通部分が多い。エンジンはフロントに横置きされ、6速マニュアルを介してフロントタイヤを駆動。トルセンLSDも備わる。最大の特徴は、ターボではなくスーパーチャージャーで過給されるところ。フロントはマクファーソン・ストラット式、リアはトーションビーム式のサスペンションを採用している。

エンジン

駆動方式:横置きフロントエンジン/フロントドライブ
形式:直列4気筒1798cc スーパーチャージャー
燃料:ガソリン
ブロック/ヘッド:アルミニウム/アルミニウム
ボア×ストローク:φ80.5×88.3mm
圧縮比:10.0:1
バルブ配置:4バルブ
最高出力:212ps/6800rpm
最大トルク:25.3kg-m/4800rpm
許容回転数:7000rpm
馬力荷重比:186ps/トン
トルク荷重比:22.3kg-m/トン
エンジン比出力:117.6ps/ℓ

シャシー/ボディ

構造:スチールモノコック
車両重量:1135kg
抗力係数:0.312
ホイール:(前)7.0Jx17/(後)7.0Jx17
タイヤサイズ:(前)205/45 R17/(後)205/45 R17
タイヤ銘柄:ブリヂストン・ポテンザRE050A
スペアタイヤ:パンク修理キット

変速機

形式:6速マニュアル
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
?3.5/4.8 ?1.9/9.0 ?1.3/13.1 ?0.97/17.6 ?0.71/24 ?0.62/27.7
最終減速比:4.214:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:9.7km/ℓ
ツーリング:13.8km/ℓ
動力性能計測時:5.5km/ℓ

メーカー公表値:消費率
市街地:9.4km/ℓ
郊外:17.5km/ℓ
混合:13.3km/ℓ

燃料タンク容量:42ℓ
現実的な航続距離:407km
CO2排出量:170g/km

サスペンション

前: マクファーソンストラット/コイルスプリング/ダンパー/アンチロールバー
後:トーションビーム/コイルスプリング/ダンパー

ステアリング

形式:電動パワーステアリング
ロック・トゥ・ロック:2.28回転
最小回転直径:11.0m

ブレーキ

前:φ275mmベンチレーテッド・ディスク
後:φ287mmソリッド・ディスク

静粛性

アイドリング:48dB
4速最高回転時:81dB
4速48km/h走行時:63dB
4速80km/h走行時:69dB
4速113km/h走行時:71dB

安全装備

ABS/VSC
Euro N CAP:★★★★★(ヤリス・ハイブリッド/2017年)

発進加速

実測車速mph(km/h)秒
30(48) 2.7 

40(64) 3.8 

50(80) 5.0 

60(97) 6.4 

70(113) 8.1 

80(129) 9.9 

90(145) 12.5 

100(161) 15.4 

110(177) 18.7 

120(193) 24.5 

130(209) 32.7 

140(225) - 

150(241) - 

中間加速〈秒〉

中間加速mph(km/h)2速3速4速5速6速
20-40(32-64) 2.6 4.0 6.2 - - 
30-50(48-80) 2.4 3.5 5.6 8.3 10.7 
40-60(64-97) 2.5 3.4 5.2 7.7 10.2 
50-70(80-113) - 3.4 5.0 7.4 9.8 
60-80(97-129) - 3.6 5.1 7.1 10.1 
70-90(113-145) - - 5.3 7.7 10.6 
80-100(129-161) - - 5.7 8.3 11.2 
90-110(145-177) - - - 6.4 9.2 
100-120(161-193) - - - - - 
110-130(177-209) - - - - - 
120-140(193-225) - - - - - 
130-150(209-241) - - - - - 
140-160(225-257) - - - - - 

各ギアの最高速

1速 54.7km/h 7000rpm 
2速 101.3km/h 7000rpm 
3速 148.0km/h 7000rpm 
4速 197.9km/h 7000pm 
5速 230.1km/h 5962rpm 
6速 230.1km/h 5169rpm 

 

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結論 ★★★★★★★☆☆☆

パワートレインの魅力に釣り合う、ダイナミクス性能がほしい

欧州初のGAZOOレーシングのモデル第1号ということで、注目も集めたヤリスGRMN。ホットハッチのレシピ通りの成り立ちながら、ヤリスのボディやシャシーにはやや荷が重く、結果として総合的に魅力的なホットハッチにまでは至らなかった。しかし、この小さなクルマは、魅力的な個性を備えている。

スーパーチャージャーを搭載したモデルは、このセグメントではかなりユニークだし、ライバル並みに速く走らせるには、それなりのスキルも求められるが、そこから得られるドライビングの満足感は相当に濃いものだといえる。エンジンを高回転域まで回す必要性と、エンジンが奏でる中毒性のあるサウンドは、他にはない魅力でもあり、ヤリスを、充分に速いホットハッチに仕立ててはいる。

退屈なインテリアと、アグレッシブなエクステリアは別として、トヨタがこの小さなヤリスに、濃密なドライビング体験が得られる調理を施したということは、高く評価したい。レスポンスや懐の深さで、パワートレインに及ばないシャシーが残念でならない。より安価で、シャープで煮詰められたライバルモデルの挙動を鑑みると、ヤリスの足りない部分があぶり出されてしまうのだ。

だが、トヨタのGAZOOレーシングの将来的なモデル展開を予見させる姿として、高い期待が持てるクルマであることも、事実だと思う。

担当テスターのアドバイス

サイモン・デイビス

GAZOOレーシングのステッカーがどうしても気に入らない。WRCを戦うラリーカーとのイメージのつながりも、実感しにくい。ありがたいことに、追加料金無しで、ステッカーなしのオプションも選択できるようだ。

マット・ソーンダース

6速マニュアル・トランスミッションの変速の質感が素晴らしい。積極的にシフトするほど、満足感も高い。アクセルペダルを踏んだまま変速できる、パワーシフトも受け入れてくれる。ロードテスターにとって、夢のようなミッションだ。

オプション追加のアドバイス

ボディ各所に貼られたGAZOOレーシングのステッカーの有無意外、ヤリスGRMNにオプションは存在しない。

改善してほしいポイント

・アクセル、ブレーキ、クラッチのペダル間隔を狭く改めるべき。
・着座位置の高さ調整と、ステアリングコラムの調整幅はもっとほしい。
・凝りすぎる必要はないが、価格なりにもう少しインテリアにも変化があるといい。

 

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